羽田空港の国内ターミナルから電車でわずか5分、路線バスでも15分ほどのところにある、穴守稲荷(あなもりいなり)駅。観光地としては知られていないかもしれませんが、観光地化されすぎていない分、地域の人たちの日常生活が肌で感じられるエリアとなっています。気ままに散策するのにぴったりで、付近には雰囲気のよいゲストハウスもあるんです。空港からの早朝便利用や国内線乗り継ぎなどのために、羽田周辺でのんびりしたいという人にもおすすめ。おさんぽの立ち寄りスポットに、ゲストハウス情報も加えてご紹介します。
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穴守稲荷神社
街のにぎわいの中心に鎮座する、穴守稲荷神社。現在の羽田空港のある辺りでは、文化文政時代(1804~1830年)、新田を開墾する際に、海の高波による水害がたびたび発生していました。そんなあるとき、堤防に大きな穴があいて海水が侵入したことがありました。
これを機に、地元住民によって創建されたのが穴守稲荷神社です。「波によってできた穴の害から田畑を守る」というところから、この名前が付きました。創建された場所から終戦直後に、現在の場所に遷座されています。
短い参道を歩いて大きな鳥居をくぐると、拝殿を守る一対のきつねがまず参拝者を出迎えます。
その右手には、赤色が鮮やかな千本鳥居が奥の宮、築山にそれぞれ続いています。立派な神楽殿もあり、年3回、年中行事が行われます。
奥の宮には「御神砂」が置かれています。この砂は自由にいただくことができ、持ち帰って撒くと、商売繁盛、家内安全、心願成就のご利益があるのだそうです。
ブックカフェ羽月・はねだぷりん
穴守稲荷駅のそばににぎやかな商店街があります。中華料理屋、天ぷら屋、うなぎ屋、喫茶店、居酒屋など、地元の人たちに愛されていそうな小さなお店がたくさん並んでいます。
その商店街の一角、穴守稲荷駅の目の前にあるのが、ブックカフェ羽月・はねだぷりん。散歩の合間に一息入れたいとき、ふらりと入りやすい雰囲気です。
新刊本、古本の販売棚があるほか、20席ほどのカフェ店内には、落ち着いた色合いのテーブルと、壁いっぱいの蔵書が。本好きならワクワクしてしまう空間です。書籍、雑誌、マンガ、絵本など、多彩な本が揃えられています。こちらの棚の本は、食事やスイーツを楽しみながらどれでも手に取って読むことができます。
パスタやハンバーグなどの食事メニューも充実していますが、おすすめは店名にもなっているプリン。
筆者が訪れたときには6種類の「はねだぷりん」がありました。「チョコレート」や「抹茶」など、どれにしようか迷ってしまいます。プレーンの味は2種類あり、「大空」はスタンダードなカスタードプリン、「大地」はより濃厚なコクのあるプリンとなっています。優しい卵と生クリームの風味が、いれたてのコーヒー、紅茶とよく合います。
プリンは持ち帰りもできます。店外にも席があるので、晴れた日には外でお茶するのも気持ちがよさそうです。
- ブックカフェ羽月・はねだぷりん
- 羽田・蒲田・大森 / カフェ・喫茶店
- 住所:東京都大田区羽田4-5-1地図で見る
- 電話:03-3741-1817
食通ゆたか
穴守稲荷駅と大鳥居駅の中間にある天ぷら・魚介料理さんです。地域で愛されている名店らしく、ランチタイムに開店してすぐにやってくる地元のお客さんの姿も。店内にはカウンター4席のほか、テーブル席や座敷もあり、昼食にひとりでふらっと立ち寄るもよし、数人での落ち着いた夜の食事の席にもよし、の雰囲気です。
メニューは各種天ぷら、うな重、天重、キジ重、エビフライや天ぷらの定食など。ランチタイム限定のお手頃な「ランチ穴子天重」は、江戸前の穴子天がのったお重に漬物、赤だしが付いて1,030円です。
穴子天重のたれは控えめの味、穴子の身はあっさりしていますが、ほくほく優しい食感です。これと対照的に、天ぷらの衣はバリバリ、ザクザクと、香ばしくしっかりと揚がっています。
メディアでも数多く取り上げられたお店のようで、店内にはずらりと有名人のサイン色紙が並んでいます。羽田周辺に来たら、わざわざ食べに足を運ぶファンも多そうです。
ゲストハウス 扇子
羽田空港至近のこのエリアには、ビジネスホテルのほか、他の宿泊客との交流やオープンな雰囲気が楽しめるゲストハウスもあります。都心まで出なくても、宿泊料金も手ごろで、あたたかいベッドで休むことができるので、羽田周辺で1晩過ごす必要がある場合にはとってもおすすめ!
そのうちの1つ、「ゲストハウス 扇子」は、穴守稲荷駅から徒歩15分(最寄り駅である、隣の大鳥居駅からは5分)ほどで、商店が立ち並ぶ小さな通りに面したゲストハウス。2016年11月にオープンしました。
DIY感のある清潔な館内には、くつろげる共用リビングやキッチン、畳敷きの茶室まであります。シャンプー・リンスのほか、洗面台に化粧水が置かれているのが女性に嬉しいポイントです。スタッフの方々もフレンドリーなので、安心して旅の疲れを癒し、次の旅に備えることができます。
ゲストハウスにはワークショップなどのイベントを開催しているところもあるので、お散歩がてら遊びに行くのもよいかもしれません。
- ゲストハウス 扇子
- 羽田・蒲田・大森 / ゲストハウス
- 住所:東京都大田区東糀谷 3-1-6 2F地図で見る
- 電話:03-6423-7532
- Web:https://www.facebook.com/guesthouse.sensu/