下田・南伊豆
下田・南伊豆観光
黒船来航で知られる開国地、そして美しい白砂のビーチ

伊豆下田・開国の歴史に思いを馳せる名所巡り

取材・写真・文:

東京在住
訪問エリア:43都道府県

2020年3月11日更新

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ロシアとの条約締結は「長楽寺」

  • 写真:熊猫日露和親条約が締結された長楽寺。

米国に対する開港ばかりがクローズアップされる下田ですが、実はロシアとの和親条約も締結したことはあまり知られていません。米国と下田条約を結んだ翌年の1855年2月7日、下田の長楽寺で日露和親条約が結ばれました。

米国やロシアなどの大国がこぞって日本を訪れた当時、激動の世界で下田がその中心を担っていたことが分かります。なお、長楽寺ではその後、日米和親条約の批書交換も行われています。ちなみに境内には、この後紹介する下田開港に翻弄された「唐人(とうじん)お吉」のお吉観音も祀られています。長楽寺は了仙寺から徒歩5分程度の距離です。

長楽寺
下田・南伊豆 / 寺
住所:静岡県下田市3-13-19地図で見る
電話:0558-22-0731

開国に翻弄された「唐人お吉」

唐人お吉こと、斎藤きちは下田生まれの芸妓でした。1857年、米国駐日領事のタウンゼント・ハリスの要望により、看護人として下田奉行所から派遣されました。奉行所からたくさんの支度金と給金が支払われたこと、また外国人の妾(めかけ)になったと曲解されたことで、「唐人」と揶揄され偏見を受けたといわれています。

結局、ハリスの看護人としての役目は僅か3日で解雇となり、各地を転々。その後紆余曲折を経て下田に戻ってきたといわれています。晩年は下田市内で小料理屋を営むなどしましたが、体調を崩した後、夭逝(ようせつ)。享年48歳の短い人生を閉じました。

お吉が経営した「安直楼」

  • お吉が晩年に経営した小料理屋「安直楼」跡。

「安直楼(あんちょくろう)」は、晩年のお吉が開いた小料理屋です。その店舗跡が当時のたたずまいを残して、今もペリーロードからほど近い場所に建っています。なまこ壁が映える美しい建物は、明治期のもの。2階には当時の客間やお吉の遺品などが展示されています。

安直楼
下田・南伊豆 / 建造物 / 歴史的建造物
住所:静岡県下田市3-5-21地図で見る
電話:0558-22-0048

お吉終焉の地「お吉が淵」

下田市街から北へ約5km。稲生沢川沿いに、お吉が落命した「お吉が淵」と呼ばれる場所があります。史実によるとお吉は自死したとされていますが、誰もその様子を見たものはなく、自死か事故死かは今も判然としません。

昭和8年、この地を訪れた新渡戸稲造(にとべいなぞう)氏がお吉の供養のために地蔵を建立、今もこのお吉地蔵がお吉の霊を慰めています。伊豆急行下田より一つ目の蓮台寺駅で下車、徒歩数分というアクセスです。

お吉が淵
下田・南伊豆 / その他スポット
住所:静岡県下田市河内地図で見る

お吉が眠る「宝福寺」

  • 写真:熊猫宝福寺内にあるお吉の墓。歌舞伎役者の市川松蔦、女優水谷八重子によって改装され、現在の墓所となりました。

伝承によると、亡くなったお吉はその後引き取り手もなく3日間ほど、川岸に放置されたままだったといわれています。そのお吉の亡骸を引き取り手厚く葬ったのが、宝福寺第15代住職・竹岡大乗氏。

お吉の墓には、今も訪れる人が絶えないようです。なお、宝福寺には「唐人お吉記念館」が併設されており、お吉が生前使用した品などが展示されています。

宝福寺で必見の「謁見の間」!その時歴史が動いた

  • 写真:熊猫勝海舟が山内容堂に謁見した部屋が当時のまま残されています。

ペリーが下田に来航する前の年の1863年(文久3年)1月、土佐藩15代藩主・山内容堂は下田市の宝福寺に滞在していました。ちょうどその頃、江戸に向かっていた勝海舟(かつかいしゅう)と坂本龍馬は、時化(しけ)により下田に寄港。それを知った山内が、勝を酒席に誘います。

その席で勝は山内に対し、坂本龍馬脱藩罪の赦免(しゃめん)を願い出ます。この酒席の場が、宝福寺でした。山内は坂本の免罪を約し、その証として勝に「歳酔三百六十回 鯨海酔侯」と記した扇子を贈ったと伝えられています。

歴史を動かしたこのやりとりが交わされた「謁見の間」は今も宝福寺に残されており、唐人お吉記念館と合わせて見学することが可能です。入館料は大人400円、中・高校生200円、小学生以下は無料です。

宝福寺
下田・南伊豆 / 寺
住所:静岡県下田市1-18-26地図で見る
電話:0558-22-0960
Web:http://www.i-younet.ne.jp/~hofukuji/home.html

下田グルメは「地魚回転寿司 魚どんや」で決まり!

  • 写真:熊猫聞いたことのないネタがたくさん!

南伊豆下田のグルメといえば海の幸。その地魚を取り扱っている回転寿司「魚どん屋」は、絶対抑えておきたいお店です。下田名物の金目鯛をはじめ、ホウボウ、アカサバ、ヘダイなど珍しいネタがいっぱい。地魚のつみれ汁といったメニューにも心が躍ります。場所は、「道の駅 開国下田みなと」の2階にあり、ロケーションも抜群です。

  • 写真:熊猫下田の地魚がいただける回転寿司「魚どんや」。
地魚回転寿司 魚どんや
下田・南伊豆 / 寿司 / ご当地グルメ・名物料理 / ランチ / マグロ
住所:静岡県下田市外ケ岡1-1地図で見る
電話:0558-25-5151
Web:http://www.kaikokushimodaminato.co.jp/restarants/r...

下田湾を一望する「黒船ホテル」

合計7隻が来航したという米国艦隊。幕末の下田湾を、その艦影で埋め尽くしたのではないでしょうか。そんな下田湾を見下ろすことができる「黒船ホテル」の大浴場は、まさに絶景です。かつての下田湾に思いを馳せながら入浴するのは、なんと贅沢なこと。

加えて、お肌がつるつるになる露店風呂の天然温泉もあり、そこからも下田湾全体を望むことができますよ。こちらは日帰り温泉の利用も可能で、入浴料は大人1,300円、3才〜小学生は650円です。

全室オーシャンビュー!

  • 写真:熊猫可愛いアメニティがいっぱい。

日帰り温泉だけの利用でも充分に疲れは癒せますが、宿泊するのとまた楽しさ倍増です。露店風呂がついた豪華なお部屋からファミリータイプのお部屋まで、用途に合わせたお部屋をチョイスすることができます。

ファミリータイプのお部屋には壁にアートな装飾が施されていたり、大浴場に行くための可愛いアメニティグッズが用意されているなど、素敵な工夫がいっぱいです。ビーズクッションに座り、夜の下田湾を眺めながらビールを飲む!なんて素敵すぎ!

  • 写真:熊猫部屋からの眺め。全室オーシャンビューです。

朝食バイキングに舌鼓

  • 写真:熊猫下田名物金目鯛の開きなど、朝食バイキングがすばらしい!

「黒船ホテル」のウリは温泉だけではありません。朝食バイキングが最大のクライマックスといっても過言ではありません。和洋折衷、品数豊富。とりわけ下田名物の金目鯛の焼き魚で、とにかくごはんが進みます。何を食べようか、あれこれ迷ってしまうほどの朝食バイキングは他にはありません。

黒船ホテル
下田・南伊豆 / ホテル
4.0 (190件の口コミ)
料金(目安):12,685円〜79,939円
宿泊時間:15:00〜10:00
住所:静岡県下田市柿崎3-8地図で見る
Web:https://www.kurofune-hotel.com/

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この記事を書いたトラベルライター

さすらいびと
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