ワシントンDCの観光名所「スミソニアン博物館」の中で一番古いのは【National Museum of Natural History 国立自然史博物館】。コレクション数の数もスミソニアンの中でダントツNo.1! しかも入場料は無料!そんな国立自然史博物館を、見るべきポイントも併せてご紹介いたします。
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ワシントンDCの【スミソニアン】とは?
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ワシントンDC観光といえば The Mall(モール)。その中心にある Washington Monument(ワシントン記念塔)の西には Lincoln Memorial(リンカーン記念堂)など様々なモニュメントがあり、東には Capitol Hill(国会議事堂)まで続く広場があります。
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上の写真は、ワシントン記念塔の展望台から、東を見た光景なのですが、広場の両脇に大きな建物が並んでいるのが分かるでしょうか?これら全てが今回紹介する「Smithonian スミソニアン」なんです。ご覧の通り、スミソニアン は1つの博物館のことではなく、スミソニアン協会が運営する 15(2019年現在)の博物館、美術館、動物園の総称です。
では、「Smithsonian スミソニアン」とはどういう意味なのでしょう?
謎が多い!イギリスの貴族&科学者「James Smithson ジェームズ・スミソン」
スミソニアン協会の発端は、イギリスの科学者「James Smithson ジェームズ・スミソン」の遺言に始まります。
ジェームズ・スミソンはイギリスの由緒ある 貴族 の血を引き、鉱物学の分野で多大な功績を残した 科学者 でもあります。菱亜鉛鉱(ZnCO3)の英名は、発見者であるスミソンにちなみ、 smithsonite スミソナイト と名付けられています。
貴族かつ優秀な功績を残したスミソンは、その財産も多額。でも生涯独身を貫いたので「私の死後、甥が子供のないまま亡くなったら、スミソン家の全財産は、人類の知識の向上と普及のために “スミソニアン協会” という名のもと、アメリカに遺贈する」と遺言を遺しました。
そして、スミソンの甥も子供がないまま若くして亡くなったため、遺言通りスミソン家の全財産はアメリカの国庫に預けられ、その遺贈金を元に スミソニアン協会 が設立。
でも、なぜ母国のイギリスではなく、独立戦争(1775年〜1783年)で争ったばかりの敵対国アメリカに?! と思いませんか?しかもスミソンは、 一度もアメリカに行ったことがないんです。
スミソンが、イギリス貴族の諸々にうんざりしていた…とか、新生アメリカに科学者として期待していた…など諸説ありますが、スミソンの詳しい生涯については、いまだに謎に包まれたまま。
というのも、 アメリカ史上最初で最後の内戦、The Civil War(南北戦争)によって、彼が遺した研究ノートや日記、手紙を保管してあったスミソニアン博物館本部が火災。スミソンが遺した全てが失われてしまったんです。
でも「人類の知識の向上と普及のために全財産を寄付する」という彼の意思を引き継いで、今でもアメリカのスミソニアンは日々進化しています。
スミソニアンの施設は入場無料!!
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驚くべきことは、スミソニアンでは、博物館も美術館も、全世界的に貴重な遺産、標本、絵画や彫刻などを展示しているにもかかわらず、 すべて入館無料!
館内にあるIMAXシアターなど一部有料のコーナーもありますが、「こんなに素晴らしい博物館や美術館が入り放題なの?!」とびっくりすること間違いなしです。
今回ご紹介する【National Museum of Natural History 国立自然史博物館】はそのスミソニアン博物館の中でも、重鎮たる存在。どんな博物館なのか、より詳しくご紹介します。
【National Museum of Natural History 国立自然史博物館】はここがすごい!
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スミソニアンで一番人気なのは国立航空宇宙博物館で、今回紹介する国立自然史博物館 は人気No.2と言われていますが、2019年現在15あるスミソニアン博物館の中で、一番最初 に建てられました。
テーマは「地球が誕生してから46億年間の自然」
この博物館のテーマはずばり「地球」! コレクションは、地球が誕生してから46億年間の自然界に関するものを網羅しているんです。
恐竜や、海から陸に生きて来た大昔の生物の化石や剥製はもちろん、爬虫類や昆虫、スミソンが研究し続けた鉱物、宝石、隕石などなど、様々な分野のコレクションが展示されています。
そのコレクション数は 約1億2,600万個! 個数だけを見ると、スミソニアン全体の95%をしめるというから驚きです!しかも、その数も年間60万個ずつ増えているとか。
ただ展示しているだけじゃない!世界中の研究員の成果の見せ場
よく歴史の教科書の内容が、新たな発見で変わったりしますよね。それは自然界の分野でも同じ。今でもなお、解明されていない地球のことはたくさんあり、多くの科学者たちが日々研究しています。
国立自然史博物館にも、世界中の研究員が約600人ほど在籍! 多くの調査、研究が日々進められており、年々増えていく博物館のコレクションは、これら研究員が集めたもの。すなわち、彼らの研究成果の “見せ場” でもあるのですね。
最新の研究成果はプロも見学に来るほど!
国立自然史博物館は、よく改装しています。建物の老朽化…というより、展示の内容が古くなったから = 最新の研究結果を反映させた展示にするためです。
展示方法も、とてもセンスがあり、見ごたえもあり、他のプロの科学者たちも見学にやってくるんだそう。そんな質の高い博物館が無料で見学できるなんて、本当に素晴らしいですね。