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悪いことをすると石になる?!アメリカ「ブライスキャニオン」

取材・写真・文:

兵庫在住
訪問エリア:18ヶ国

2017年6月5日更新

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写真:まき子

断崖の真下はまるで、大量の“石”となった人たちが、じっとこちらを見て立っているかのよう!その正体は「尖塔群」と言われる「フードゥ」。この衝撃的な光景に驚くだけではなく、谷底までトレイルを降りてみると、フードゥ1つ1つがいかに巨大であるかわかり、人間のちっぽけさを実感します。そんなブライスキャニオンの見応えあるポイントや、誰でも気軽に歩けるトレイルについてご紹介します。

この記事の目次表示

神々が石になった姿?!

早朝のブライスキャニオンに向かう道中、現地ガイドのおじさんはブライスキャニオンの成り立ちとして伝わる、面白い先住民の言い伝えを教えてくれました。

「先住民の間では、最も恐れられているのがコヨーテの神様です。そのコヨーテ神が留守中に、他の神様たちは毎晩宴会をして遊び呆けたそう。コヨーテ神は帰ってきた時のダラけた神々の姿に怒り、罰を与えました。“そのまま永久に石となってしまえ!”と。」

そんな石となった神たちが何百年も佇んでいる姿は、息を飲む光景です!

  • 写真:まき子
  • 写真:まき子
  • 写真:まき子

初めてこの光景を目にした先住民たちは、きっと「石になった人たちがたくさんいる!」と思ったのでしょう。本当に、一体一体が今でも動きだしそうで、なんとも強烈なインパクトを受ける光景です。

石になった神の正体とは?!

  • 写真:まき子

人に見える一体一体は尖塔群と言われる「Hoodoo(フードゥ)」で、自然が作り上げた産物です。

なぜこのエリア一帯だけ、こんなフードゥがたくさんできたのかというと、ここは大昔(4,000〜5,000万年前)は湖だったから

  • 写真:まき子

海の底と違い、湖の底は気候や雨によって変化しやすいんだそう。ブライスキャニオンの断崖に露わになっている地層を見ても、色がピンク、白、オレンジなど様々。

すなわち、地層によって、風や雨ですぐに侵食される部分とそうでない部分があるから、このような凸凹の位置が統一された、不思議なフードゥが出来上がったんだとか。

イメージは湧きますが、今に至るには5,000万年という人間の想像を遥かに越える時間をかけてこの形が作られて来たのかと思うと言葉を失います。

「国立公園」として見所はたくさん!

  • 写真:まき子

ブライスキャニオンはアメリカが誇る国立公園の1つです。

散策できるのは馬蹄形の崖の上、そこからブライスキャニオンを見下ろせるようになっており、いくつか絶景ポイントがあります。

その中でも特にお勧めのスポット2つをご紹介します。

朝イチがオススメの【Bryce Point(ブライスポイント)】

  • 写真:まき子

ブライスポイントからは、キャニオンのほぼ全容を見渡すことができるだけではなく、朝イチの空気が澄んだ時間帯であれば、遥か彼方まで広がる大陸まで見渡すことができます。

  • 写真:まき子

特に、朝日のあたるブライスキャニオンはなんとも言えない素晴らしい光景です。筆者は早朝に向かいましたが、夜の月に照らされる光景もまた素晴らしいそうです。

ブライスポイント
アメリカ / 展望・景観
住所:Bryce Point ユタ州 84776 アメリカ合衆国地図で見る

鳥肌の立つ光景が目の前に!【Inspiration Point(インスピレーション・ポイント)】

  • 写真:まき子

その名の通り、インスピレーションを最大にして面と向かい合いたいのがここ。

フードゥが密集している一帯を眺めることができ、ブライスキャニオンのハイライトともいえるべきポイントです。

海抜2,500mもあるこの一帯が、大昔は湖で覆われていた様子が想像できるでしょうか。

  • 写真:まき子

ちなみに、ここは柵も何もない断崖絶壁。

  • 写真:まき子

足場はしっかり固められていますが、谷底を覗くと吸い込まれそうです。

インスピレーション・ポイント
アメリカ / 展望・景観
住所:Inspiration Point アメリカ合衆国 〒84776 ユタ州地図で見る

谷底から見上げる光景が圧巻のトレイル!【Navajo Loop Trail(ナバホ・ループ・トレイル)】

ブライスキャニオンは上から見下ろすだけではありません。ブライスキャニオンにあるいくつものトレイルのうち、ぜひ歩いていただきたいのが、谷底へと降りる【Navajo Loop Trail(ナバホ・ループ・トレイル)】!

ほとんどのトレイルが途中でつながっているのでどこから降りてもたどり着けると思いますが、短時間で見所もたくさんあるお勧めトレイルです。

  • 写真:まき子

トレイルの入口を上から見ると、「ええ?!こんなところを降りるの?!」と心配になるかもしれませんが、実際はジグザクに道が作られており、緩やかな傾斜なのでご安心を。

フードゥの大きさに言葉を失います!

  • 写真:まき子

トレイルに足を踏み入れると、いかに一体一体のフードゥが巨大であったか身を以て知ることとなります。上から見下ろしていた時は小さく見えたあの光景が、こんなに壮大だったなんて!

「Wall Street ウォール街」を歩こう!

  • 写真:まき子

もちろんNYのあの金融街のことではありません。言葉通り、フードゥの「壁=Wall」がそびえ立つ道です。「こんな細い道に入るの…?」と思って向かっていくと…

  • 写真:まき子

細いどころではありません。なんと広い空間が!

上から見下ろしているだけでは予想だにできなかった光景です。

  • 写真:まき子

さらに進んでいくと、Wall Streetの名物でもある、長い長〜いモミの木が見えてきます。

  • 写真:まき子

こんな岩の間の深い底から、太陽の光を求めて上へ上へと幹を、葉っぱを伸ばし、一生懸命生きているのですね。

  • 写真:まき子

自然界でできた光景だと分かっていつつも、このフードゥたちに囲まれた谷底から空を見上げると、本当に不思議な気持ちになってしまいます。

まるで、何か圧倒的な力に…人間では敵わない力に、見下ろされているような、守られているような、戒められているような。

ナバホ・ループ・トレイル
アメリカ / 自然・景勝地
住所:Navajo Loop Trail, Bryce, UT 84764 アメリカ合衆国地図で見る

入場料は1週間有効

「ブライスキャニオン国立公園」に入るには料金がかかりますが、ゲートで入場料を払えば1週間出入り自由なので、レシートは必ず取っておきましょう。

  • 一般車 $30
  • オートバイ $25
  • 徒歩、自転車 $15

ビジターセンター、ブライスポイント、ロッジなどを結んでいる無料シャトルバスにも、レシートを見せれば乗ることができます♪

最後に・・・

  • 写真:まき子

ブライスキャニオンを訪れる絶好の時間帯は 早朝か夕方

なので、近くのロッジやモーテルで一泊するのがオススメなのですが、もし一晩過ごせるなら、ぜひ夜空を見上げてみてください!

ブライスキャニオンは全米でも 最も空気が澄んだ場所 として知られています。きっと 星が降ってくるかのような満天星の夜空 を見ることができます!

【筆者が泊まったモーテル】
Best Western Plus Ruby's Inn
https://www.rubysinn.com/
ベスト ウエスタン ルビーズ イン
アメリカ / ホテル
住所:26 South Main St, Bryce Canyon, UT 84764地図で見る
Web:https://www.rubysinn.com/

ブライスキャニオン国立公園
アメリカ / 自然・景勝地 / 6/20放送「世界ふしぎ発見!」で紹介
住所:アメリカ合衆国ユタ州ブライスキャニオン国立公園地図で見る

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この記事を書いたトラベルライター

じっとしているのは耐えられない旅行好き&飲兵衛です
日本在住ですがアメリカで生活したこともあり、その時にすっかりアメリカ大陸の自然に魅了されました。それ以来、帰国しても日本の自然の素晴らしい場所をあちこち旅行するのが好きです。1児の母でもありますので、“子連れで行くとどんな旅になる?!”という視点も織り交ぜていろんな場所をご紹介できればと思っています。
http://blog.goo.ne.jp/makiko0213ha

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