近年ビーチリゾートが徐々に有名になり、ますます人気高まるベトナム。2015年から施行されている、ベトナム入国法の再入国に設けられるルールをご存知ですか。知らないと、実はこわーい落とし穴があります。あなただってもちろんその怖い落とし穴に引っかかり、入国拒否にあう可能性も!くれぐれもそうならないよう、ビザなしでベトナムへ行く際の注意点を実際にある事例を織り交ぜつつ紹介します。
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注目の観光大国ベトナムとは?
ベトナムといえば何をイメージしますか?壮大な緑の世界ではないでしょうか。実は8つもの世界遺産にも恵まれたベトナムは、文化にも自然にも富んだ観光大国。北はハノイ、南はホーチミンとだけでなく、中部などの地方都市こそ注目されてきました。
徐々に知名度を上げるキッカケとなったのは、ベトナム中部のビーチリゾートとして知られるダナンやニャチャン、南西部のフーコック島ではないでしょうか。
さらには古き良き日本を思わせる世界遺産の町、ホイアンもインスタ映えするフォトジェニック写真が撮れることで人気の観光スポットです。今ノリに乗っているベトナム。これからさらに観光客が増えることが予想されています。
ベトナムへ訪れる外国人も増えたことによって、著しい経済成長を見せ、特にダナンでは建設ラッシュが加速。それに伴って夜景スポットの町としても変化を遂げているんですよ。自然遺産に、綺麗なビーチに、文化遺産。誰もが何度だって行きたくなるような魅力がたくさん詰まっているのがここベトナムです。
ベトナムの入国法基礎編。短期間の旅行へ行くには?
基本的には求められる条件を全て満たせば、ビザなしで15日以内の滞在が可能です。(予告なく法律が変更となる場合もありますので、最新情報の詳細については、都度ベトナム大使館ホームページをご確認ください)それでは順を追って、その条件を見ていきましょう。
そもそもビザって?
細かい条件を説明する前に、まずはビザについて説明しておきましょう。ビザは各国ごとで発給する査証とも呼ばれ、いわゆる入国許可証にあたります。私たち日本人が海外へ行く場合、大半の国ではビザは必要ありません。ですので海外へ行き慣れてない人はあまり馴染みのないものかもしれません。
例えば現地に長期間住んだり、働くことになったり、長期留学する場合はこのビザが必要となります。
ベトナムにビザなし(無査証滞在)で入国できる条件
ビザ免除国の国民である日本国籍のパスポート保有者の場合は、以下の主な4つの条件を満たした際に、最大15日間の滞在が可能です。(ベトナム大使館の公式情報より、一部順番は前後しています。)条件及び注意点について紹介します。
出国日のパスポート有効期限の残存期間が6ヶ月以上であり、1ページ以上の空きページがある
これは出国日換算ですので、必ず旅行出発日ではなく、最後にベトナムを出る日から6ヶ月以上の有効期限があるかの確認が必要です。国によってはこれが3ヶ月や半年間だけの場合もあるので、どの期日からのカウントなのかを把握しておくことが重要です。さらにはパスポートの空きページが1ページ以上必要であることもご留意ください。
往復航空券または、第三国への航空券が必要。
当然ではありますが、どの国も無条件に外国人を受け入れていてはパンク状態になります。ビザを取得する際には一般的には審査というものがあるのもそのためです。ビザなしで入国する場合は、その審査を受けない代わりに、母国に帰るまたは他の国へ移動するという証明のため、往復航空券または第三国へ抜ける航空券を求められます。
「片道で安いチケットを見つけたから」や「ベトナムに入ってからゆっくり行き先を考えたいな」は当然通用しません。不法滞在を防止する意味も含め、各国厳しく取り締まっていることがほとんどですので、ビザなしでベトナムへ渡る場合は必ず出国する航空券を購入しておきましょう。
ベトナム入国禁止対象者リストに属していない
もちろん何も問題がなければ入国が可能です。
前回のベトナム出国日の翌日から起算して31日以上の期間が経過している。(パスポートのベトナム出国税関審査官の出国スタンプに基づく)※ベトナム大使館ホームページ要項より抜粋
ベトナム大使館には第二項として書かれている内容ですが、実はこの一文に大きな落とし穴が隠されているのです。
注意すべき!ビザなし再入国条件・31日ルール
4つ目に紹介した、「前回のベトナム出国日の翌日から起算して31日以上の期間が経過している。(パスポートのベトナム出国税関審査官の出国スタンプに基づく)※ベトナム大使館要項より抜粋」についてじっくり見てみましょう。
再入国の際に前回の入国から31日経ってないとどうなるの?
ベトナムの何らかのビザを所持していない限りは入国不可となります。しかし母国を除く外国からの再入国に関しては、2017年8月現在は、応急処置として入国管理官の判断のもと、一時的な再入国許可となる到着ビザを出してもらえることもあるようです。
ただしこれは一時的な応急処置となる可能性もあり、今後変更となる可能性もあります。確実に到着ビザを出してもらえるという補償もありません。また母国を除く場合はこの到着ビザは適応外となるようですが、これはどういった時でしょう。
こんな時は要注意!31日ルールに引っかかりがちな旅行パターン
ベトナム旅行中にちょっとお隣の国に行ってみたい!
周辺にはタイ、カンボジア、ラオスなど魅力的な国はたくさんあります。しかし入国条件などは全員きちんと把握しているかと思いますが、再入国の条件についてまで把握してる人は少ないかと思います。
再入国するためには、ベトナム出国日の翌日から31日以上経過している必要があるとなれば、一度ベトナムを出てお隣の国に行くと、31日経たないと再入国できないのです。
また来月も休みが取れたからまたベトナムに行きたい!前回は南部だから次は北部!
縦長いベトナムですので、一度の訪問で全てを回るのは大変です。よくあるのが、偶然にも前回の旅行から31日以上経たず、再度ビザなしでベトナムへ渡る時です。ついつい短期間だけなら何とかしてもらえるだろうだなんて安易に考える人もいるでしょうが、この条件を一つでもクリアできない場合は必ずビザが必要です。
また到着ビザの応急処置も母国からの出発は対象外となるため、入国拒否または自力で飛行機での帰国をせざるおえません。もし往復券の日程変更が不可の場合は、残念ながらさらに追加料金を払ってでも日本へ帰国することとなります。
将来的リスクも?ビザをなめると怖い!
国によっては、ベトナムで一度入国拒否のスタンプをもらうと、ほかの国でも事前にビザ取得を求められる場合もあります。各国の入国管理官の判断とはなりますので、断定できるものではないのですが、せっかく自由に世界各国を行き来できるはずの日本のパスポートに、大きな傷を入れることでもあるのです。
大変物価も安い国ですし、LCCが普及した今、思いつきで明日隣の国に行こう!だなんてお思いの方もいるかもしれませんが、国境を行き来することをきちんと理解した上で旅行日程を立てるようにしましょう。