サンフランシスコのオフィス街に公共交通機関用のターミナルが完成!2018年8月12日に「セールスフォース・トランジットセンター」としてオープンしました。近未来的なロビーや、誰でも散策できる空中庭園など見どころが満載。バスや列車を利用しなくても訪れたい新名所の誕生です。
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楽しみ方は自由 オフィス街のオアシスに
セールスフォース・トランジットセンター(Salesforce Transit Center)は長さ440メートル、幅50メートル。SOMA(サウス・オブ・マーケット)地区のビルの谷間を縫うように建設されました。幾何学的な模様のパネルを組み合わせた外観は流動的でまるで生き物のよう。
吹き抜けの1階ロビーはとても明るく、「近未来」という言葉がぴったりな空間が広がっています。エスカレーターに乗って天井を見上げると、頭上の公園を歩く人々のシルエットが。こんなところにも遊び心が感じられます。
誰でも散策できる空中庭園
屋上の空中庭園は両脇にさまざまな植物が植えられ、ぐるりと一周できるよう遊歩道が設けられています。下の階でバスが発進するとセンサーが反応して噴水が稼動するという、面白い仕掛けもあります。
また同じく屋上の公園には、ドリンクやスナックを販売するスタンドがいくつかあるので、たくさんあるカラフルな椅子に座って、または芝生に寝転んでのんびりするのも贅沢な時間の使い方です。
ミニコンサートやヨガ教室、子ども向けのアクティビティーなどがほぼ毎日のようにスケジュールされているのも魅力的。詳細は公式サイトのイベントカレンダーを参考にしてください。
空中庭園は周りのビルからも直接アクセスできる構造になっていて、午後になると青空の下でランチや休憩を取る人々が目立ちます。遊歩道からオフィスの中が見えるのも楽しく、オフィス街のオアシス的存在としてこれから重宝されそうです。
着工から8年 市民の期待を集めるプロジェクトに
老朽化が目立つ旧ターミナルの取り壊し、および新ターミナルの建設が住民投票で認可されたのは1999年。その後、環境影響調査や新ターミナルのデザイン選定などを経て、2010年8月に「トランスベイ・トランジットセンター」の建設工事が始まりました。
併設のタワーは61階建てで、まだ工事中の2017年4月にミシシッピー川より西で一番高い建造物として認定され、市民の関心も急上昇。同年7月には企業向けの顧客管理サポート大手のセールスフォース社と命名権契約を結び「セールスフォース・トランジットセンター」として開業する運びになりました。
トランジットセンターの正式オープンに先駆けた一般公開のイベントには予想を遥かに超える見物客が殺到し、入場を規制するほどの騒ぎに。屋上の公園に上がるエレベーターやエスカレーターは軽く1〜2時間待ちでしたが、それでも並ぶ人が後を絶たない盛況ぶりでした。
将来は地下に駅を建設 高速鉄道乗り入れも?
トランジットセンターは2018年8月現在、主にバスターミナルとして機能しています。サンフランシスコ市営バス(MUNI)は1階から発着。MUNI路線で唯一ベイブリッジを渡る25番バスのほか、イーストベイのアラメダ郡、コントラコスタ郡を走るACトランジット、アムトラックの連絡バス、長距離バスのグレイハウンドなどは3階にターミナルがあります。
将来的には地下に鉄道用の駅が建設され、現在は2.5キロほど離れた駅からサウスベイに発着しているカルトレインもここから利用が可能になる予定。サンフランシスコとロサンゼルスを結ぶカリフォルニア高速鉄道も、計画が実現すればこの駅に乗り入れることになります。
着工から8年、総工費2,450億円を費やしオープンに漕ぎ着けたトランジットセンターですが、オープン後も工事は続いています。今後はレストランやカフェ、小売店、スポーツジムなどが順次オープンする予定。1階部分の壁を彩るアートプロジェクトも進んでいて、市を挙げての壮大なプロジェクトはまだまだ終わる気配はありません。
- セールスフォース・トランジットセンター
- サンフランシスコ / その他スポット
- 住所:425 Mission St. San Francisco, CA 94105地図で見る
- Web:https://salesforcetransitcenter.com/