鳥取県中部に位置する琴浦町の赤碕に建つ「塩谷定好写真記念館」。こちらでは塩谷定好の写真以外にも、歴史ある日本家屋の造りや内部を見学でき、当時の貴重な品々の展示や、レトロ感に包まれた蔵カフェでティータイムを楽しむこともできます。今回は、写真以外にも魅力たっぷりの「塩谷定好写真記念館」についてご紹介します。
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塩谷定好写真記念館とは?
「塩谷定好写真記念館」は、生涯にわたって山陰の自然や人を撮り続けた写真家・塩谷定好(しおたにていこう)の写真記念館で、国の登録有形文化財にも登録されています。
塩谷定好は本名を「さだよし」といい、明治32年に赤碕町(現在の琴浦町)で生まれ、小学5年生の時にカメラを買ってもらったことをきっかけに写真の道へと進んでいきました。
20代には早くも日本の芸術写真の草分け的存在として活躍し、アメリカやヨーロッパで個展を開催するなど、国内外で世界的に高く評価されていきました。
また、同じく鳥取県内の境港市出身の写真家・植田正治の才能を発掘したことでも有名な写真家です。
明治初期の商家である定好の生家を改装した写真記念館では、定好の作品が展示されたギャラリーはもちろんのこと、生前の愛用品や生活ぶりを感じられる品々、歴史ある日本家屋の造りも見ることができます。
また、館内の奥には休憩用のカフェもあり、レトロな品々や、定好がかつて集めたコレクションの本などを読みながら楽しむティータイムは格別です。
写真以外にも魅力たっぷりの塩谷定好写真記念館について、それぞれ見どころをご紹介していきます。
館内の見どころ
建物は木造2階建てで、館内は大きく3つのエリアに分かれています。
入館して左側には塩谷定好の作品が展示されているギャラリーや写真スタジオがあり、右側では当時の生活を色濃く残した各部屋に生前の愛用品が展示されており、中央の奥はカフェとなっています。
3つのエリアについて、それぞれご紹介しています。
【1】ギャラリーや写真スタジオを楽しもう!
ギャラリー
入館して左側はギャラリー棟となっており、1階では塩谷定好の作品が展示されています。
様々な時代の写真が展示されており、時代と共にカメラの性能が良くなっていくことで写真の写りの違いや、撮影技術を使い分けていることが作品を通して楽しめます。
館内にはボランティアで定好や作品について教えて下さる方がいらっしゃるので、定好や写真についてあまり知らない方でも、判りやすく作品を楽しめます。
作品を見ただけでは判らない様々な情報を知ることができるで、ぜひギャラリーを見学される際にはボランティアさんに色々と聞いてみて下さいね。
写真スタジオ
2階には、かつて実際に使用されていた写真スタジオがあります。
この写真スタジオは、元は土蔵であったものを定好が戦後に店舗兼写真スタジオとして改修したものです。
スタジオ内には、撮影の時に実際に使われていた椅子やオブジェなどが展示されています。
オブジェを使用してスタジオで写真撮影を楽しむこともできるので、ぜひ記念撮影をされていって下さいね。
【2】歴史ある日本家屋の造りと生前の品々を見学しよう!
入館して右側では、明治39年築の歴史ある家の造りを楽しみながら生前の品々を見学することができます。
塩谷定好の生家は、北前船の寄港地として栄えた赤碕で代々船問屋を生業としており、定好の愛用品以外にも、回船問屋時代から受け継がれた貴重な品々も楽しめます。
2階からは中庭や土蔵も見ることができ、随所に当時の赤碕の富裕層の建物とうかがえる特徴がみられます。
ギャラリー棟とは別に、家の造りや当時の生活に詳しいボランティアの方がこちらも丁寧にご紹介して下さるので、お話を聞きながらじっくりと見学されていって下さいね。
【3】レトロ好き必見!米蔵を改装したカフェスペース
1階中央の奥には、休憩室としてコミュニティーカフェがあります。
広々としたカフェスペースからは庭園を見ることができ、店内に置いてある本を自由に読みながらゆったりとしたひとときを過ごすことができます。
カフェスペースのなかでも特にオススメの席は米蔵です。
メインのカフェスペースからは米蔵は見えず、扉を開けて一度外に出た先にあります。
米蔵は明治5年建築で、一部に設けた二階の床、鉄板を張った内壁等、当時の面影が十分に感じられ、定好が実際に集めたコレクションの本などを読むこともできます。
また蔵内で実際に使用されている道具や装飾品などにも当時からのものが多く用いられ、レトロ感に包まれす。
米蔵のため窓などもなく、扉を閉めると外の様子も判らないので、本当にタイムスリップしたかのような空間でティータイムを楽しめます。
ぜひ、館内見学後にはこちらの米蔵でゆっくりと休憩されていってみて下さいね。
おわりに
写真だけではなく、歴史ある日本家屋の造りや貴重な品々の展示、レトロ感あふれる米蔵カフェなどが楽しめる「塩谷定好写真記念館」はいかがだったでしょうか?
写真館のすぐ近くには、琴浦町の観光スポットとして有名な菊港・波しぐれ三度笠や神崎神社などもあり、見どころが多いエリアです。
歩いて行ける距離にあるので、塩谷定好写真記念館の見学と合わせて、ぜひ観光されていって下さいね。
- 塩谷定好写真記念館
- 鳥取 / 博物館 / 建造物 / 穴場観光スポット / 歴史的建造物
- 住所:鳥取県東伯郡琴浦町赤碕1568地図で見る
- 電話:0858-55-0120
- Web:http://teiko.jp/index.php