日本遺産第一号の三徳山三佛寺投入堂は、険しい山道を登って参拝しなくてはいけないことから「日本一危険な国宝」といわれています。木の根や岩などにしがみつきながら、全身を使って道なき道を進んでいきます。その道のりは想像以上に厳しく、危険なスポットもいっぱいです。今回は、実際に三徳山三佛寺投入堂を参拝してみて、死が脳裏をよぎった危険スポットをコース順に6つご紹介していきます。
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【1】クサリ坂
最初の難所であるカズラ坂をこえ、行者屋敷跡、願かけの石段を過ぎた先にみえてくる「クサリ坂」。
文殊堂のすぐ下の部分から鎖が垂らされており、両手でつかみながら立ちふさがる巨岩を上っていきます。
位置が高くなるにつれ危険度が増していきますので、頂上付近でもし誤って手を滑らせたら……なんて考えると、死を想起せずにはいられません。
しっかりと鎖を掴み、慎重に、一歩一歩、確実に前進していきたいスポットです。
【2】文殊堂
厳しいクサリ坂を越えた先に到着する、国指定重要文化財の「文殊堂」。
安土桃山時代に建てられたもので、岩の上に建立された舞台造りの建物です。
写真を見て頂ければお判りかと思いますが、文殊堂には回り縁がめぐらされているのですが、そこに手すりや落下防止の柵などは一切ありません。
縁に腰かけて足を放り投げ、絶景を楽しむ方が多い人気のスポットでもありますが、真下には木々や岩場が広がっています。
この地点でも標高は約500mあるので、もし誤って落下でもしたら最悪死んでしまうことも十分に考えられます。
回り縁を通らなくても先へと進めるので、高いところが苦手な方や危険と感じる方は避けて次の道へと進みましょう。
【3】地蔵堂
規模・構造とも文殊堂によく似た、国指定重要文化財の「地蔵堂」。
こちらは室町時代末期の建造物で、文殊堂と同様に回り縁がめぐらされています。
こちらも手すりや柵などは一切なく、足を滑らせて落下でもしたら命の危機に関わります。
文殊堂と同じく、回り縁を通らなくても次の道へと進めるので、不安な方は寄らずに先へと進みましょう。
【4】鐘楼堂
地蔵堂の先に出てくる、県指定保護文化財の「鐘楼堂」。
他のスポットに比べ、写真からはあまり危険が感じられない方も多いかもしれませんが、こちらのスポットは2018年に2度も救急ヘリが訪れた場所であり、いずれも鐘をつこうとしたところ足場が悪く滑落してしまったとのことです。
もちろん鐘をつかなくても次の道へと進めますが、記念についていきたい方も多いことかと思います。その際は、過去に事故が起きているスポットであるということを再認識したうえで、十分に気を付けて下さいね。
【5】馬の背・牛の背
鐘楼堂から納経堂までの道にある、「馬の背・牛の背」。
両側が切り立った岩場の尾根道になっていて、足が滑りやすく、平均台を渡るような感覚で、バランスを取りながら慎重に歩いていきます。
滑落してしまったら、岩や木に体を打ちつけながら、止まることができずにどこまでも滑り落ちていってしまいそうな危険スポットです。
投入堂まであと少しのところまで来ているこの場所は、最後の難関ともいわれています。
【6】クサリ坂(下山時)
最後の難関である馬の背・牛の背をこえ、無事に投入堂を拝んだら、下山が始まります。
ここ10年は死亡事故は起きていないとのことですが、滑落事故は毎年起きているとのことで、その多くが下山時に発生しているとのことです。
これまで紹介してきたスポットを下っていくことを想像してもらえれば、少しはその危険さが判って頂けるのではないかと思います。
下山のなかでも特に危険を感じたのは、はじめにご紹介させて頂いた「クサリ坂(下り)」です。
舞台造りになっている文殊堂の下部分を通り、登ってきたときとは逆に、一本の鎖に身を委ね、巨岩を下っていきます。
登ってきた時よりも怖さや危険が感じられ、より慎重さが求められます。
万が一、鎖を握る手が離れてしまうようなことがあれば、背面から落下する可能性が高く、死を想起させる危険なスポットです。
下山時は、前方や後方で待っている方がいたとしても、焦らず自分のペースで慎重に進んでいくことが大切です。
日本一危険な国宝と呼ばれる「三徳山・投入堂」ですが、くれぐれもケガや事故に気を付けて、参拝や絶景を楽しまれて下さいね。
- 三徳山三佛寺
- 鳥取 / 寺 / 観光名所 / 紅葉 / パワースポット / ハイキング
- 住所:鳥取県東伯郡三朝町三徳1010地図で見る
- 電話:(0858)43-2666
- Web:https://mitokusan.jp/