京都に来た観光客の多くが訪れるであろう祇園の街。そのすぐ近くにある建仁寺(けんにんじ)というお寺をご存じでしょうか。お寺の名前を聞いたことがなくても、「風神雷神図屏風」の絵はおそらく皆さんご存じだと思います。「風神雷神図屏風」は建仁寺所蔵の国宝。本物は京都国立博物館に寄託されていますが、建仁寺でもレプリカを見ることができます。有名な「風神雷神図屏風」をはじめ「双龍図」や「雲龍図」など迫力ある寺宝が見られる祇園のお寺、建仁寺をご紹介します。
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建仁寺とは
建仁寺は、京都最古の禅寺として1202年に栄西禅師が建立しました。1202年は建仁二年にあたるのですが、当時の年号から寺名がつけられています。1586年頃、安国寺恵瓊(あんこくじえけい)により再興されています。
建仁寺で必見の寺宝
風神雷神図屏風
建仁寺の代名詞とも言えそうな寺宝がこちら。教科書などで誰もが見たことがあるであろう、風神雷神図の屏風です。俵屋宗達(たわらやそうたつ)の最高傑作として知られています。保存のために本物は京都国立博物館に保管されていますが、最新のデジタル技術で再現されており、勢いと迫力を放っています。
雲龍図
方丈(ほうじょう)という重要文化財に指定された建物の中では、多くの絵画を見ることができます。
その中でもひときわ目をひくのが、下の間に描かれているのが雲龍図襖絵。海北友松(かいほうゆうしょう)という、安土桃山時代から江戸時代初期にかけて活躍した絵師によるものです。
墨で生き生きとした龍が描かれており、渋さの中にも力強さを感じさせます。こちらも風神雷神図屏風と同様レプリカで、本物は京都国立博物館に寄託されています。
〇△□の庭
変わった名前のついたこちらの庭。
庭の名前になっている〇△□というシンプルなこの3つの図形は、禅宗の四大思想(地水火風)を地(□)、水(〇)、火(△)で表現していると言われています。この庭では、中央に立つ木の周りの苔が〇、庭の隅の形が△、井戸が□を表しています。シンプルさを追求したような庭ですが、風情ある空間です。
双龍図
法堂(はっとう)の天井画。こちらは2002年と最近描かれた絵で、小泉淳作による「双龍図」です。建仁寺の創建800年を記念して描かれました。
畳108枚分もの天井一面に描かれた龍。二匹の龍がいるのですが、一匹は口を閉じ、もう一匹が口を開けており、阿吽の呼吸を表わしています。法堂の中に足を踏み入れた途端、見る人の目を惹きつける迫力を持つ二匹の龍。その大規模な作品を食い入るように見つめてしまうことでしょう。
おわりに
祇園の街近くに広大な敷地を持つ建仁寺。多くの文化財や寺宝が保存されており、見所がたくさんあります。京都観光の際はぜひ立ち寄ってみてください。
- 建仁寺
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- 住所:京都市東山区大和大路通四条下ル小松町地図で見る
- 電話:075(561)6363
- Web:http://www.kenninji.jp/