不可能と言われた「完全無農薬で作るりんご」に世界で初めて成功したことで知られる、木村秋則さん。今回は、そんな木村さんが栽培する「奇跡のりんご」を使ったフルコースが味わえる、レストラン山崎についてご紹介します。
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奇跡のりんごとは?
生みの親は木村秋則さん
野菜等で、オーガニック・有機栽培などと表示されたものを目にされたことがあると思います。ただ、りんごに関しては、非常にデリケートな為、無農薬栽培は不可能と言われていました。そんな中で、完全無農薬でのりんご栽培に世界で初めて成功したのが、木村秋則さんです。
木村さんのりんごの完全無農薬栽培成功までの道のりは厳しく、10年以上の試行錯誤を行う中で、経済的にも人間関係的にもどん底まで陥り、山の中での自殺未遂もご経験されています。そんな木村さんの人生のお話は本にもなっており、また『奇跡のリンゴ』として2013年に映画化もされています。
そして、そんな木村さんが栽培しているりんごが「奇跡のりんご」と呼ばれています。
奇跡のりんごの購入は不可能!
木村さんが栽培している奇跡のりんごは、りんご本来の甘さがぎゅーっと凝縮されているんだそうです。以前、ドキュメンタリーで放送されていた時に、1人のシェフがそのように語っていました。
そんな奇跡のりんごは、弘前ロケーションガイドマップ 2ページ目によると、購入することができないそうです。有名になる以前からの数千人の既存顧客にも十分に行き渡っていない状況の為、〇年先の予約でもお断りをしているそうです。
しかしそんな「奇跡のりんご」を、フランス料理にアレンジして食べられる場所があるのです。
レストラン山崎
奇跡のりんごが食べられる場所
奇跡のりんごを食べられる場所の1つが、レストラン山崎。レストラン山崎は、青森県弘前市にあるフレンチレストランです。
※内観写真について:筆者が訪れたときは、リニューアル工事中だった為、カフェ山崎にて、レストラン山崎で提供しているメニューを頂きました。
レストラン山崎と木村秋則さんの深い関係
シェフの山崎さんと木村さんは1989年からの知り合いで、数十年以上の付き合いになります。一緒に畑にいったり、深い関係を築かれていらっしゃいます。料理人として木村さんの力になりたい、という強い思いから、奇跡のりんごを使ったこだわりのメニューを生み出しています。
木村秋則さんの奇跡のりんごフルコース / 13,200円
レストラン山崎で奇跡のりんごを食べられるメニューは、ランチとディナーでそれぞれあります。今回は、ディナーメニューにある「木村秋則さんの奇跡のりんごフルコース(13,200円)」について、詳しくご紹介致します。
こちらのフルコースは、ディナーメニューの中でも一番高額なメニューになります。が、ここでしか食べられない唯一のメニューです。
※2021年3月時点のフルコースです。2021年5月も同じメニューで提供されていますが、今後一部変わる可能性もあります。
自家製ソーセージのピンチョと木村秋則さんのりんごのピクルス
まずは、アミューズが登場します。この自家製ソーセージが絶品でした。ハーブのようなものが効いており、味がしっかりしているのですが、爽やかな味わいです。
奇跡のりんごのピクルスは、酢が強すぎず、優しい酸味です。お店によっては、鼻にツンとくるピクルスもありますが、こちらは、優しい酸味の中にりんごの甘さを感じます。
せっかくなので、このソーセージと奇跡のりんごのピクルスを一緒に食べましたが、組み合わせとしても美味しかったです。
旬の魚介類と小野菜いろいろと木村秋則さんのりんごの彩り
筆者は海沿いの田舎で育った為、魚介の新鮮さにはうるさいのですが、この魚介類は美味しく食べられました。青森は海に近いこともあり、魚介は新鮮です。
この料理では、どこにりんごが潜んでいたか、よく分かりませんでした。気になる方は、店員さんに聞いてみてください。
木村秋則さんの自然栽培りんごの冷製スープ
世界中から食べにくると言われているのが、このりんごの冷製スープです。筆者は、3月下旬の寒い時期に行ったのですが、その時にも「冷製」スープはありました。
夏以外に冷製スープを食べるというのは不思議な感じがしますが、このスープが絶品です。舌触りが軽くなめらかで優しく、りんごの程よい甘さが口の中に広がります。デザートでもなく、ちゃんと料理としてのスープになっているのが、不思議です。
これは、ぜひとも食べて頂きたい一品です。
このコース以外の別のコースを選ばれた場合でも、スープは選択式となっていますので、りんごの冷製スープをいただくことができます。
日本海産スズキのムース包み蒸、アワビ、帆立貝、木村秋則さんのりんごのソース
前述しましたが、青森は魚介が新鮮。特に帆立は、歯ごたえがしっかりプリプリしており、甘くて絶品です。
下にスズキが鎮座しており、その上に小さく切られたアワビ、帆立貝、そしてりんごがソースと一緒に散りばめられています。
帆立とりんごの色が同じなので、一見、りんごが分かりにくいかもしれません。奇跡のりんごだけを味わいたい方は、宝探しのように、りんごを見つけ出して食べてみてください。
田子産黒毛和牛ロース肉のソテー、フォアグラと木村秋則さんのりんごチャツネ
りんごチャツネがどれかというと、肉と丸い人参の間に挟まれている、黄土色のものになります。これだけで食べるというより、おすすめは和牛ロース肉と一緒に食べる事です。りんごの酸味が肉と絶妙なタッグを組んでいます。
盛り合わせの野菜たちも一つ一つ丁寧に仕上げられており、どれも素材の味を堪能できました。