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オランダのだまし絵アーチスト、エッシャーの不思議な世界を美術館で体験

取材・写真・文:

トラベルライター

2018年11月12日更新

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写真:トラベルライター

オランダにあるエッシャー美術館では、だまし絵として世界的に知られている「エッシャー」の作品を見ることができます。たとえエッシャーの名前は知らなくても、彼の作品を一度は見たことがあるのではないでしょうか。そんな彼の作品とかつて宮殿であった美術館の建物についても紹介していきます。

この記事の目次表示

エッシャー美術館【Escher in het Paleis】

  • 写真:トラベルライターエッシャー美術館 (Escher in het Paleis)

オランダ第三の都市、デン・ハーグにあるエッシャー美術館には、視覚の魔術師とも言われる世界的に有名なグラフィックアーチスト「エッシャー」の作品が150点以上展示されています。

彼はオランダを代表するグラフィックアーチストで、木版画やリトグラフ、メゾチントによる数多くの作品を制作していますが、特に目の錯覚を引き起こすようなだまし絵(トロンプ・ルイユ)が世界的にとても有名です。

  • 写真:トラベルライター美術館内の写真「M.C.エッシャー」
本名:マウリッツ・コルネリス・エッシャー (Maurits Cornelis Escher)
通称:M.C.エッシャー(1898年〜1972年)

この美術館での楽しみ方として、エッシャーの作品の観賞はもちろんのこと、かつての王宮を利用している美術館の建物自体にも注目です。過去にオランダ王妃が使用していた宮殿なので、豪華な内装には興味深いものがあります。

M.C.エッシャーの作品

  • 写真:トラベルライター木版画による作品『サンジミニャーノ』(San Gimignano)

エッシャーの作品は美術館の1階と2階に展示してあり、1階では初期の頃の作品や幻想的な作品、風景画などをたくさん観ることができます。

  • 写真:トラベルライター南イタリアの風景
  • 写真:トラベルライター木版画による作品『バベルの塔』(Tower of Babel)

版画の原版もいくつか展示されているので、刷られた作品と見比べてみるのも興味深いですね。もちろん版画を刷ると、原版とは左右反対になります。

  • 写真:トラベルライター作品『バルコニー』の版画板
  • 写真:トラベルライター作品『バルコニー』

美術館の2階には、これぞエッシャーと言えるだまし絵や幾何学的な作品を展示しています。彼は1935年以降になると、このような錯視を取り入れた作品を創り出しました。

  • 写真:トラベルライター木版画による作品『昼と夜』(Day and Night)

この木版画による『昼と夜』は、彼の得意とする平面の正則分割を取り入れた作品の一つです。畑から鳥へと変化して、鳥も左右に分かれてその背景が昼と夜に分かれるという不思議な変化を創り出しています。

  • 写真:トラベルライター『上昇と下降』
  • 写真:トラベルライター『物見の塔』

『上昇と下降』の作品は、左回りに移動する人達は階段を下り続け、右回りに移動する人達は階段を上り続けるという不思議な作品です。

『物見の塔』はネッカーの立方体錯視を応用した作品の一つですね。現実にはあり得ない建築物ですが、つい観入ってしまいます。

  • 写真:トラベルライターメタモルフォーゼ Ⅰ
  • 写真:トラベルライター『メタモルフォーゼ』を展示してある部屋

『メタモルフォーゼ』の作品は、アニメーションを見ているかのように次々と変化していくのが面白いです! 展示室の中央には『メタモルフォーゼ Ⅱ』をひと回り繋げたパネルでも展示してあります。気づいているかもしれませんが『メタモルフォーゼ Ⅰ』の作品は美術館正面入り口にも飾られています。

  • 写真:トラベルライターリトグラフによる作品『版画の画廊』(Print Gallery)
  • 写真:トラベルライターリトグラフによる作品『相対性』

錯視の体験

美術館の3階では、錯視の世界を体験できるアトラクションコーナーが設けられていて、だまし絵のような不思議な写真が撮れるコーナーがあります。

  • 写真:トラベルライター錯視の写真が撮れる部屋
  • 写真:トラベルライター錯視の写真が撮れる部屋の中

この部屋のトリックは、同じ身長の人が左側に立つと巨人になり、右側に立つと小さくなるという錯視の写真が撮れます。

その他に、コンピューター・グラフィックスによって変化し続ける3次元の映像を映し出している部屋や、錯覚するようなオブジェなどもあり実際に見て体験することができます。

この映像の物体は、左右に移動して見ると不思議に変化して見えます。そのカラクリは映像を通して分かるでしょう!

エッシャーのだまし絵を象徴する作品の『滝』(Waterfall) は、2階の展示室に展示されていますが、3階のアトラクションコーナーにも一回り大きなパネルも置かれ、その不思議なトリックにはついつい観入ってしまいます。

  • 写真:トラベルライター『滝』(Waterfall)

宮殿を利用した美術館

  • 写真:トラベルライター美術館の内装

美術館として利用しているこの建物は18世紀に建てられた豪邸で、かつてオランダのエンマ王妃(アーデルハイト・エンマ・ヴィルヘルミーネ・テレーゼ)が、この宮殿に冬の期間だけ滞在していました。

建物の内装を観ると、かつての宮殿であったというのが伺えます。美術館2階の一角には、エンマ王妃が使用していた家具や写真なども展示されています。

  • 写真:トラベルライター2階にある王妃の家具
  • 写真:トラベルライター王妃の部屋の家具と絵画

エッシャー美術館として利用され始めたのは2002年11月からのことですので、美術館としてはまだ新しいほうですね。かつての宮殿を利用していることから、美術館はオランダ語で「Escher in het Paleis」(宮殿の中のエッシャー)という名前が付けられたそうです。

美術館内のシャンデリア

  • 写真:トラベルライター頭蓋骨のシャンデリア

美術館の天井から吊り下げられてある、ユニークなデザインのシャンデリアにも注目です! これらのシャンデリアは、オランダの「ハンス・ファン・ベンテム」(Hans van Bentem) という若手のアーチストによって、この美術館のためにデザインされた作品です。

  • 写真:トラベルライター爆弾のようなシャンデリア
  • 写真:トラベルライター傘のシャンデリア

美術館の1階と2階には、全部で15個の様々なデザインのシャンデリアが吊り下げられています。頭蓋骨や爆弾みたいなユニークなシャンデリアもあるので、これらの作品も美術館において観賞する楽しみの一つです。美術館を訪れた際には、ぜひ天井も見てみましょう!

美術館内のカフェ【MC café】

  • 写真:トラベルライターエッシャー美術館のカフェ(MC café)

地下1階にはMCカフェがあり、美味しいコーヒーに加えてランチ程度の軽食やデザートなども用意されています。美術館のすぐ近くには手頃なカフェが無いので、作品を観て回った後で休憩するのにちょうどいいですね!

  • 写真:トラベルライターカフェの天井にあるハエの照明

MCカフェの壁には、エンマ王妃の写真が飾られてありますが、なんと天井には面白いことにハエの照明が取り付けられてあるのです!

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