「秋篠寺(あきしのでら)」は奈良県奈良市秋篠町にあるお寺です。西大寺の北に位置し、比較的観光の主要スポットから離れてはいますが、路線バスが通っており駅からも徒歩圏内にあるため、一定数の参拝客を集めています。
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秋篠寺の基礎知識
「秋篠寺」は奈良県奈良市秋篠町にある寺院です。奈良時代最後の官寺であり、資料が少く謎が多いお寺です。本尊は「薬師如来」で、その他にも「伎芸天立像(ぎげいてんりつぞう)」や「帝釈天立像(たいしゃくてんりつぞう)」など様々な重要文化財が安置されています。
官寺とは?
官寺とは朝廷によって管理が行われていたお寺のことで、奈良時代の代表的な官寺としては「薬師寺」や「興福寺」などが挙げられます。
伎芸天とは?
伎芸天(ぎげいてん)とは、仏教においてシヴァ神の髪の生え際から誕生した天女で、技芸や円満の神様と言われています。この伎芸天への信仰は日本であまり広まらなかったということもあり、現存している仏像はなんと秋篠寺の本堂に安置されている一体だけとなっています。
しかしこの唯一の伎芸天像、実は頭部のみが天平の頃に作られたもので胴体部分は後の時代に修復されたものです。日本に一体だけという点と修復されているという点が重なり、伎芸天像の実態や成り立ちを疑問視する声も上がっています。
秋篠寺の見どころ
本堂
本尊「薬師如来」、先程紹介した「伎芸天」をはじめ数々の仏像を安置しているお堂です。お堂自体は鎌倉時代に再建されたものでありがなら奈良時代の建築を踏襲しており、当時の文化を身近に感じることが出来ます。
開山堂・大元堂
「開山堂(かいざんどう)」には秋篠寺を開いた僧、善珠(ぜんじゅ)の坐像が祀られています。「大元堂(だいげんどう)」には秘仏「大元帥明王像(だいげんすいみょうおう)」が安置されています。
苔むした庭園
以前金堂や東西塔があった場所は、現在苔の庭となっています。復元されていないのは少し残念ではありますが、苔によって寺院のしっとりとした雰囲気が醸し出されていますので、参拝される方はぜひこちらにも注目してみてください。
季節の花々
時期になると白木蓮やつつじ、白藤などが境内を彩ります。お堂や参道が比較的質素で落ち着いた雰囲気ですので、より一層花の彩色が引き立ちます。どの花も春~初夏にかけてが見頃ですのでその時期に参拝される方は要チェックです!
もみじ
秋篠寺は実は隠れた紅葉の名所。夏頃には青々としたモミジ、秋には綺麗に紅く染まったモミジを見ることが出来ます。こちらも庭の苔や静かな境内と相性が良く、季節の到来に浸ることが出来ます。
周辺の見どころ:八所御霊神社
「八所御霊神社(はっしょごりょうじんじゃ)」は秋篠寺の鎮守社として、秋篠寺の南西に鎮座しています。秋篠寺と同様に資料が少ないため、確実な歴史などは不明ですが住宅地の中に静かに佇んでおり雰囲気も良いので、時間に余裕のある方は参拝に訪れてみてください。
秋篠寺拝観案内
- 料金 大人・高校生 / 500円 中学生以下 / 無料
- 拝観時間 9:30~16:30
秋篠寺までのアクセス案内
- 近鉄「大和西大寺駅」から 奈良交通「秋篠寺」まで 約6分
- 近鉄「大和西大寺駅」から 徒歩18分
- 近鉄「平城駅」から 徒歩13分
まとめ
秋篠寺はいかがでしたか?季節によって様々な楽しみ方が出来るお寺で、比較的アクセスも良好です。奈良を訪れた際は日本唯一の伎芸天立像を観に、そして季節の花や紅葉を観に、ぜひ訪れてみてください!