「カンボジアと言えば?」と質問をすると、多くの人が「アンコールワット」と答えるでしょう。世界遺産アンコールワットは壮大な建築物で、見る人全てをくぎ付けにする存在感があります。そんなカンボジアですが、1977年~1979年頃には、クメールルージュ(政治勢力)によるカンボジア人の大量虐殺が行われました。現在、日本企業等も進出して、経済発展著しいカンボジアですが、忘れてはいけない「歴史」の記憶があります。
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- 記事中では、かつて政治犯収容所として利用されていた、トゥール・スレン博物館を紹介しています。当時の拷問の様子がうかがえる施設内部の写真を掲載していますので、苦手な方は閲覧をお控えください。
カンボジアの歴史に関して
カンボジアでは、1977年~1979年頃の間に、ポルポト率いるクメールルージュによって、200万人~300万人の人々が命を落としました。この人数は、当時の人口の3分の1にものぼります。
200万人~300万人と言われている人は罪のない人々ばかりで、「字を書くことが出来る」「眼鏡をかけている」など、クメールルージュが考える「知識人」と言われる人々。彼らは、理由無くして殺害されました。
そんな歴史が色濃く残っているのが、首都である「プノンペン」です。観光客でも訪れることができる施設「キリング・フィールド」と「トゥール・スレン博物館」。歴史を忘れないためにも、機会があれば、「歴史を知る」旅行を検討してみてください。
プノンペンのキリング・フィールド(チューン・エック)について
キリング・フィールドとは、「刑場」です。カンボジア国内に300ヵ所程あると言われていますが、一番有名なのが、プノンペンにある、「チューン・エック」となります。
入場ゲートでは、日本語ガイドアナウンスのイヤホンを借りられます。クメール語(カンボジア言語)、英語がわからなくても日本語で解説が受けられるので、おすすめです。
写真は、慰霊塔です。慰霊塔には、亡くなられた方の骨などが納骨されています。
写真の大きな大木は、罪のない人々が木に打ち付けられて、処刑された現場だといわれています。このような事が、現実に起きていたとは想像できません。
亡くなった方の衣服が展示されており、ケースに近づいて衣服を見る事ができます。衣服がひどく破れているものもあり、その当時の悲惨さがわかります。
日本語ガイドイヤホンのレンタル:3USドル(約330円)
- キリング・フィールド (チューン・エック)
- カンボジア / 建造物
- 住所:Roluos Village, Sangkat Cheung Aek, Phnom Penh, Cambodia地図で見る
- 電話:023-305-371
- Web:http://www.cekillingfield.org/index.php/en/
トゥール・スレン博物館について
トゥール・スレン博物館は、もともと学校でした。それが、クメールルージュに支配されてから政治犯収容所へと変わり、多くの人々が収容され、拷問を受けました。2年9ヵ月で、約14,000~20,000人収容されていましたが、解放されるまでに8人しか生き残れなかったそうです。
トゥール・スレン博物館の外観です。外から見ると、どこにでもある学校に見えます。しかし、この場所が悲劇を起こした凄惨な現場なのです。
こちらは、博物館の内部です。展示されているのは、収容されていた人々が使用していたベットで、拷問機器も生々しく展示されています。
収容されていた方々の独房となります。独房は非常に狭く、重たい空気が漂っています。人々がここで寝泊まりをしていたと考えると、胸が痛くなってきます。
大人(18歳以上)5USドル(約550円)、子供(10~18歳未満)3USドル(約330円)
- トゥール・スレン博物館
- カンボジア / 博物館・美術館 / 博物館
- 住所:Corner of Street 113 & St 350, Phnom Penh, Cambodia地図で見る
- 電話:093-388-988
- Web:http://www.tuolslenggenocidemuseum.com/
最後に
今回は、非常に重たいテーマで書かせていただきました。上記写真は、プノンペンの繁華街シソワットキー通りです。沢山の方が川沿いに集まっておられ、笑顔で談笑されている姿が印象に残りました。シソワットキー通りは、飲食店、Cafe等もあり、お洒落なストリートとなっています。
クメールルージュに支配されていた時代は既に終わり、カンボジアの方は今を一生懸命生きています。「歴史」を知った後は、プノンペンのシソワットキー通りを観光してみてください。カンボジアの方の笑顔が、元気をくれますよ。
アクセス
キリング・フィールド(チューン・エック)と、トゥールスレン博物館を両方訪れる場合は、距離がある為、トゥクトゥク(バイクタクシー)を使用して向かうことをお勧めします。
※記事中のレートは2017年4月現在