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開国に翻弄された「唐人お吉」
唐人お吉こと、斎藤きちは下田生まれの芸妓でした。1857年、米国駐日領事のタウンゼント・ハリスの要望により、看護人として下田奉行所から派遣されました。奉行所からたくさんの支度金と給金が支払われたこと、また外国人の妾(めかけ)になったと曲解されたことで、「唐人」と揶揄され偏見を受けたといわれています。
結局、ハリスの看護人としての役目は僅か3日で解雇となり、各地を転々。その後紆余曲折を経て下田に戻ってきたといわれています。晩年は下田市内で小料理屋を営むなどしましたが、体調を崩した後、夭逝(ようせつ)。享年48歳の短い人生を閉じました。
お吉が経営した「安直楼」
「安直楼(あんちょくろう)」は、晩年のお吉が開いた小料理屋です。その店舗跡が当時のたたずまいを残して、今もペリーロードからほど近い場所に建っています。なまこ壁が映える美しい建物は、明治期のもの。2階には当時の客間やお吉の遺品などが展示されています。
お吉終焉の地「お吉が淵」
下田市街から北へ約5km。稲生沢川沿いに、お吉が落命した「お吉が淵」と呼ばれる場所があります。史実によるとお吉は自死したとされていますが、誰もその様子を見たものはなく、自死か事故死かは今も判然としません。
昭和8年、この地を訪れた新渡戸稲造(にとべいなぞう)氏がお吉の供養のために地蔵を建立、今もこのお吉地蔵がお吉の霊を慰めています。伊豆急行下田より一つ目の蓮台寺駅で下車、徒歩数分というアクセスです。
お吉が眠る「宝福寺」
伝承によると、亡くなったお吉はその後引き取り手もなく3日間ほど、川岸に放置されたままだったといわれています。そのお吉の亡骸を引き取り手厚く葬ったのが、宝福寺第15代住職・竹岡大乗氏。
お吉の墓には、今も訪れる人が絶えないようです。なお、宝福寺には「唐人お吉記念館」が併設されており、お吉が生前使用した品などが展示されています。
宝福寺で必見の「謁見の間」!その時歴史が動いた
ペリーが下田に来航する前の年の1863年(文久3年)1月、土佐藩15代藩主・山内容堂は下田市の宝福寺に滞在していました。ちょうどその頃、江戸に向かっていた勝海舟(かつかいしゅう)と坂本龍馬は、時化(しけ)により下田に寄港。それを知った山内が、勝を酒席に誘います。
その席で勝は山内に対し、坂本龍馬脱藩罪の赦免(しゃめん)を願い出ます。この酒席の場が、宝福寺でした。山内は坂本の免罪を約し、その証として勝に「歳酔三百六十回 鯨海酔侯」と記した扇子を贈ったと伝えられています。
歴史を動かしたこのやりとりが交わされた「謁見の間」は今も宝福寺に残されており、唐人お吉記念館と合わせて見学することが可能です。入館料は大人400円、中・高校生200円、小学生以下は無料です。
- 宝福寺
- 下田・南伊豆 / 寺
- 住所:静岡県下田市1-18-26地図で見る
- 電話:0558-22-0960
- Web:http://www.i-younet.ne.jp/~hofukuji/home.html
下田グルメは「地魚回転寿司 魚どんや」で決まり!
南伊豆下田のグルメといえば海の幸。その地魚を取り扱っている回転寿司「魚どん屋」は、絶対抑えておきたいお店です。下田名物の金目鯛をはじめ、ホウボウ、アカサバ、ヘダイなど珍しいネタがいっぱい。地魚のつみれ汁といったメニューにも心が躍ります。場所は、「道の駅 開国下田みなと」の2階にあり、ロケーションも抜群です。
- 地魚回転寿司 魚どんや
- 下田・南伊豆 / 寿司 / ご当地グルメ・名物料理
- 住所:静岡県下田市外ケ岡1-1地図で見る
- 電話:0558-25-5151
- Web:http://www.kaikokushimodaminato.co.jp/restarants/r...
下田湾を一望する「黒船ホテル」
合計7隻が来航したという米国艦隊。幕末の下田湾を、その艦影で埋め尽くしたのではないでしょうか。そんな下田湾を見下ろすことができる「黒船ホテル」の大浴場は、まさに絶景です。かつての下田湾に思いを馳せながら入浴するのは、なんと贅沢なこと。
加えて、お肌がつるつるになる露店風呂の天然温泉もあり、そこからも下田湾全体を望むことができますよ。こちらは日帰り温泉の利用も可能で、入浴料は大人1,300円、3才〜小学生は650円です。
全室オーシャンビュー!
日帰り温泉だけの利用でも充分に疲れは癒せますが、宿泊するのとまた楽しさ倍増です。露店風呂がついた豪華なお部屋からファミリータイプのお部屋まで、用途に合わせたお部屋をチョイスすることができます。
ファミリータイプのお部屋には壁にアートな装飾が施されていたり、大浴場に行くための可愛いアメニティグッズが用意されているなど、素敵な工夫がいっぱいです。ビーズクッションに座り、夜の下田湾を眺めながらビールを飲む!なんて素敵すぎ!
朝食バイキングに舌鼓
「黒船ホテル」のウリは温泉だけではありません。朝食バイキングが最大のクライマックスといっても過言ではありません。和洋折衷、品数豊富。とりわけ下田名物の金目鯛の焼き魚で、とにかくごはんが進みます。何を食べようか、あれこれ迷ってしまうほどの朝食バイキングは他にはありません。
- 黒船ホテル
- 下田・南伊豆 / ホテル
- 料金(目安):12,685円〜79,939円
- 宿泊時間:15:00〜10:00
- 住所:静岡県下田市柿崎3-8地図で見る
- Web:https://www.kurofune-hotel.com/