木曽に旅行に行くけれど、「できるだけ安く済ませたい!」「穴場が好き!」「時間が余ったからちょっと立ち寄れるスポットを知りたい!」 …そんな方に、ぜひお勧めしたい施設があります。本記事では、木曽福島の無料観光スポット「御料館」の見どころをご紹介します。
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御料館とは
かつて皇室の所有林を管理していた施設
「木曽路はすべて山の中である。」島崎藤村の『夜明け前』の書き出しのとおり、長野県の木曽はどこへ行っても山、山、山。まさに、山の中の町です。
そして木曽福島と言えば関所の町。中山道のちょうど関所の辺りを歩くと、山の斜面に建つ瀟洒な建物が見えます。それが今回ご紹介する御料館(ごりょうかん)です。
この辺りの山は、もともとは皇室の財産である御料林(ごりょうりん)でした。そして後に御料館となる帝室林野局木曽支局庁舎では、御料林の管理を行っていました。
現在は木曽町有形文化財および林業遺産
昭和22年(1947)に御料林が国有林となり、木曽町では平成26年(2014)より帝室林野局木曽支局庁舎を「御料館」として一般公開しています。現在の御料館は、御料林の歴史を後世に伝え、森林文化を発信するための施設となっており、木曽町有形文化財および林業遺産に指定されています。
御料館の見どころ4つ
1. アールデコ様式の建築意匠
御料館は、木曽谷エリアで最大の洋風建築物となっています。昭和2年に建築されたアールデコ様式の建築意匠は、御料館で1番の見どころです。
外観的には、三方にアーチを持つ玄関の車寄せや、屋根中央の八角の塔屋が特徴的。全体的には装飾を控えた左右対称のシンプルな形態ですが、品格を備えています。
支局長室は、真っ白な壁と天井、シャンデリア、そして窓から差し込む陽光が映えるフォトスポットです。
2. 展示室
御料館内には、木曽の山林にまつわる様々な展示物があります。
標本展示室には、山林に棲む鳥や蝶などの生き物の標本が数多く展示されています。中には、絶滅した種の昆虫の標本もあります。
標本以外にも、御料林時代の測量道具類、写真・絵葉書なども、貴重な資料として展示されています。
3. 木曽谷模型
木曽谷模型は、明治14年(1881)の第2回内国勧業博覧会に出品することを目的として、明治13年(1880)に作られました。模型の素材は木曽ヒノキです。博覧会で高品質なヒノキの産地である木曽の紹介をするために、製作されたそうです。
博覧会の後は、長い間伊勢神宮に収蔵されていましたが、貴重な史料であるとして、現在は御料館に常設展示されています。この模型を見ると、「木曽路はすべて山の中である」ことがよくわかります。
木曽谷模型は、木曽町有形文化財に指定されています。
4. 木育ルーム
木曽が森林資源の豊富な土地であることや、御料館がもともと営林局だったこともあり、御料館内には木育ルームがあります。
木育ルームには、木曽ヒノキを使用した木の家をはじめ、長野県産材のボールプール、積み木等の遊具がたくさん用意されています。そして床や椅子も木製です。子ども連れの旅行の場合には、木育ルームに立ち寄ったらお子様に喜ばれること間違いなし! 木の家は大人が見ても、ワクワクします。
※冬季は暖房使用費として、暖房1台につき1時間200円がかかります。
御料館をオススメする3つの理由
1. 見学無料
御料館は貴重な施設にもかかわらず、見学料は無料です。旅行で費用を抑えたい方にはお勧めです。
2. 穴場
しかも、穴場です。木曽福島の街中は、休日になるといつも多くの観光客で賑わっていますが、御料館は中心市街地から若干離れている(徒歩約10分)ため、あまり観光客が立ち寄らないのです。そのため、人混みを避けたい方にはお勧めです。
3. さくっと見学できる
御料館は、15~30分程度でさくっと見学することができるので、木曽観光で時間が余った場合に旅程に取り入れるのにはちょうど良いスポットです。1つでも多く観光スポットを巡りたいという方は、ぜひ御料館へも訪れてみてください。
最後に
御料館は見学無料ですが、施設には案内のスタッフもいます。展示物や建築様式、御料館の歴史などを詳しく解説してくださいます。展示の説明書きにはないことも解説してもらえるので、より学びが深まります。興味と時間があれば、ぜひ案内してもらうことをお勧めします。もちろん、案内も無料です。
- 御料館
- 木曽町(木曽郡) / 建造物 / 歴史的建造物
- 住所:長野県木曽郡木曽町福島5471番地1地図で見る
- 電話:0264-23-2033
- Web:https://www.town-kiso.com/facility/100023/