四国八十八箇所にある、弘法大師ゆかりのお寺をめぐるお遍路。昔は修行僧が中心でしたが、 近年は健康のためや観光の一貫など様々な目的で巡る方が増えています。道中、お遍路仲間や地元の方との出会いがあるのも醍醐味の一つ。お遍路の巡り方に決まりはありませんが、1番から順に巡る「順打ち」と呼ばれる巡り方が一般的です。順打ちの始まりの徳島は、【発心の道場】と呼ばれています。遍路道の全行程は、約1,400km。お遍路の旅に出よう!と心を決め長い旅路の始まりとなる徳島の23箇所のお寺をご紹介します。
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1番 竺和山 霊山寺 (じくわざん りょうぜんじ)
お遍路旅の始まりとなる寺。天平時代に、聖武天皇の勅願により行基菩薩が開きました。
こちらのお寺の納経所では、納経帳や、白装束などお遍路用品一式が販売されています。こちらでお遍路スタイルを整えて、いざ、出発です。
2番 日照山 極楽寺 (にっしょうざん ごくらくじ)
本尊は、弘法大師が刻んだとされる阿弥陀如来。この阿弥陀如来の光が眩しすぎて漁のさまたげになるため、本堂の前に小山を築くと豊漁になったという伝説があります。
3番 亀光山 金泉寺 (きこうざん こんせんじ)
弘法大師が掘ったとされる井戸があり、その井戸をのぞき込み自分が写ると長生きできると言われています。
4番 黒巌山 大日寺 (こくがんざん だいにちじ)
弘法大師が彫った大日如来が本尊。本堂と大師堂をつなぐ回廊には、西国三十三か所の観音が安置されています。
5番 無尽山 地蔵寺 (むじんざん じぞうじ)
本尊は甲冑をつけた地蔵菩薩。源頼朝や義経などの武将からも厚い信仰を集めました。奥の院には、五百羅漢が祀られた羅漢堂があります。
6番 温泉山 安楽寺(おんせんざん あんらくじ)
400年の歴史を持つ宿坊があり、今も宿泊が可能。宿泊者は、温泉につかり旅の疲れを癒すことができます。
7番 光明山 十楽寺 (こうみょうざん じゅうらくじ)
人間が背負う八つの苦悩を解き放ち、十の楽しみを得られるように、と弘法大師に名付けられた寺。眼病に御利益があるという地蔵尊が本堂脇に祀られています。
8番 普明山 熊谷寺 (ふみょうざん くまだにじ)
高さ13メートルの仁王門が特徴的な寺。弘法大師が修行中、熊野権現が現れて「永く衆生を救済せよ」と金色の観音像を授けたと言われています。
9番 正覚山 法輪寺 (しょうかくさん ほうりんじ)
釈迦の入滅を表す涅槃像が本尊。むかし、歩けなかった人が参拝に来た際、参道で歩けるようになったという伝説があり、たくさんの草鞋が奉納されています。寺内には「足腰お願いわらじ」守りが売られているので、お土産にいかがでしょうか。
10番 得度山 切幡寺 (とくどさん きりはたじ)
山腹に本堂があるため、333段の石段を上って行かなければなりません。弘法大師が僧衣を繕うため機織り娘に布を求めると、娘は織りかけの布を差し出しました。その行為に大師は感動し、千手観音を彫り娘を仏門に導くと、娘は千手観音になったと伝わっています。