奈良県桜井市の笠地区は、周囲を山々に囲まれた高原地帯です。県内でも珍しい大きなソバ畑があり、このそば粉を使った美味しいお蕎麦を味わうこともできます。日本三大荒神の一つ「笠山荒神社」もある笠地区を訪れてみませんか?
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桜井市笠地区とは
笠地区は、奈良県桜井市の東部山間にある集落です。標高500メートル程度の高原地帯にあり、冷涼な気候を生かして野菜などを栽培する農家が点在しています。蕎麦の栽培もさかんで、奈良県内では珍しい大きな蕎麦畑も広がっています。地区で栽培したそば粉を使った蕎麦が味わえるお店もあり、近年人気が高まってきているエリアです。
笠そば処で美味しい蕎麦を味わおう
笠地区にある蕎麦屋「笠そば処」では、地元産のそば粉を使った美味しい蕎麦がいただけます。価格もお手頃で観光客にも人気の高い蕎麦を味わってみましょう。
座敷・テラス席もある広い店内
店内には、テーブル席や座敷のほか、テラス席もあります。テラス席は、風通しが良く気持ち良く過ごせますし、屋根があるため、強い日差しや雨も遮ってくれます。席数は多いですが、休日のお昼には多くの人が訪れるので、案内された席に座ることになります。
冷たい荒神そばなどメニューも豊富
メニューは、冷たい蕎麦、温かい蕎麦、サイドメニューまで豊富に揃っています。どのお蕎麦も「並」と「大」の二つの量が選べるので、たくさん食べたいという方は大を選ぶと良いでしょう。
筆者は冷たいお蕎麦の「荒神そば」(並630円/大1,020円)を注文してみました。大根おろし、ネギ、甘く味付けされたシイタケが盛り付けられたお蕎麦に、つゆをかけていただきます。
蕎麦はコシが適度にあり、のど越しが良いです。大根おろし、わさびの辛さが食欲をそそり、つるつると食べられます。シンプルなお蕎麦ですが、甘めのツユや味付けのシイタケとの相性も良く、美味しくいただけます。
お蕎麦だけでは少ないかなという方には、かやくご飯(400円)、ゆで卵(60円)、野菜のかきあげ天(150円、土・日・祝祭日のみ販売)などが用意されています。そば団子入りぜんざい(400円、11月頃~4月頃まで販売)やソフトアイス(280円)といった甘味もあるので、一緒に味わってみてはいかがでしょうか。
直売所で野菜や蕎麦のお買い物も
笠そば処には、農産物直売所も設けられています。あまり広くはありませんが、地元で作られた野菜や米、加工品などが並んでいるので、ぜひ見てみてください。そば(乾麺)も販売されているので、お土産として買って帰るのも良いでしょう。
- 笠そば処
- 奈良 / そば / ランチ
- 住所:奈良県桜井市大字笠4408地図で見る
- 電話:0744-48-8410
- Web:https://www.kasasoba.com/
笠山荒神社に参拝しよう
笠そば処のすぐそばに、古くから地域で信仰されている神社があるので参拝してみましょう。笠山荒神社(かさやまこうじんじゃ)は、笠山山頂付近にある神社で、奥津彦、奥津姫、士祖神の三つの神様をお祀りしています。
荒神とは、三宝(仏、法、僧)の守護神とされており、笠山荒神社は、兵庫県宝塚市の清荒神(きよしこうじん)、奈良県野迫川村の立里荒神(たてりこうじん)とともに、日本三大荒神のひとつに数えられています。家内安全、商売繁盛、健康、出産、厄除けの守護神として広く信仰されているため、普段からも参拝者が訪れているようです。
笠そば処から北参道を歩いて本殿へ
笠そば処の駐車場から少し歩くと、鳥居と参道が見えてきます。こちらは、表参道ではないのですが、本殿まで近いため、多くの人が利用しています。なだらかな坂道には、石灯篭がずらりと立ち並んでおり、神聖な空気が漂っています。
こちらの階段を登れば、拝殿、本殿、社務所などの建物が建っています。こじんまりとした境内ですが、毎年1月・4月・9月の28日には大祭が行われ、多くの見物客が訪れます。
表参道を歩いて閼伽井不動尊へも
社殿の前から奥へと伸びている表参道を下っていくと、平安時代の僧「空海」が修行したと伝わる閼伽井(あかい)の池があります。こちらには、不動明王が祀られる閼伽井不動尊があり、閼伽井の池とともに霊場として信仰されています。石灯篭に灯りがともる表参道の雰囲気も良いので、お時間のある方は立ち寄ってみてください。
- 笠山荒神社
- 奈良 / 神社
- 住所:奈良県桜井市大字笠2415地図で見る
- 電話:0744-48-8312
- Web:https://sakurai-kankou.jimdo.com/%E5%90%8D%E6%89%8...
白い花が咲くそば畑も!のどかな風景を楽しもう
笠山荒神社にお参りしたら、笠地区ののどかな風景も楽しんでみてください。笠そば処の駐車場や周辺からは、高原に開けた農村風景を眺めることができます。周辺には幹線道路や大きな街もないため、小鳥のさえずり、カエルや虫の鳴き声も良く聞こえます。
また、この辺りには、面積約15ヘクタールの広いソバ畑があり、毎年9月中旬ごろから白く可憐な花を咲かせます。この美しい花を鑑賞しようと訪れる人も増えているそうです。そば畑の付近に駐車場はありませんが、笠そば処の駐車場を利用することができるので、こちらから歩いてみても良いでしょう。
笠そば処・笠山荒神社へのアクセス
大阪・三重県方面より
天理市の名阪国道「福住インター」より旧国道25号線を南下。任興口バス停付近で左折して農道に入り、案内看板に従い「笠そば処」へ。福住インターより約8km。
または、天理市内より旧国道25号線を天理ダム方面へ上り、任興口バス停付近で右折して農道へ、案内看板に従い「笠そば処」へ。
※天理ダム付近から南下する奈良県道247号笠天理線は、道幅が狭い箇所がありますので、ご注意ください。
橿原市・桜井市より
桜井市の国道169号線「巻野内」交差点を東へ入り、奈良県道50号大和高田桜井線を約6km進み、「笠そば処」の案内看板に従い左折、約1kmで笠そば処へ。
※奈良県道50号は、やや道幅が狭く、見通しの悪いカーブも多いです。山道の運転に慣れていない方には、天理市から農道を南下するルートがおすすめです。
この記事を書いたトラベルライターから一言
近年人気が高まっているという笠地区を訪れてみました。お昼前に着いたのですが、駐車場は満車に近く、多くの人が食事や散策を楽しんでいました。一日遊べるようなスポットはないのですが、地元産のそばを味わったり、古くから信仰されている神社を参拝したりすると、リフレッシュすることができました。みなさんもドライブ途中に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。(ゆきたか)