【愛知】祝！新元号令和にちなむ熱田神宮末社「龍神社」と東山植物園「万葉の散歩道」

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• 大伴旅人の歌碑もある東山動植物園「万葉の散歩道」
•    季節の花々が楽しめる
• 大伴武日命が祀られる、熱田神宮の末社「龍神社」
•    古くから天皇家の親衛隊を務めた家系・大伴氏
•    言葉使いの名手の家系でもあった大伴氏
• 熱田神宮の創建にかかわる氷上姉子神社と上知我麻神社
•    熱田神宮の珍しい「オホホ」ご神事の由来とは
• 新元号に関わりの深い、大伴旅人を感じてみよう

大伴旅人の歌碑もある東山動植物園「万葉の散歩道」

東山動植物園にある”万葉の散歩道”は、設置されてから30年以上が経過し、平成29年から3年をかけてリニューアルされています。平成30年3月には、市民を交えて万葉の花の植樹が行われました。この散歩道には、万葉に関する歌碑が設置されており、その中には以下の大伴旅人の歌もあります。

こちらは「令和」の元となった、”梅の花の歌”序文以下32首のなかの一首です。梅や桜の散る花びらを、雪に例えたはじめの句だと言われています。左遷されても天を恋（こ）うる臣下の哀愁を「梅の花吹雪」によせて歌っています。このような旅人の歌を、万葉の散歩道を歩きながら、探してみませんか？

他にも『万葉集』の編纂に関わったとされる大伴家持の以下の歌の歌碑も、この万葉の散歩道にあります。ぜひ探してみてください。

季節の花々が楽しめる

• 写真：Takako
• 写真：Takako

東山動植物園には主に「東海の森」「薬草の道」、そしてこちらで紹介している「万葉の散歩道」があります。「万葉の散歩道」は平成31年時点もリニューアル工事中ではありますが歩くことができ、往復しても1kmないので、気軽に散策ができます。

「万葉の散歩道」では、1月には椿、2月には椿と共に梅が咲き始めます。3月は早咲きの河津桜が楽しめ、4月には桜の回廊、お花畑にチューリップやシャクナゲが登場するなど季節の花々が目を楽しませてくれます。

大伴武日命が祀られる、熱田神宮の末社「龍神社」

熱田神宮の境内末社には龍神社（りゅうじんしゃ）が鎮座していますが、その御祭神として、大伴旅人のご先祖にあたる大伴武日命（おおともたけひのみこと）が祀られています。

大伴武日命が祀られる龍神社は、明治時代まで草薙剣が保管されていた土用殿のすぐ東にあり、草薙剣を「お歌」の力で守るかのように鎮座しています。

• 写真：Takako

古くから天皇家の親衛隊を務めた家系・大伴氏

大伴旅人のご先祖様は、神代にまでさかのぼります。『日本書紀』によれば、大伴氏の家系には、日本武尊（やまとたけるのみこと）の東征に従っていた大伴武日命の他、初代天皇となった神武天皇の大和討ちに従って、大きな功を立てている道臣命（みちおみのみこと）なる人物があります。天皇のそば近くにさぶらって、お歌によって敵の妖気を祓い、道を拓いた側近として後世に名を残しています。

言葉使いの名手の家系でもあった大伴氏

日本武尊のおともを務めた大伴武日命は、東北の抵抗勢力に対し話し合いで降伏させるという大仕事を成功させました。歌作りの法則を知り尽くす「神」とも称賛された「言葉の使い手」だったということです。

• 写真：Takako龍神社

熱田神宮の創建にかかわる氷上姉子神社と上知我麻神社

大伴武日命が仕えた日本武尊は、三種の神器の一つ草薙神剣（くさなぎのみつるぎ）を、お妃である宮簀媛（みやすひめのみこと）のもとに置いたまま亡くなってしまいました。その神剣は妃の手によってこの熱田の地にお祀され、それが熱田神宮の始まりとされています。

• 写真：Takako熱田神宮

そんな熱田神宮の創建に深くかかわる神社として、熱田神宮から8km南下した所に、宮簀媛の拠点であった氷上姉子神社（ひかみあねこじんじゃ）があります。

• 写真：Takako氷上姉子神社

また宮簀媛の父で尾張の地を拓いた乎止與命（おとよのみこと）が鎮座する上知我麻神社（かみちかまじんじゃ）は熱田神宮の南端にあり、境内をにぎわせています。

• 写真：Takako上知我麻神社

熱田神宮の珍しい「オホホ」ご神事の由来とは

三種の神器の一つ草薙剣は、何度も盗難に遭うなどして熱田の地から運び出されようとするたび、必ず舞い戻ってきたという数奇な運命をたどっています。

熱田神宮にはそんな草薙剣に関するご神事も多いのですが、特に面白いものとして。酔笑人神事（えようどしんじ）なるものがあります。草薙剣が熱田に戻ってきた時、皆がこぞって喜び笑ったことを今に伝えています。5月4日午後7時から神職がお面をかぶり各所で一斉に「オホホ」と笑います。

新元号に関わりの深い、大伴旅人を感じてみよう

美しい自然に心を寄せながら、万葉の歌をうたった大伴旅人。先祖はお歌によって「妖気」を祓っていたとまで言われている歌の名家出身の彼の面影を感じながら、はるか古代に根付く歌の技法に思いをはせる、ロマンの旅を楽しまれてはいかがでしょう。