フィンランド
フィンランド観光
「森と湖の国」はサンタクロースとムーミンの故郷

フィンランド/トゥースラ湖畔にあるアーティスト村の見どころ巡り

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東京在住
訪問エリア:35ヶ国

2019年12月18日更新

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写真:aka-region

フィンランドの首都ヘルシンキから電車で1時間弱のトゥースラ湖畔。19世紀にアーティストたちがコミュニティーを形成し、周辺には作曲家シベリウスの終の住まいをはじめ、数々のアーティスト達の住居・アトリエが点在しています。今回は、デザイン国家フィンランドの起源に迫る見所をご紹介します。

この記事の目次表示

フィンランド芸術界の「黄金時代」に発展したアーティスト村

フィンランドが独立する前にあたる1880年から1910年ころは、フィンランドという国としての独立心が強くなっていった時代です。それと同時期、フィンランドの芸術界は「黄金時代」と言われ、フィンランド史に名を残すアーティストが多数活躍しました。

例えば、叙事詩『カレワラ』からインスピレーションを得た画家であるアクセリ・ガッレンカッレラ(Akseli Gallen-Kallela)やペッカ・ハロネン(Pekka Halonen)、作曲家のジャン・シベリウス(Jean Sibelius)、ヘレン・シャルフベック(Helene Schjerfbeck)などです。

  • 写真:aka-region大きな窓は、トゥースラ湖に面している。

そんなアーティストたちは、独自のコミュニティーを形成してほぼ同時期に活躍しています。お互いに刺激を与えながら、自然豊かなアーティスト村(芸術村)に居を構え、作品づくりに没頭しました。

今回は、19世紀に栄えたそのようなアーティスト村のひとつ、首都ヘルシンキから約30kmの場所、トゥースラ(Tuusula)湖畔にある見所を紹介します。

  • 写真:aka-region季節・時間・光で様々な表情を見せる、トゥースラ湖。

【1】ハロセンニエミ博物館(Halosenniemi Museum)

  • 写真:aka-region湖畔に構えるHalosenniemi museum

フィンランド芸術の黄金期の立役者の一人、画家ペッカ・ハロネン(Pekka Halonen)のアトリエ・ハロセンニエミ博物館(Halosenniemi Museum)は、ぜひ訪れてみてください。ここは、1902年に建てられた木造家屋で、風光明媚なトゥースラ湖に突き出る半島に位置しています。

  • 写真:aka-regionHalosenniemi museum入り口からトゥースラ湖を望む。

博物館として1950年代より一般公開が始まり、年中オープンしています。年に3~4つの展覧会を開催しており、彼が生きた同世代のアーティストの作品とともに展示があります。

1階部分に入ると吹き抜けの広い空間があり、湖を眺める大きなガラス窓が特徴的です。緑色のレンガで作られた大きな暖炉は当時の流行で、部屋のアクセントとなっています。

  • 写真:aka-regionフィンランドの絵画における黄金時代を生きた、Pekka Halonenのアトリエ。

飴色に変わった木の階段を上ると、2階部分に入ることができます。1階の吹き抜けリビングを囲むようにコの字型に部屋が設けられ、ペッカや家族が寝泊まりした寝室や書斎を見学することができます。アーティストの住まいとなった建築は、フィンランド東部のカレリア地方のログハウスに加え、ロシアやスイス、スウェーデン、ノルウェー、フランスなどの建築様式を取り入れています。

ペッカの描く絵は、自然の移り変わりをよく捉え、光の陰影が印象的な油絵です。彼は大のスキー好きで、画材とスキーのコンビネーションで旅をよくしたというほど、フィンランドの自然が生き生きとした作風で評判を得ました。

ハロセンニエミ博物館を訪れると、画家ペッカ・ハロネンが愛した自然の移り変わりを楽しむことができ、彼も見た風景を堪能することができます。

  • 写真:aka-regionのどかで美しいトゥースラ湖。
ハロセンニエミ博物館
フィンランド / 博物館・美術館 / 博物館
住所:Halosenniementie 4-6, 04310 Tuusula, Finland地図で見る
Web:https://www.halosenniemi.fi/

【2】アイノラ(Ainola)のシベリウスの邸宅

  • 写真:aka-regionシベリウスの家「アイノラ」は、森の中にひっそりと建つ。

フィンランドを代表する作曲家である、ジャン・シベリウスが妻や家族とともに、晩年まで過ごした家がトゥースラ湖畔の街ヤルヴェンパーにあり、アイノラ(Ainola)と呼ばれて親しまれています。シベリウスは、完全なる静寂を好み、このアイノラ邸も小高い丘の麓にあり、湖畔からも少々距離がある、自然が美しくも人里離れた場所に立地しています。

  • 写真:aka-regionシベリウスの家「アイノラ」

広大な敷地内には、木造の母屋のほか、シベリウスの妻・アイノが設計したサウナ小屋や植物でいっぱいの庭があります。また、この地で息を引き取ったシベリウスとアイノのお墓も、りんごの木の真下にあり、ひっそりと今も眠っています。

  • 写真:aka-regionジャン・シベリウスのお墓。

母屋は、2階建てですが1階部分のみ一般に公開されています。1階は、居間や寝室、台所や使用人部屋、ダイニングなどと空間がわけられており、飴色に朽ちた天井や床、壁が温かみのある雰囲気をつくりだしています。

  • 写真:aka-regionシベリウスが息をひきとったベッド

シベリウスのこだわりポイントとしては、先述のペッカ・ハロネンのスタジオと同じように緑色のタイルの暖炉が特徴的です。また、ダイニングスペースは、シベリウスが影響を受けたフランスの様式になっています。装飾品や食器に至るまで、そこだけフランスの食卓のような格調高い空間となっています。

  • 写真:aka-region緑のレンガの暖炉が印象的なシベリウスの家。

庭に出ると、りんごやカシスなど様々な樹木が植えられ、素晴らしい環境です。サウナは、脱衣所やサウナ内部の空間がたっぷりと取られており、巨匠・シベリウスもサウナに入っていたかと思うと、さすがフィンランド人!ですよね。

  • 写真:aka-region庭には、様々な種類の植物が育っている。
  • 写真:aka-regionシベリウスが住んだ敷地内には、サウナ小屋もある。
アイノラ
フィンランド / 建造物
住所:Ainolankatu, 04400 Järvenpää地図で見る
Web:http://www.ainola.fi/

【3】トゥースラ湖(Tuusulanjärvi)

  • 写真:aka-region風光明媚なトゥースラ湖。

上記は、トゥースラ湖周辺にある代表的なアーティストのスタジオ・住居ですが、他にもこうしたアーティストとゆかりのある建物がトゥースラ湖を囲むように点在しています。最長8kmに及ぶトゥースラ湖を眺められる家々も多く、フィンランド人アーティストにとって、森や湖の身近さを体感できるエリアとなっています。

ぜひ、季節を問わず表情を変えるトゥースラ湖畔を歩き、新たなインスピレーションを得られるひとときを過ごしてみてください。湖畔には、ウォーキングトレイルが敷かれているところが多く、湖に沿ってウォーキングを楽しむことができます。

トゥースラ湖
フィンランド / 自然・景勝地
住所:Tuusulanjärvi, Finland地図で見る

まとめ

いかがでしたか?

トゥースラ湖を囲みながら、点在するアーティストたちの拠点。今はもう、かつてのような芸術コミュニティーは廃れてしまいましたが、フィンランドの芸術における黄金時代を築いた当時の様子に思いを馳せることができるかと思います。

ヘルシンキを中心とした街だけではないフィンランドの魅力。ぜひ、新鮮な空気を吸いながら、芸術村を旅してみませんか?

  • 写真:aka-regionシベリウス夫妻とアイノラ荘。

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この記事を書いたトラベルライター

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計4年間、ヨーロッパ(フィンランド、アイルランド)で住んでいる間に見聞きしたこと、経験したことを紹介します。旅のテーマは、「暮らすように旅をする」。旅のある暮らし方、ライフスタイル、文化に関する情報を発信していきます!

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♬Speciality: 島好きです!
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