木曽町(木曽郡)

【木曽馬の里】愛らしい「木曽馬」に癒されよう(長野・開田高原)

取材・写真・文:

兵庫在住
訪問エリア:44都道府県

2021年10月22日更新

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写真:まき子

開田高原はとても自然豊かで、美味しい野菜、美味しい蕎麦が育ちます。そんな場所で飼育されているのが「木曽馬」。日本の本州で唯一の在来馬です。【木曽の里】は、木曽馬と触れ合えたり、乗馬体験ができたりと、いろいろ楽しめます。

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【木曽馬の里】は木曽馬と触れ合える場所

長野県の 開田高原には、【木曽馬の里】という広大な土地を構えた【木曽馬】のための施設があります。【木曽馬】を守るために創設されました。

というのも、明治に入ると欧米から、巨体でムチムチで強そうな洋種馬が日本に導入され、日本の馬は洋種馬と交配させられることになり、その結果、純血の【木曽馬】は絶滅寸前となったからです。

そこで、戦後に「木曽馬は日本の生きた文化財だ!木曽馬を守ろう!」と立ち上がったのが、木曽馬保存会。彼らの活動のおかげで、現在では150頭ほどまで増えたんだそう。

【木曽馬の里】では、そんな木曽馬を繁殖、飼育しているだけではなく、観光客も木曽馬と触れ合うことができます。

日中、木曽馬たちは1ヘクタールという広い場所で放牧されています。5月ごろは繁殖時期なので、運がよければ子馬も見られますよ♪

また、放牧地では遠目に眺めるだけですが、小さな柵にいる木曽馬とは、身近で触れ合えます。

その他にも、小さなお子様でも安心して乗れる引き馬や、乗馬が初めてでもスタッフさんが指導して乗れる一人馬、馬車や、雪のある冬は馬ソリなどなど、さまざまな楽しみ方があります。

ところで、【木曽馬】って何?!と思いませんか?

武士にも農民にも大人気だった【木曽馬】の魅力

北海道の「道産子(どさんこ)」は聞いたことのある方も多いと思いますが、【木曽馬(きそうま)】はあまり聞いたことがないのでは? 道産子と同じく、木曽馬も 日本にしかない在来馬 です。他にも、愛媛、長崎、宮崎、鹿児島、宮古島、与那国島…と島国ならではの日本在来馬は各島に生息してしていますが、【木曽馬】は本州では唯一の在来馬 です。

  • 写真:まき子

どのくらい前から木曽馬が日本で活躍していたのか、正確には判断できませんが、少なくとも平安時代、源平合戦の頃から、ここ木曽で活躍した名武将 木曽義仲 が愛していた馬だという史実はあります。

その【木曽馬】の魅力をご紹介いたします。

とても温厚な性格…でも意外と頑固?!

木曽馬 の起源を調べると、中国から4世紀ごろに日本に伝わったらしく、その当時、日本では農耕馬として活躍していました。男は外で狩りをするので、家で木曽馬を育てていたのが女性や子供。ムチでビシビシするようなことはなく、優しく育てられて温厚な馬になっていったのが、木曽馬の遺伝子として遺っているのですね。

なので、ご主人様にはものすごーく従順!しかも頭が良い。(こそこそ話、西洋馬も従順かもしれないですが、言われたことしかしないお馬鹿です…それがまた可愛いんですけどね。)でも、木曽馬はご主人様以外の人には頑固なんだとか。なんとなく…日本人気質?!

木曽の険しい地でもうまく歩けるX脚、蹄は外向き

昔は、木曽馬は全国の武将から大人気の名馬でした。なぜかというと、山間部で育てられていたので、とても足腰が強く頑丈だから。でも、それだけではありません。

上の写真では少し分かりづらいかもしれませんが、木曽馬 は後ろ足が X脚蹄は外向き です。これこそが、平安時代からの乱世で、木曽馬が人気だった理由。

かつての武士たちが通っていたであろう道は山道で、岩がごろごろ、斜面もいっぱい。でも、木曽馬のこの特徴ある脚は、体面の横の動きに対して踏ん張りが効くので、山道や山の斜面を駆るのも得意なのです。

当時、武士は戦以外にも情報伝達のために昼夜かけて山で馬を走らせていたため、崖から脚を踏みはずさない強い馬として重宝されたのですね。

農耕に耐えられる蹄(ひづめ)

木曽馬 は、武士に気に入られていただけではありません。農耕馬 としても活躍していました。というのも、蹄(ひづめ)が高く、とても堅い からです。これも山間部で育って来たからだろうと思います。

蹄が堅いということは、農耕に使う程度なら 蹄鉄を打たなくてもよい ということになり、人にとっては扱いがとても楽でもあります。ただし、農耕なら…ということで、合戦などで走らせる場合は蹄鉄はつけていたそうです。

お腹ぽっこりでも、おデブじゃないよ!

胴長短足な上に、お腹がぽっこり している、可愛らしい姿が印象的な 木曽馬 。でも、このお腹ぽっこりは、太っているわけではないんです。

木曽馬は、厳しい山の中で育てられてきたので、草はもちろん枯葉のような粗食だけでも食べて生きていけるよう、盲腸の長さは洋種馬に比べて30cmほども長く、太さも2倍あるんだそう。だからその分、お腹がぽっこりしているのですね。

柵の中に居る子に、そこら辺に生えている草をあげても、落ちている枯れ草をあげても、優しくモシャモシャと食べてくれる姿を見ると、なんとも可愛くてとっても癒されます。顔をなでなですると気持ちよさそうにしてくれて、人に対して本当に警戒心を持っていない感じです。大切に育てられているからなのですね。

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この記事を書いたトラベルライター

じっとしているのは耐えられない旅行好き&飲兵衛です
日本在住ですがアメリカで生活したこともあり、その時にすっかりアメリカ大陸の自然に魅了されました。それ以来、帰国しても日本の自然の素晴らしい場所をあちこち旅行するのが好きです。1児の母でもありますので、“子連れで行くとどんな旅になる?!”という視点も織り交ぜていろんな場所をご紹介できればと思っています。
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