「奈良の大仏さま」で親しまれている東大寺の大仏、その大きさは高さ15m、横12mあり日本最大!そして、その大仏さまを安置している大仏殿はさらに大きく大迫力。とにかく奈良の大仏さまは、どこをとってもビッグスケールなのです!かわいい鹿と一緒に、奈良の大仏さまに会いに行きましょう!
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東大寺の歴史
疫病や災害を鎮めるために
東大寺の正式名称は、「金光明四天王護国之寺(きんこうみょうしてんのうごこくのてら)」と言い、奈良時代に聖武天皇が疫病や災害を鎮めるために建てられました。仏教の根本経典といわれる『華厳経(けごんきょう)』の教えを中心に、人々が思いやりの心で繋がるようにと願いを込めて建てられたものです。
幾度となく修復を繰り返した
平安時代や戦国時代には何度も戦乱に巻き込まれ、被災しました。平安時代の大地震では大仏さまの頭が落下したり、暴風雨で倒壊し100年ほど雨ざらしになった事も・・・。そのたびに多くの人々の寄進を受けて修復されてきた東大寺、当時の人々が大仏様にかけた願いや祈りはそれだけ切実であり、そして何より、人々に愛されていたのだと思います。
現在の大仏殿は1709年に再建されたもので、明治時代の大修理では大屋根を支えるため鉄骨が組み込まれたそうです。
一生に一度は会っておきたい奈良の大仏さま
大仏さまのプロフィール
- 本名:廬舎那仏座像(るしゃなぶつざぞう)
- 通称:奈良の大仏さま
- 生年月日:天平勝宝4年(752年)4月開眼
- 身長:14.98m(座高)
- ヘアスタイル:螺髪(らほつ)渦巻いた髪で知恵の象徴
- 目の横幅:1m
- 素材:金剛造
国中を巻き込んだ一大プロジェクト
745年に製作が始まり、752年に完成した大仏さま。約6年の間に延べ260万人の方が製作に携わりました。なんとこの人数は当時の日本人の約4割にあたるそう!どこをとってもスケールが大きいですね!
どうしてこんなに大きく造ったのか?
聖武天皇が在位中、国家鎮護のための国分寺を全国各地に造らせました。その60以上ある国分寺の中心となる本尊として、東大寺の大仏が造られました。
『華厳経(けごんきょう)』の中では、お釈迦様の身長を10倍することによって、無限大の宇宙を表現すると説かれています。その教えに則って造られた東大寺の大仏さまは、壮大な宇宙そのものを表しているのです。だから、こんなに大きいんですね!
大仏さまのボディの秘密
完成した当時、頭部は群青色、体は金色に塗られていたそう。損傷しては修復が繰り返されてきましたが、再び金色に塗られることはなかったそうです。大仏さまの本名にある「廬舎那(るしゃな)」とは、光輝くという意味だそうですよ。
眉間にあるのは白毫(びゃくごう)と呼ばれるもので、産毛の一種。この白毫は、世界の隅々に慈悲の光を届けるためのものだそうです。頭部は江戸時代に造られたもので、体より艶やかな所も見逃せないポイントです。
上げた右手は施無畏印(せむいいん)と言って、相手に畏(おそ)れる事はないと伝える印相。膝の上にある左手は与願印(よがんいん)と言って、願いを叶えてくれる印相をとっています。
大仏さまは無表情なのですが、なぜか優しく世界を見ていて下さる感じがしますね。
大迫力の大仏殿
大きな大きな大仏さまを安置するこの大仏殿もまた、大迫力の大きさに圧倒されます。現存する木造建築では世界最大級!創建当時はこれよりもさらに大きく、現在は創建当時の正面幅が約3分の2のサイズになってしまったそうです。いったい奈良時代の技術はどれだけ優れていたのでしょうね!
鍛え抜かれた肉体美!金剛力士立像(こんごうりきしりゅうぞう)
その他、東大寺で会える有名な金剛力士立像を紹介します。
参道にそびえる高さ25mもある大きな南大門。ここに金剛力士立像が安置されています。
口が開いているのが阿形像(あぎょうぞう)、閉じているのが吽形像(うんぎょうぞう)。高さは約8.4mもある大作で、仏師集団によって、わずか69日で造られたそうです。
この肉体美!バキバキと言う言葉がぴったりなのではないでしょうか。ぜひ、こちらの金剛力士立像も合わせて見学して下さいね。
おわりに
奈良の大仏さまはいかがでしたでしょうか。筆者は大きいと想像はしていましたが、大仏殿を目の前にした時には、そのスケールの大きさに圧倒されてしまいました。
大仏さまは大きくどっしりとした中にも、繊細さと世界を見守るような優しい雰囲気があり、遥か遠い昔から愛されていた理由が分かります。ぜひ、一生に一度は会っていただきたい仏像です。
そして、紹介した、大仏さま・大仏殿・南大門・金剛力士立像は全て国宝ですよ!
大仏殿・法華堂・戒壇堂、東大寺ミュージアム、それぞれ大人600円
大仏殿・東大寺ミュージアム共通券 大人1,000円
- 東大寺
- 奈良 / 寺 / 世界遺産
- 住所:奈良県奈良市雑司町406-1地図で見る
- 電話:0742-22-5511
- Web:http://www.todaiji.or.jp/