スリランカではイギリスの植民地時代に、紅茶を運ぶために作られた鉄道が今も現役で走っています。スリランカの中央高地の山間にあるとても小さな町、「エッラ(Ella)」周辺は高山のため、その鉄道が谷をわたるための陸橋がいくつかあります。今回は「エッラ」はどんな町か、そして、その陸橋の中でも、石造りになってから今まで1度も修繕されたことがないという「エッラ」付近にある「ナインアーチブリッジ(Nine Arch Bridge)」をご紹介します。
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エッラとはどんな町?
エッラは周りが茶畑や美しい山々で囲まれていて、ヨーロッパからの観光客に人気がある町です。
とても小さな町ですが、茶畑を見渡せる丘「リトル・アダムス・スピーク」、エッラの町を一望できる「エッラロック」、落差100メートルの「バンバラガマ滝」があり、さらに名産である紅茶がメインのおしゃれなカフェや、アーユルベーダーのお店、ゆっくりできる宿泊施設がたくさんあるので、自然を堪能しながらのんびりするにはうってつけの場所です。
気候は?
エッラの平均気温は20〜28度であり、4月が最も暖かく、8月は最も寒いです。晴れた日にも暑すぎず、湿気もないので、快適に過ごせます。日中は暑くなりますが、夜は涼しくなり少し肌寒いくらいになるので、長袖が必須です。
10月~12月の雨季はたくさん雨が降るので、乾季である1月~2月、6月~8月に行くのが最適です。
エッラの駅から「ナインアーチブリッジ」へ向かおう
行き方はいくつかありますが、今回はエッラ駅から歩いていく方法をご紹介します。エッラ駅からナインアーチブリッジまでは、徒歩で1時間ほどなので、軽いハイキングがてら訪れることができます。
まずエッラの駅で駅員さんに「ナインアーチブリッジへ行きたい」と伝え、改札を通ります。
そして線路の上をひたすら、ナインアーチブリッジのある方向へ歩いていきます。地図を見て行ってもよいですが、駅員さんに方向をきいて行くのが確実です。
線路は近隣住民の大事な移動通路でもあり、大きな荷物を持った地元の方が歩く姿をみかけることも。
時刻が合えば、自分の真横を鉄道が通り抜けることがあります。スピードはあまりでていないので怖くはありませんが、近くで見ることができ、かなりの迫力です。
そして、ちょっと暗いトンネルを通り抜けると・・・
ダイナミックにたたずむナインアーチブリッジに到着。名前の通り9つアーチがあり、高さは24.38m。
以前は鉄筋の橋でしたが戦争によって壊われてしまったため、今度は壊れることのない石でと建築されたそうです。
石でアーチ型を造り、恐怖を感じるほどの高さに積み上げられていることだけでもびっくりなのですが、さらに驚きなのは、1921年に完成し、90年以上たった今まで1回も修復していないということ。
海外の方はもちろん、スリランカの観光客もたくさん訪れるので、スリランカの人たちにとっては誇りなのかもしれませんね。
- ナインアーチブリッジ
- スリランカ / 建造物
- 住所:Nine Arches Bridge, Ella スリランカ地図で見る
宿泊して夜のエッラを堪能しよう
夜のエッラ
夜になると、通りにならぶお店に明かりが灯されます。
- 写真:トラベルライター紅茶だけでなく、ハーブティーをたくさん取り扱うカフェもあり、夜カフェインを摂取すると寝れなくなってしまう方でも安心。価格は紅茶と同じ4、5杯ほど飲める大きなポットでも450RS(約330円)くらい。
昼間とはちがった雰囲気で、のんびりお食事や紅茶、お酒をたのしむことできます。
高台にある茶畑を見渡せるゲストハウス
エッラにはホテルやゲストハウスがたくさんありますが、せっかくなら高地の町ならではの高台にあるゲストハウスへ泊ってみることをおすすめします。
ここは茶畑の上にある「Ella Highest Inn」です。高台にあり、とてもきれいなゲストハウスですが・・・
なんと、1室のみ本館とは別に、山の崖に造られた特別なお部屋があります。こちらは「シャレー」と呼ばれるお部屋で、時期によりますが1泊3,000円くらい。事前にこの部屋を指定して予約できます。
部屋自体はそこまで広くなく、テレビもありません。しかし、まわりには隣接している建物もなければ、人もいないので、とっても静か。誰にも邪魔されず、シャレーまわりにある豊富な自然を独り占めできちゃうんです。
シャレーのバルコニーをでて、下を見てみると茶畑でいっぱい。日中、青空と太陽の光をいっぱい浴びている茶畑を眺めながらボーっとするのもよし。
そして夜は、無数に広がる星空を見ながら町で売っているスイカやマンゴーなどのフルーツを食べながらボーっとしてもいいですね。
- Ella Highest Inn
- スリランカ / ホステル
- 住所:Ella Highest Inn, Ella, スリランカ地図で見る
- Web:https://www.facebook.com/ella.hightest.inn/
「エッラ」と「ナインアーチブリッジ」はいかがでしたか?
スリランカには、もっとポピュラーな町や観光地はたくさんありますが、のんびりな雰囲気のエッラと、壮大な自然とともにそびえたつナインアーチブリッジは圧巻で、パワー補給できることまちがいなし。ぜひとも、みなさま訪れてみてください。
日本から「エッラ」までの行き方
まずは日本から飛行機でコロンボまで向かいます。
コロンボからバスで
日本のバスにくらべるとかなりスピードはでていますが、道はきれいに舗装されているところが多く、揺れが少なくて鉄道よりエッラへの到着が早いので、急いでいる方にはバスをおすすめします。
まずコロンボからバンダラウェラまで行き、バスを乗り換え、30分くらいでエッラに到着します。所要時間は大体6〜7時間くらいです。
※ノーマル車(エアコンなし)の場合、運賃はコロンボからバンダラウェラまで250RS(約185円)、バンダラウェラからエッラまで30RS(約25円)。
主なルートは下記の2通り。
- コロンボ - ガンポラ - ヌワラエリヤ - バンダラウェラ - バスを乗り換えて エッラ
- コロンボ - ラトナプラ - バランゴダ - ハプタール - バンダラウェラ - バスを乗り換えて エッラ
バンダラウェラからエッラまでのバスの本数は多いですが、スリランカでは主流な三輪タクシー、スリーウェラーを使えば10分くらいで行くことができます。
コロンボから鉄道で
バスより時間はかかりますが、列車でしか味わえない一面に広がる茶畑などの素晴らしい景色を楽しむことができます。時間に余裕があるようであれば、絶対鉄道をおすすめします。コロンボから鉄道に乗って、10時間くらいで行くことができます。
座席には2等と3等があり、2等車は2人掛けのシートに対し、3等車は3人掛けのシートで、スペースが狭いです。
当日までに売り切れてしまうことも多く、できれば前日までに購入されることをおすすめしますが、当日券も3等席だったら発売されるようです。
※2等車の運賃が430Rs(約320円)で3等車なら270Rs(約200円)。
停車駅は以下の通り。
コロンボ⇒ケラニヤ⇒ガンパハ⇒ペラデニヤ(キャンディ)⇒ハットン⇒ナーヌ・オヤ(ヌワラエリヤ)⇒ハプタレー⇒バンダーラウェラ⇒エッラ