京都市東山区の六波羅蜜寺。境内は決して広くはないですが創建当時を思わせる朱塗りの本堂や、平清盛公塚、そして宝物館では14体もの重要文化財を見ることができます。中でも、日本史の教科書で見たことがある方も多いであろう空也上人像。 仏像ファンならずとも見ておきたい日本の宝に溢れ、金運アップ祈願もできる六波羅蜜寺の見どころを紹介します。
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六波羅蜜寺と空也上人
六波羅蜜寺は、醍醐天皇の第二皇子として生まれた空也上人が建てた西光寺が元となったお寺です。空也上人は、当時京都に流行していた疫病を退散させようと自ら十一面観音像を彫り、台車に乗せ市中を廻り、茶を振る舞い念仏を唱え人々を救済しました。
空也上人は仏の教えを「南無阿弥陀仏」と六文字の念仏で表し、広く民衆に広めたことから「市聖(いちのひじり)」また「念仏の祖」とも言われています。
空也上人の死後、高弟の中信上人により六波羅蜜寺と改名し寺の規模も拡大。天台別院として大いに栄えました。明治以降、荒廃し寺院の規模も大きく縮小してしまい、現在は住宅地に囲まれた小さな寺院となっています。
創建当時を思わせる色彩鮮やかな本堂
現在の本堂は、1363年に建てられたものを1969年、開創1,000年を記念し解体修理されたものです。まるで創建当時を思わせるような朱塗りの美しい姿です。
本堂には、国宝の十一面観音立像が祀られていますが、こちらは12年に一度辰年の時にのみ開帳されます。
本堂には随所に龍が描かれていますが、これは近隣の人々を困らせていた龍が空也上人に諭され改心し、寺を守護するようになったという伝説によるものです。
金運アップを願うなら、弁天様にお参りを
本堂の左隣に、七福神の中での唯一の女神である弁財天、通称弁天様が祀られている弁財天堂があります。中におられるのは金色に輝くまばゆい弁天様。こちらのご利益は「金運」と「勝負運」。
また、弁天様は水を神格化した神様なので、お祈りするこにとによって水が全ての汚れを清めるように、苦悩を洗い流してくれるとも言われています。
本堂右隣の建物内には、「銭洗い弁財天」もいらっしゃいます。ざるにお金を入れ、柄杓で三回に分けて浄水をかけます。そして、その清めたお金を事務所で売っているお守り袋に入れてもらったら、自分だけの金運お守りの完成です!
六波羅を拠点としていた平清盛
平安時代後期、著しい繁栄を遂げた平家。当時、この六波羅蜜寺周辺は平家一門の邸宅が建ち並び、その数は約5,200にも上っていたそうです。その邸宅数だけでも、いかに平家が隆盛していたかが分かりますよね。
そんなこの地とゆかりのある平清盛の供養塔(平清盛公塚)が、本堂脇に建てられています。
空也上人像や平清盛像は必見!宝物館
六波羅蜜寺の前身である西光寺を創建した空也上人。その空也上人が「南無阿弥陀仏」と唱えると、それが六体の阿弥陀仏に変わったという伝承に基づいて作られた空也上人立像。
また、絵巻物を手にした武士というより信心深い仏者の雰囲気漂う平清盛坐像。両者とも歴史の教科書で見たことがある!という方も多いのではないでしょうか。
これらの仏像をはじめ、宝物館には有名仏師の親子・運慶・湛慶坐像や、その運慶作の地蔵菩薩坐像など、平安・鎌倉時代を代表する重要文化財に指定された木像彫刻が実に14体も安置されています。(宝物館内部は撮影禁止です)
貴重な日本の宝を、ぜひ間近で拝観してください。なお、境内の参拝は無料ですが、宝物館のみ拝観料600円が必要となります。
- 六波羅蜜寺
- 東山・祇園 / 寺
- 住所:京都府京都市東山区 五条通大和大路上ル東地図で見る
- 電話:075-561-6980
- Web:http://www.rokuhara.or.jp/