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4. 巡礼者を引き寄せる霊山「クローパトリック(Croagh Patrick)」
「クローパトリック(Croagh Patrick)」は、アイルランド北西部のメイヨ―(Mayo)州に位置する、国内3番目に高い標高764mの山です。
紀元前3000年当時はドルイド教の聖地となっていました。5世紀ごろには、アイルランドにキリスト教をもたらした聖パトリックが山頂で40日間断食をしたとされており、現在ではキリスト教巡礼の聖地となっています。
毎年7月最終日曜のリーク・サンデー(Reek Sunday)には、巡礼者が頂上の教会まで登り、ミサに参加します。信仰深い人は、聖パトリックに倣い、裸足で歩く人もいます。
もちろん、巡礼者以外でも山頂まで登ることができます。山には日本の山のような樹木はなく、ごろごろとした石が転がるハゲ山をひたすら登ることになります。山の中腹から眺めるメイヨ―州の海に広がる小島と緑の大地は、一見の価値があります。
5. 作家イェーツのルーツ「ベンブルベン(Ben Bulben)」
3億2千万年前に起源をもち、氷河期に氷河によって削られたテーブルマウンテンであり、その雄大さで異彩を放っているのがアイルランド北西部のスライゴー州にある「ベンブルベン(Ben Bulben)」です。
日本の能にも影響を受けた、アイルランド人劇作家のウィリアム・バトラー・イェーツの故郷でもあります。この山にインスピレーションを得て彼は「ベンブルベンの麓(Under Ben Bulben)」という詩を書きました。
ベンブルベンは様々な角度から見ると、それぞれ違った姿を現します。夕暮れ時や朝、昼の光の当たり方によっても様相が異なり、いつ何度訪れても飽きることがありません。そしてベンブルベンを前にしたあなたは、壮大さに圧倒されること間違いありません。自然が作り出した自然の神秘を感じてみませんか。
6. 生きたアイルランド伝統音楽の発信地「アーダーラ(Ardara)」
アイルランド北部ドネゴール州は、アイルランドの歌姫「エンヤ」の出身地であり、国内外の数々の有名なミュージシャンを生み出した場所です。近年、日本でも人気沸騰中のアイルランド伝統音楽ですが、中でもアーダーラ(Ardara)の街は、ドネゴール州に散らばる腕のいいミュージシャンの演奏が聴ける、ドネゴール音楽の中心地ともいえる場所です。
初夏~夏に行われる音楽フェスには、国内外からアイリッシュ・トラッド好きの人たちが集まり、賑やかな雰囲気となります。
音楽以外にも、ツイード織りの工房や工芸品のお店、パブなど、小さな街ながら生活に必要なものは揃っており、カントリーライフを経験してみたいひとには理想の場所です。また、ホテルやB&Bが集中しているので、周辺スポットを巡るのによい拠点となります。
ドネゴール自慢の秘境で、ヨーロッパ屈指の高さを誇る高さ600mの断崖「スリーヴ・リーグ(Slieve League)」や、ヨーロッパでも最も澄んだ空気の地域の一つとして認定されている「グレンヴェー国立公園(Glenveagh National Park)」、歌姫エンヤの家族が経営するパブ「レオズタバーン」などにも日帰りで繰り出すことができます。
- グレンヴェー国立公園
- アイルランド / 自然・景勝地
- 住所:Glenveagh National Park ドニゴール アイルランド地図で見る
- Web:http://www.glenveaghnationalpark.ie/
- レオズタバーン
- アイルランド / 居酒屋・バー
- 住所:Meenaleck, Crolly, Co. Donegal,Ireland地図で見る
- 電話:+353 74 954 8143
- Web:http://leostavern.com/
7. 海藻と石でできた、大西洋に浮かぶアラン諸島
アイルランド西部の街・ゴールウェイ、モハーの断崖に程近いクレア州ドゥーリンの街の沖合いにアラン諸島があります。先史時代、初期キリスト教時代の古代遺跡が多くあり、フェリーで30分~1時間以内で行ける距離ですが本土とは異なる雰囲気の土地で、年間30万人近くの人たちが訪れるなど、多くの観光客を惹きつけています。
アラン諸島を構成するのは主に3島で、西からイニシュモア島(Inishmore)、イニシュマーン島(Inishmaan)、そしてイニシィア島(Inisheer)です。いずれの島も上陸したらレンタサイクルか島の観光バス、観光馬車または徒歩で散策します。
また、これらの島々に最初に居を構えた人々は、大西洋から吹き荒れる潮風や雨に土地が飛ばされないように、礎となる岩の上に海藻を敷き、石を積み上げて土地を固定しました。
イニシュモア島(Inishmore)はアラン諸島最大の島で、ユネスコの世界自然遺産にも登録されているドン・エンガス(Dun Aonghasa)があります。
フェリー発着場からは距離にして約7km、海に向かって半円の石が積まれているのが3,000年前のものだとされるドン・エンガスの古代遺跡です。軍事要塞としてだけでなく、政治や経済、宗教のかつての中心地だったとされ、人々の暮らしの中心にあったものでした。
また、少しマニアックですがおすすめの小島がイニシュマーン島(Inishmaan)とイニシィア島(Inisheer)です。いずれの島も、徒歩でも数時間あれば十分にまわることができます。
特におすすめなのは、住人わずか200人のイニシィア島(Inisheer)です。小島ながら、美しい砂浜や丘の上のオブライアン城、廃墟の7人の娘たちの教会など見所が多くあります。美しい白浜へ向かってフェリーで上陸すると、すぐに見えるのがオブライアン城です。ここからは島全体だけでなく、イニシュマーン島も眺めることができます。