みなさんはスリランカと聞いてなにを思い浮かべますか?スリランカはインドの真下、インド洋に浮かぶ島国です。70パーセントの人が仏教を信仰しており、親日国としても知られています。シンハラ語で「スリ」は光り輝く、「ランカ」は島、を意味しています。セイロンティーの呼び名で馴染み深い、紅茶の産地です。インドが近くにあるため、本格的でスパイシーなカレーも存分に味わえます。今回はそんなスリランカの歴史とともに、滞在中にぜひおすすめしたい過ごし方をお伝えします!
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スリランカは昔セイロンだった? スリランカの歴史
イギリスによる支配
1796年イギリスに占領されたスリランカ。その後1815年、ウィーン議定書によりその領有を認められました。それ以降イギリスは「セイロン」島と称して、植民地支配を進めました。
一面の紅茶畑の正体
主としてイギリスは、本国向けの紅茶のプランテーション栽培を行いました。
プランテーションとは、広大な農地に、単一作物を大量に栽培する大規模農園のことです。その生産方式自体を指すこともあります。また、一種の作物だけを栽培する農業、単一または、少数の一次産品に依存する経済構造をモノカルチャーと呼びます。
モノカルチャー化が進んでいるスリランカでは、山一面に、人工的に作られた紅茶畑が延々と広がっている、そのような光景が数多く見られます。
イギリスからの独立
1948年、第二次世界大戦後イギリス連邦内の自治国として独立します。
1972年にはイギリスから完全独立を果たし、国号もセイロンからスリランカへと改称しました。
スリランカのいま
古来からスリランカはシンハラ人の土地で、仏教を信仰していました。しかしインド本土からヒンドゥー教徒である、タミル人が移住してくると、民族間の対立が目立つようになったことが原因で、過去紛争も勃発しています。
今後は多数派のシンハラ人、少数派のタミル人の民族対立を越えた民族融和の進展が期待されます。
さて、ここまでスリランカの歴史についてご説明をしてきました。ここからは滞在中にできることを、おすすめ順にご紹介していきたいと思います!
おすすめの過ごし方その1 「本場のスリランカカレーを堪能しよう!」
ワンプレートのおかずカレー
スリランカのカレーは、日本で食されるカレーとは味も形状も、全くの別物です。
一番の違いはその水分量です。スリランカのカレーはご飯にかける物ではなく、何種類ものカレー味のお惣菜が、お皿の上に載せてあるようなイメージです。
味はとにかく、スパイシーで唇がヒリヒリしてくるような辛さです! 本物のスパイスをふんだんに使用しているため、その辛さにより、暑い気候でもご飯がよく進みます。
水牛ヨーグルト「カード」とは?
カレーと言ったら、デザートにラッシーやヨーグルトを頂きたいですね。
スリランカでは、カレーのお伴に、カード (Curd) という水牛ヨーグルトを食すのが一般的です。口当たりは驚くほどなめらかで、ほどよい酸味があります。
少しワイルドな、野生の香りがするのが特徴的でした。
また、ヨーグルトにかける蜜もスリランカならではのものです。「キトゥルパニ」と呼ばれる、孔雀椰子の蜜をかけて頂きます。
色や味はカナダのメープルシロップに似ています。カードの香りとよく合っていて、絶品です! 今回はカードを注文すると、自然とキトゥルパニはかけられて提供されました。
おすすめの過ごし方その2 「世界遺産を満喫しよう!」
スリランカは小さな島国でありながら、2016年現在8つもの世界遺産が登録されています。今回は筆者が足を運んだ世界遺産をご紹介します!
世界遺産その1 古代都市シーギリヤ
シーギリヤ・ロックとしても知られている、天空の宮殿です。ジャングルの奥地にひっそりとそびえ立つ岩山の頂上に、その宮殿は眠っています。
5世紀後半、ほんの11年間この地を統治したカーシャパ王により、建立されました。彼は、実父ダートゥセーナ王を殺害し、腹違いの弟モッガラーナにインド亡命を強いた、と言い伝えられています。
このような背景から、カーシャパ王はその孤独を埋めたかったのか、神に救いを求めたのか、弟の復讐を恐れたのか、大きな岩山に宮殿を建造し始めたそうです。
照りつける日差しのもと、何段もの階段を数十分ほど登り切ったその頂上には、驚くほどの絶景が広がっています。
360度一面の緑、体に受ける風、周囲にたたずむものは何もなく、ただ、シーギリヤ・ロックの存在だけを感じることができます。
シーギリヤ・ロックを訪れる際にぜひご覧頂きたいものがあります。それは、「シーギリヤ・レディ」と呼ばれる壁画です。
イギリス統治下にあった1875年に発見されました。今日スリランカを代表する芸術として、知られています。カーシャパ王はどのような想いでこの美しき女性の壁画を描かせたのでしょう。
シーギリヤ・ロックを訪問する際の注意点が2つあります。
1つはアクセス方法についてです。鉄道が通っておりませんので、ツーリストカーを利用するのが便利です。周辺には飲食店もあまりないため、運転手さんに紹介してもらいましょう。
2つ目は、気候についてです。スリランカは非常に暑く、水分補給がこまめに必要となります。特にシーギリヤ・ロックに登る前には、飲み物を販売しているところがありません。
訪問前に準備必須です。下山したポイントでは飲み物を購入できる箇所がいくつかありますが、頂上に着くまでに相当量、発汗しますので、事前準備がオススメです。
- シーギリヤ・ロック
- スリランカ / 遺跡・史跡 / 観光名所
- 住所:Central Province, Matale District, Sigiriya 21120, Sri Lanka地図で見る
- 電話:+94 776507253
- Web:http://seelanka.net/sigiriya/#_=_
世界遺産その2 ダンブッラ石窟寺院
先述したとおり、スリランカでは多くの国民が仏教を信仰しています。ダンブッラ石窟寺院では、岩山の頂上付近にある天然の洞窟に、彩り鮮やかな壁画が一面に描かれています。
洞窟がそのまま寺院となっているため、自然の美しさと壁画のコラボレーションが美しく、印象的でした。
スリランカの人達はとてもフレンドリーで何かと声をかけられました。
ここでの注意点は2つあります。
1つはチケット売り場についてです。ダンブッラ石窟寺院は少々小高い山の上にあります。ですが、チケットは、山を登る前のチケットセンターでしか購入できません。
敷地内入ってすぐのところに金色の大仏があります。大仏近くにある小さな建物がチケットセンターとなっており、見逃さないように注意が必要です。明かりも薄暗く、気が付かない可能性もあります。
2つ目は、服装についてです。こちらは寺院のため、タンクトップ等露出が多い服装は避けての訪問が必須です。
また、寺院内は靴を脱いで参拝します。靴は有料で預けるシステムですが、ルールを守って参拝しましょう!
世界遺産その3 聖地キャンディ
スリランカの中央に位置し、首都コロンボからも約3時間程度でアクセス可能な地域です。
仏陀の歯を安置しているという仏歯寺や、町のオアシスともなっているキャンディ湖、様々な食材や雑貨が買えるマーケット等が有名です。
キャンディは栄えていますので、道に迷わぬよう、町歩きの際は、地図が必須です! また、仏歯寺は大変混雑しますので、十分に時間に余裕を持って訪問するのがおすすめです。
町全体が世界遺産となっていますが、そこまで見どころは多くなく、スリランカで暮らす人々の日常を感じるには、良い機会となるのではないでしょうか。
世界遺産が8つもあるの?
スリランカには上述した3つの他にあと5つも世界遺産が眠っています。
聖地アヌラーダプラ、古代都市ポロンナルワ、ゴール旧市街と要塞群、シンハラージャ森林保護区、スリランカの中央高地、の5つです。
時間とスケジュールに余裕があったらぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
おすすめの過ごし方その3 「建築家ジェフリーバワのホテルに泊まろう!」
トロピカル建築の天才?
ジェフリーバワとはコロンボ生まれのスリランカを代表する建築家です。その土地が持つ自然の魅力を最大限に利用し、自由な発想のもと、設計をしました。
スリランカ内の数多くのホテルの他に、国会議事堂やルヌフ大学などもバワの設計として知られています。
蔦が絡まるトロピカルホテル「ヘリタンス・カンダラマ」
今回筆者が宿泊したのは、ヘリタンス・カンダラマと呼ばれるホテルです。ホテルの外観一面が蔦で覆われており、ジャングルのなかで宿泊しているような気持ちになる、宿泊施設です。
バワ建築のなかで、唯一内陸に建設されました。二つの世界遺産、シーギリヤ・ロックとダンブッラに近い場所に位置し、カンダラマ湖が目前という、贅沢な立地です。
バワ建築のなかでも最高傑作と言われる、ヘリタンス・カンダラマの特徴は、なんといってもそのダイナミックな大自然との融合にあります。朝は美しい鳥のさえずりとともに、太陽の光が存分に当たり、すがすがしい一日の始まりを迎えることができます。
室内の内装はシックで高級感溢れる雰囲気のため、夫婦やカップルなど大人な演出を楽しめる層におすすめです。
多くの外国人観光客が訪れますので、サービスはピカイチで、宿泊料金も比較的割高。食事はビュッフェ形式です。ドレスコードがありますので、訪問の際には要チェックです。
ホテルに一日いても全く飽きがこないよう、様々な施設も導入されています。長居ができるよう、スケジュールに余裕を持っておくのが大変オススメです!
- ヘリタンス・カンダラマ
- スリランカ / ホテル
- 住所:11, Dambulla, kandalama,sigiriya地図で見る