オスマン朝最初の首都が置かれたトルコ北西部の街、ブルサは、オスマン帝国発祥の地として2014年に世界遺産に登録されました。イスタンブールから日帰りでも行くことができるブルサで、訪れたい観光スポットをご紹介します。
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【1】ブルサ最大規模のモスク「ウル・ジャーミィ」
ブルサの街のど真ん中にあるのが、この街を代表するモスク、ウル・ジャーミィ。オスマン帝国第4代皇帝のバヤジット1世の命によって1396年に建設が始められました。
ウル・ジャーミィの見どころは、20個のドーム屋根を支えている柱に描かれているダイナミックなカリグラフィー(イスラム書道)です。アッラーや預言者ムハンマド、クルアーンの一節が描かれており、均整の取れた美しさと存在感は見るものを圧倒します。
ウル・ジャーミィのもう一つの見どころは、モスク内にある泉です。通常こういった泉亭は、モスクに入る前に身を清めるためにモスクの外にある中庭などに設置されますが、ウル・ジャーミィにはモスクの中央辺りにこんこんと湧き出る泉があります。水の音とモスクならではの神聖な空間が生み出す雰囲気を存分に味わってみてください。
【2】ブルサの緑を象徴する「イェシル・ジャーミィ」と「イェシル・テュルベ」
ウル山の麓に広がるブルサは、自然の多い街として「緑のブルサ」と呼び親しまれており、緑や青はこの街のイメージカラーでもあります。そんな緑のブルサを象徴しているのが緑のモスクと緑の霊廟です。
緑のモスクはイェシル・ジャーミィといい、オスマン帝国第5代皇帝のメフメト1世によって建てられたもので、オスマン朝初期のモスクの中では傑作と評されるほどの美しさを持ちます。モスク内部を彩る緑や青の美しいタイルは、まさに芸術作品です。
そのモスクに面して建っている緑の霊廟、イェシル・テュルベにはメフメト1世とその家族が眠っています。ターコイズブルーの美しい外観はもちろん、ブルサの色で統一された美術品のような棺は一見の価値があります。
- イェシル・ジャーミィ
- トルコ / 社寺・教会
- 住所:Yeşil Mh 16360 Yıldırım Bursa地図で見る
【3】ブルサの絶景を眺めるなら「トプハネ公園」
小高い丘の上にあるトプハネ公園には、オスマン朝初代スルタンであるオスマン・ガズィと、二代目スルタンのオルハン・ガズィの霊廟があり、トルコ各地から多くの参拝者が訪れるスポットでもあります。
また、公園内にはトプハネ時計塔や美しい景色を見渡せるカフェやレストランもあり、旅の散策途中で一休みするには最適なスポットとなっています。入場料無料でブルサの市内を大パノラマで眺めることができる絶景スポットです。
【4】オスマン帝国の歴代皇帝が眠る緑豊かな「ムラディエ・キュリエスィ」
ブルサはオスマン朝最初の首都が置かれた街ということもあり、歴代のスルタンや皇族たちの霊廟が多く残されています。その中でも大規模なものが、ムラト2世によって造られた「ムラディエ・キュリエスィ」です。
ブルサの自然に囲まれたこの施設内には、コンスタンティノープルを陥落させたメフメト2世の父親であるムラト2世自身の霊廟のほか、壮麗帝スレイマンの息子ムスタファ皇子などの重要人物が眠る霊廟が10以上あります。霊廟内を彩る、ブルサならではの色味を帯びた美しいタイル装飾にも注目です。
- ムラディエ・キュリエスィ
- トルコ / 遺跡・史跡
- 住所:Muradiye Prf Dr Halil İnalcık Sk 16050 Osmangazi Bursa地図で見る
おわりに
古き良きトルコの魅力がたっぷりと詰まっているブルサは、散策しているだけで心休まる緑豊かな街です。見どころも市内に凝縮されているので、観光も簡単です。オスマン朝初期の雰囲気に存分に浸りながら、ブルサ観光を楽しんでみてはいかがでしょうか。