奈良県にある長谷寺は、静かな山あいにある、観光客に人気のお寺です。牡丹やアジサイなど、四季の花や紅葉が楽しめるほか、門前町には土産物店や飲食店もあり、散策もできるんですよ。ぜひお出かけしてみてください。
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奈良・長谷寺とは
長谷寺は、奈良県桜井市にある、真言宗豊山派の寺院です。朱鳥元年(686年)、僧の道明が、西の丘に天武天皇の銅板法華説相図を安置し、その後神亀四年(727年)に、徳道が聖武天皇の命令により、十一面観音を作られたことが始まりとされています。
初瀬山の中腹にある境内には、総門の仁王門、登廊、舞台のある本堂、五重塔などがあり、見どころも多いです。牡丹やあじさい、桜などの季節の花が鑑賞できるため「花の御寺」と呼ばれており、一年を通して多くの参拝客を集めています。
門前町を散策しながら長谷寺を目指そう
近鉄長谷寺駅や民間の駐車場から、長谷寺まで歩いてみましょう。古くから門前町が発達した参道には、旅館や飲食店、土産物店などが軒を連ねており、散策にも適しています。名物グルメもありますよ。
法起院(ほうきいん)
法起院は、長谷寺の門前町にある寺院で、天平7年(726年)に、徳道上人が創立したものと伝えられています。お寺の名前は、晩年をこの地で過ごした上人が、最後は当院にある松の木に登り、法起菩薩と化し、この世を去ったという言い伝えから付いたとされています。
こぢんまりとしたお寺ですが、本堂には、上人自身が造ったとされる徳道上人像が、その横には、上人が松の木に登るときの「上人沓脱ぎ石(くつぬぎいし)」と呼ばれるものもあります。散策の際に立ち寄り、長谷寺を創建した徳道上人の姿を想像してみてはいかがでしょうか。
- 法起院
- 奈良 / 寺
- 住所:奈良県桜井市初瀬776地図で見る
- 電話:0744-47-8032
- Web:http://www.houkiin.or.jp/
長谷寺名物 草もち
草もちは、長谷寺門前の名物です。つきたて、焼きたてを売る店もあり、買ってすぐ食べられます。価格はお店によって異なりますが、だいたい90円~120円ぐらいです。
少し小ぶりなお餅は、濃い緑色をしており、よもぎの風味が感じられます。よく売られている「よもぎ餅」よりもしっかりとした風味で、甘い餡との相性も抜群です。素朴な風味を味わってみてください。
奈良名物 にゅうめん
温かいそうめん「にゅうめん」も味わってみませんか?にゅうめんは、奈良県で昔から食べられている郷土料理で、薄味のだしにそうめん、しいたけやかまぼこなどの具が入った料理です。
筆者は、吉野館という旅館に併設の食事処で、にゅうめん(700円)をいただきました。こちらのものは、人参、卵、山菜、長芋、かまぼこなどが入っており、具沢山なのが特徴です。薄味のだしで、最後までおいしくいただけます。
単品では物足りないという方には、奈良の名物「柿の葉寿司」が付いた「柿の葉寿司セット」、季節のご飯が付いた「にゅうめんセット」(各1,000円)もありますよ。
- 吉野館
- 奈良
- 料金(目安):-円〜15,741円
- 宿泊時間:15:00〜10:00
- 住所:奈良県桜井市初瀬763地図で見る
- Web:http://www.yoshinokan.jp/
長谷寺の境内を歩こう
それでは長谷寺の境内を歩いてみましょう。長い登廊や舞台のある本堂、美しい姿の五重塔もありますよ。拝観料は大人500円、小学生250円です。
登廊(のぼりろう)
総門「仁王門」をくぐると、屋根のある長い階段が見えています。登廊と呼ばれるこの階段は、春日大社の社司、中臣清信が、子の病気平癒の御礼に造ったものです。
登廊は、上中下の三段に分かれており、中、下廊は明治時代に再建されました。長谷型と呼ばれる楕円形の灯籠が吊るされた登廊は、雰囲気がとても良いですよ。
本堂
本堂は、初瀬山中腹の断崖絶壁に建てられた、舞台造りの建造物です。入母屋造本瓦葺きの堂々とした建物は、国宝にも指定されています。こちらには御本尊の十一面観音像が祀られています。
本堂の中へは関係者以外入れませんが、春と秋の特別拝観の時期には、一般の参拝者も中に入り、観音様に直接触れてお参りできます。通常の拝観料に加え、1,000円必要ですが、特別な体験をぜひしてみてください。
※平成30年秋季の特別拝観は、10月13日(土)~12月2日(日) まで
本堂にある舞台へも出てみましょう。こちらからは、長谷寺の境内や門前町、初瀬の山々が眺められます。新緑や紅葉など、季節によって変わる景色を楽しんでください。
五重塔
五重塔は、昭和29年に建てられました。鮮やかな朱色の塔身、金色の相輪、檜皮葺の屋根が、山中の景色に調和しており、昭和の名塔と呼ばれています。近くからじっくり眺めるのも良いのですが、本堂の舞台から眺めると、山の景色に溶け込んでおり、また違った趣があります。
花の御寺「長谷寺」で、牡丹や紅葉を鑑賞しよう
長谷寺は、境内で四季折々の花が鑑賞できるため、花の御寺と呼ばれています。春の桜から始まり、しゃくなげ、牡丹、あじさいと続きます。
特に牡丹は有名で、4月中旬から5月上旬頃、約170種、7,000株もの鮮やかな花が、登廊周辺などに咲き誇ります。冬の時期にも、寒牡丹として花が咲きますよ。
紅葉の名所としても知られています。例年10月下旬頃から色付き始め、12月上旬まで楽しめます。モミジやイチョウ、ドウダンツツジが赤や黄に染まり、境内を鮮やかに彩ります。
おわりに
奈良の長谷寺はいかがでしたか?門前町には、ご紹介したお店以外にも、休憩に適したカフェなどがあります。ぜひ駐車場や駅から歩いて散策してみてくださいね。
- 長谷寺
- 奈良 / 寺 / 縁結びスポット / あじさい名所
- 住所:奈良県桜井市初瀬731-1地図で見る
- 電話:0744-47-7001
- Web:http://www.hasedera.or.jp/