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5.椰子(やし)の木【De Palmboom】
1781年に建てられた、イェネーファ酒産業の蒸留所に必要な原料を粉砕するのに使用されていました。この風車は、1901年に火災が生じて焼失してしまいましたが、1991年から1993年にかけて再建されました。
以前は、この風車に博物館があったのですが、2018年より先にお伝えした「クジラ」の風車へと移転しました。こちらの風車を見学することはできませんが、年に数回の特別な日に限り一般公開されています。
6.ラクダ【De Kameel】
高さ30.5mもあるこの風車は、1715年に誕生したイェネーファ酒産業における蒸留酒製造工場の一つで、穀物の粉砕に使用されていました。
実はこの風車、昔から存在するものではありません。もともとあった風車は、1865年に強風の影響で羽の部分が大破損してしまい、1868年に廃墟となりました。その後2008年11月に再建が始まり、2011年5月14日に完成した全く新しいレプリカの風車です!
この風車を建設する様子は、映像を通して見ることができます。
7.ノレット【Nolet】
見た目は他の風車と変わらず伝統的な姿をしていますが、この風車も昔から存在していたのではなく、蒸留酒製造工場「ノレット」の発電用として、最新の技術を取り入れて2006年3月に完成された風車です。ノレット風車の高さは42.5mにもなり、事実上世界一高い風車です。
先にお伝えした6基の風車は、スキーダムの自治体が所有していますが、この風車は325年以上も続いている蒸留酒製造工場の「ノレット」が所有しています。
この蒸留所では、今現在もスキーダム伝統のイェネーファ酒 (Jenever) はもちろんのこと、ジンやウォッカの生産をしています。
- 風車・ノレット
- オランダ / 建造物
- 住所:Hoofdstraat 6 3114 GG SCHIEDAM地図で見る
- Web:http://www.noletdistillery.com/en/agecheck
イェネーファ博物館【Jenever museum】
さてここからは、スキーダムと関わりの深いイェネーファ酒の博物館についてご紹介します。その昔、この博物館はイェネーファ酒の元となるモルトワインの蒸留所だったのですが、1996年に博物館としてオープンしました。この博物館では、ジンの歴史についても学ぶことができ、また、有料ですが実際にいくつかのジンを試飲することもできます。
博物館は、今現在でも実際に酒造を行っていて、一階にある大きな樽を覗くとイェネーファ酒の原料となる穀物が泡を沸きたて発酵している様子が見られます。
2階と3階は展示室になっていて、酒造に関する機材や模型、そしてイェネーファ酒のビンやラベルなどのコレクションも多数展示しています。
イェネーファ酒の原料でもあるジュニパーベリー (ネズの果実) や生姜などのサンプルも並んでいて、実際に匂いを嗅ぐことができます。
3種類のジンの試飲 €4.50(約590円)
※注意事項!この博物館において18歳未満の入場には、大人の同伴 (監督下) での入場が可能です。
- イェネーファ博物館
- オランダ / 博物館・美術館 / 博物館
- 住所:Lange Haven 74 3111 CH SCHIEDAM地図で見る
- Web:https://www.jenevermuseum.nl/
アクセス
風車のあるスキーダム旧市街へは、スキーダム中央駅 (Schiedam Centrum) から徒歩にて約10〜15分でたどり着くことができます。
アムステルダムからスキーダムまでは、鉄道を利用して約1時間。ロッテルダム中央駅からは一駅隣となります。
最後に
今回紹介したオランダ・スキーダムの街は、キンデルダイクとザーンセスカンスと同様に、風車をまとめて見ることのできる場所の一つです。しかし、これ程までに背の高い風車が勢ぞろいしている場所は、他にはないでしょう。今回紹介した風車は、過去に火災や暴風雨などで損傷してしまいましたが、修復や再建などが行われて、当時の姿を今現在に残しています。
また、風車とイェネーファ博物館を通じて、蒸留酒ジンの元となる「イェネーファ酒」についてもお分かりできたかと思います。オランダの世界一高い風車を見に、スキーダムの街を訪れてみませんか!
※記事内のユーロから日本円への換算は、1ユーロ=130円で計算しています。