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あなたの好みはどの泉質?3種の湯あみを愉しむお宿【鹿児島・霧島湯之谷山荘】

取材・写真・文:

愛知在住
訪問エリア:45都道府県

2017年10月23日更新

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写真:mikish(石川美佳)

たまの休日、日常を忘れてゆっくりと温泉に浸かるのは最高ですよね。ところで、熱いお風呂、それともぬるいお風呂、あなたはどちらが好みでしょうか?鹿児島県の霧島温泉郷にあるお宿「霧島湯之谷山荘」には、「温かい硫黄泉」「冷たい炭酸泉」「その混合湯」の3つの浴槽があり、お気に入りの浴槽に浸かって心ゆくまで湯あみを楽しめます。本州から飛行機でひとっ飛びで行ける温泉天国に泊まって、あなたも最高の休日を過ごしてみませんか?

この記事の目次表示

霧島温泉郷とは?

  • 写真:mikish(石川美佳)車の窓を開けると、硫黄の香りに包まれる

霧島温泉郷は、鹿児島県の中央部、日本神話の天孫降臨伝説が伝わる霧島山の懐、標高600mから850mほどのところにあります。この温泉郷では、泉質も効能もさまざまな大小9つの温泉が豊富に湧き出ており、街のあちこちで白い湯煙が立ちのぼっています。代表的なお湯の特徴は「湯の花が舞う白濁硫黄泉」で、誰もが憧れる温泉郷です。

今回は、霧島温泉郷にある9つある温泉の中でも温泉マニアに人気の絶品源泉を持つ「霧島湯之谷山荘」をご紹介して参ります。

霧島湯之谷山荘は、1940年開業の湯治場です。こちらでは源泉井(天然湧出泉!)を5本も自家所有されていて、その泉質の異なる温泉を思う存分愉しめるようにと工夫された浴槽が特徴のお宿です。

霧島湯之谷山荘でのおすすめの過ごし方

まずはチェックイン!

  • 写真:mikish(石川美佳)杜の宿の自然湧出泉まで、あと400m!

鹿児島空港から車でおよそ1時間、国道223号線を走っていると見えてくる看板がこちら。景色になじむ色合いの渋い看板ですので、見落とさないようご注意くださいね。

  • 写真:mikish(石川美佳)この素晴らしい秘湯感に、期待が高まる

看板が示す道を進むと、このような山道です。言うまでもなく細い道なのですが、意外と多くの車とすれ違うのでご注意を。霧島湯之谷山荘では、宿泊だけでなく日帰り入浴も大変人気があるため、毎日たくさんのお客さんがこの道を行き来するのだそうです。

  • 写真:mikish(石川美佳)ホッとさせてくれる玄関。正面の階段を上がると浴室がある

やがて山道が開けた先に、霧島湯之谷山荘はあります。

  • 写真:mikish(石川美佳)

こちらの玄関で靴を脱いで上がると、右手にあるのが受付。狭い山道を通ってきたとは思えないほどに綺麗な施設なので、まずはホッと肩の力が抜けることでしょう。

受付にスタッフさんが居ないこともありますが、声を掛けても返事が無い場合には、玄関を入って正面右の壁にある呼び鈴を押せばすぐに対応してくれますよ。こういうところも、小さな温泉宿らしくて楽しいところです♪

チェックイン時に、貸し切り露天風呂への入浴時間帯(30分間)の予約を済ませておきましょう。宿泊客が多い場合、当日だけでなく翌朝にも入浴枠が設けられているようですが、やはりチェックインした日に入ってのんびりしたいところです。

特にお子様連れの場合は、明るい時間に予約するのがおすすめです。露天風呂の湯温は子供にもちょうど良く、安心して入らせることができます。

設備が充実した快適なお部屋でリラックス

ここ霧島湯之谷山荘には二種類の宿泊体系があり、素泊まり共同キッチン付きの湯治部屋と、一泊二食付きの旅館部屋とに館内で分かれています。

  • 写真:mikish(石川美佳)濃密な森の薫りが、とても優しい部屋で寛ごう

窓からは木々の緑が見られます。駐車場は目の前ですが、山の中にあるお宿なので、森林の澄んだ香りがお部屋の中にも満たされていてとても気持ちがよいですよ。

  • 写真:mikish(石川美佳)使い捨て紙カップは便利で嬉しい

旅館棟のお部屋には、洗面台と洋式トイレがついています。湯治場ではトイレも共同というところが多いので、お部屋にトイレがあるというのは嬉しいですよね。写真を見ていただくとわかる通り、洗面台もとってもオシャレで綺麗。除菌できる泡ハンドソープまで備え付けてある心遣いは、お子様連れにも嬉しいポイントです。

  • 写真:mikish(石川美佳)素朴で親切な心遣いに、思わず顔がほころぶ

ふと上を見上げると、洗面台の上には窓枠と梁の間に木の枝が通してあり、タオルや洗濯ものを掛けられるように工夫されています。もちろん通常のタオルハンガーも置いてありますが、この枝を利用するとお部屋を広く使えるので活用してくださいね。

  • 写真:mikish(石川美佳)

ありがたいことに、アメニティーもしっかり準備されています。ボデーソープ、リンスインシャンプー、歯ブラシ、大小タオル、浴衣、お風呂への移動に便利な簡易ポーチまで。手ぶらでお泊りもできそうな品揃えですね。

いざ!温泉に浸かりましょう

  • 写真:mikish(石川美佳)この入口を見ればわかる、良い温泉だ。
  • 写真:mikish(石川美佳)温泉の総湧出量は480L/分と大量。pH5.7の弱酸性泉に身も心も癒される

お宿の立地から想像するよりはるかに綺麗な浴室で、とても過ごしやすいです。お宿のご主人の、温泉に対する愛情が感じられる空間となっています。写真の浴槽は、手前から「冷たい炭酸泉」「ぬるい混合泉」「温かい硫黄泉」となっています。

  • 写真:mikish(石川美佳)浴室に張られているのは温泉を楽しむための秘訣。要チェックだ

浴室内にある説明書きによると、お宿のおすすめは温かい浴槽から順に入浴する方法だそうで、その通りに各浴槽を行ったり来たりしていると本当に気持ちが良いんです。説明書きには、自律神経を整える入浴法であると表記もされていました。

パソコンやインターネットの利用により、気持ちが頭や目に集中しがちな現代。ここでは体が温まったら冷たい浴槽へ、冷えたら温かい浴槽へ、と自分の体のことに集中することで、リラックス感を促してくれるような感じもします。

  • 写真:mikish(石川美佳)5.6人は入れそうな浴槽、43℃の硫黄泉。源泉が「ごうごうと」注がれている

実は「温かい硫黄泉」は「熱い硫黄泉」で、すぐに入るにはちょっと熱すぎたりもします。「入浴するのに不適切なほど熱い場合は、ミネラル冷泉で薄めてお入りください」という表示もありましたので、あまりにも熱い場合には薄めてもOK。

薄めるために使う水も、水道水ではなくミネラル冷泉というところが嬉しいですね。ただし、入れそうな温度まで薄めたらすぐに冷泉の蛇口は閉め、なるべく濃い源泉を満喫するのがここでのルールだそうです。

しっかり体が温まったら、次は「ぬるい混合泉」へどうぞ。この浴槽には左右から熱い湯と冷たい湯が完璧な割合で流れ込むようになっていて、大げさではなく何時間でも浸かれそうなくらい快適な温度となっています。

この浴槽だけ少し浅めになっていて、少し体を倒して寝湯のような体勢でのんびりできるのも快適ポイント。

  • 写真:mikish(石川美佳)一人で入るとぴったりのサイズ、30℃の炭酸泉。湯の花が舞う

そしてこちらは霧島湯之谷山荘で一番の目玉浴槽、「冷たい炭酸泉」です。上に見えるのが給湯パイプで、写真では見られませんが、ここから大量の炭酸泉が注がれています。炭酸泉に含まれる成分を少しでも多く生かすために、給湯口が浴槽の中にあるんだとか。

このひと工夫のおかげで、ここに浸かっていると見事な泡が体中に付いてきます。抜群に新鮮な温泉が、最適な方法で扱われた浴槽だからこそ味わうことのできる泡付き温泉。是非体験してみてくださいね。

  • 写真:mikish(石川美佳)ケロリン洗面器になみなみ注いだ源泉を頭からかぶる幸せ♡

内湯には、髪や体を洗うためのスペースにシャワーも設置してあります。しかし筆者がアツくおすすめしたいのはこちらの蛇口!なんと「温かい硫黄泉」が出てくるという、温泉好きにとっては魔法のような蛇口です。

この蛇口はシャワースペースの片隅にありますので、洗面器に源泉を注いで頭の先から足の先まで洗うことができます。ここで沐浴すると石鹸の香りはどこへやら、髪も硫黄の香りに染まりますが、霧島湯之谷山荘に宿泊したお土産に、是非体験してみてください。お肌もつるつるに生まれ変わること間違いなしですよ。

  • 写真:mikish(石川美佳)

なお、浴室にはシャンプー類は備え付けてありませんので、お部屋からアメニティーを持っていくことをお忘れなく!

  • 写真:mikish(石川美佳)十分広い脱衣所。木のぬくもりがあたたかい

脱衣所も清潔で、気持ち良く使用することができます。ドライヤーも、1台ですが用意されていますので(長い髪でもちゃんと乾かせるドライヤーです)女性もご安心くださいね。

こちらの内湯ですが、19時-20時ころが比較的空いていました。チェックイン直後の時間帯は日帰りのお客さんと宿泊のお客さんとが重なり混雑しますので、シャワーを使用する方は夕食の後にされるのがおすすめです。

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この記事を書いたトラベルライター

[国内97温泉地滞在]温泉旅をこよなく愛する子連れトラベラー
私にとって、未知なる場所へ行くことは最高の楽しみです。
目的地へ向かう道中も含めて、旅行が大好き。
そこで出会う人、景色、そして食べ物、すべてに心ときめきます。

大学卒業後は温泉に夢中になり、一日でも休みがあれば温泉旅行へ。
仕事帰りに夜行バスに乗って日本国内を周りました。

現在は1児の母として育児に奮闘しながら、のんびり家族旅行を楽しんでいます。

育児に頑張るママさんパパさん方へも
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