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【茨城】絶景で人気の石切山脈だけではもったいない!石の町・稲田でおすすめのスポット8選

取材・写真・文:

茨城在住
訪問エリア:45都道府県

2021年2月22日更新

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写真:Sosyu Kikuchi

茨城の絶景スポットとして人気のある石切山脈のほか、同じ稲田地区にある観光スポットをまとめました。神社や酒蔵、グルメなど散策ポイントはたっぷりありますので、丸一日かけて観光を楽しめます。

この記事の目次表示

稲田の概要

田園風景が広がるのんびりとした町

稲田地区は、茨城県笠間市の北西に位置します。最寄駅はJR水戸線稲田駅です。その名のとおり、町を歩いていると田んぼが広がり、のんびりした気分を味わうことができます。この記事でご紹介するスポットは、すべて稲田駅より徒歩で巡ることが可能です。電車は上下線ともに一時間に一本程度の少ないペースなので、時間に余裕を持ったスケジューリングがおすすめです。ただし体力に自信がない方は、お車でのご訪問をおすすめします。

  • 写真:Sosyu Kikuchi稲田の風景

石とともに歩んでいる町

稲田地区は、その昔より石の町として栄えてきました。何気なく町を歩いているだけで、至る所に石屋さんを発見したり、のちほどご紹介する「石切山脈(いしきりさんみゃく)」から採れる稲田石が転がっている様子を見ることができます。稲田石は、その美しさと、水に強い性質から、様々な建造物に使用されてきました。

現在の稲田駅は、もともとは明治30年(1897年)、稲田石輸送用の貨物駅として開業したものです。現在のように人が乗降できるようになったのはその翌年からなのだとか。現在の駅舎は平成25年(2013年)、建て替えが行われたばかりの新しい駅舎です。稲田石がたくさん使われています。

  • 写真:Sosyu Kikuchi駅前のオブジェも稲田石
  • 写真:Sosyu Kikuchi新しくなったJR稲田駅
稲田駅
茨城 / 駅
住所:茨城県笠間市 稲田駅地図で見る

【1】まるで古代遺跡!「石切山脈」

JR東京駅丸の内駅前広場などに使用された稲田石の採掘場

石切山脈(いしきりさんみゃく)とは、八溝山系東西約10キロメートル、南北約5キロメートルの広大な地域「稲田沢」の通称とされています。地下には深さ約1.5キロメートルまで続いていると言われています。この石切山脈内に、美しい石がたくさん眠っており、現在も採掘会社が数社で採掘の作業をしているのだとか。ここで採れた石を「稲田石」と呼んでいます。

  • 写真:Sosyu Kikuchi稲田沢:通称「石切山脈」

ちなみにこの稲田石は、今から約6千万年前に八溝山が噴火して出てきた溶岩が、海の中でゆっくりゆっくり固まって誕生したそうです。6千年前に隆起し、山地を形成しました。

稲田石はその白さが特徴ですが、海中で固まらないと白さは生み出せず、石は美しくならないのだとか。稲田石の生成過程はまさに地球の神秘が生み出したものであり、その点にも稲田石の価値が発生しているようです。ちなみに溶岩が固まってできた石なので、水に強く火に弱いという性質があります。

茨城県は都心から近く、運搬の効率性がよく、都内の重要な建造物にも稲田石がたくさん使用されています。例えば、JR東京駅丸の内駅前広場の石畳、日本橋、東京証券取引所、最高裁判所、東京国立博物館など、挙げればきりがありません。もちろん茨城県内でも稲田石はふんだんに使用されており、茨城県庁や水戸芸術館、水戸市植物公園などが代表的です。

  • 写真:Sosyu Kikuchi断面の様子
  • 写真:Sosyu Kikuchi遠目から見たところ
  • 写真:Sosyu Kikuchi縦のラインに火薬を入れてガス爆発させ、岩が割れるという仕組み

「地図にない湖」として絶景スポットに

石切山脈は、絶景フォトスポットとしてここ数年じわじわと注目されています。著書『死ぬまでに行きたい!世界の絶景』で知られる絶景プロデューサー詩歩さんも、ご自身のSNSで紹介したり、イベント登壇の際に石切山脈を紹介しています。

特に絶景フォトスポットとしてよく目にするのは、現在は使われていない採掘場跡です。こちらは地下65メートルまで採掘したところで大部分の岩石を採取し終えたとのことで、2014年に採掘を休止しています。

その後は岩の割れ目より湧いた水や雨水がどんどん溜まっていきました。3年程経った頃には湖が出来上がっていたそうです。これにちなんで石切山脈は、「地図にない湖」としても認知を広めつつあります。

  • 写真:Sosyu Kikuchi採掘場跡「地図にない湖」全景

最近では渡り鳥も行き来するようになったようです。ちなみにこの湖に溜まった水は排水してあげないと、永遠に溜まり続けてしまうそうです。これは安全上芳しくないとのことで、近くの川へとポンプで少しずつ流しています。

水は最終的に茨城県の大洗方面にある涸沼(ひぬま)へと流れつきます。そのため、涸沼を美しく保つためにも社員の方々は、湖を汚さないよう環境保全に力を入れていらっしゃるのだとか。

  • 写真:Sosyu Kikuchi湖のなかを覗いたところ
  • 写真:Sosyu Kikuchi石切山脈近くの川

楽しむコツは事前予約による丁寧な現地案内

石切山脈見学は、事前予約をしてからの訪問が基本的なルールとなっています。連絡先は下記です。

会社名:株式会社想石(そうせき)
電話:0296-74-2112
営業時間:8時~16時30分
見学時間:9時~16時
定休日:土曜、日曜、祝日
アクセス:稲田駅より徒歩20分程度

特にご担当の市田(いちだ)様は、解説が大変詳しく朗らかで、稲田石に関する様々な知識をお持ちですので、ぜひ市田様のスケジュールが確保できる日に訪問してみましょう。解説ありきで見る景色と、無いのとでは、同じ景色を見ているとは思えない程の差があります。個人客の見学は無料です。団体客は有料となりますので、詳細は事前にお問合せください。

  • 写真:Sosyu Kikuchi敷地内には稲田石を使ったアート作品も多数ある
  • 写真:Sosyu Kikuchi画家の方と共同で進めているという壁画アートも
石切山脈
茨城 / 自然・景勝地 / 一人旅 / 穴場デートスポット / インスタ映え / 穴場観光スポット / 絶景
住所:茨城県笠間市稲田4260-1地図で見る
電話:0296-74-2112
Web:https://www.ishikiri-sanmyaku.com/

【2】稲田石のすべてが分かる!「石の百年館」

稲田駅隣接の好立地

稲田駅のすぐ隣には、稲田石について学べる小さな博物館「石の百年館」があります。「先人たちが、100年以上にわたって築き上げた稲田地区採石の歴史を後世に伝え、100年先の発展につなげたい」という願いが込められた記念館です。

観光情報誌も設置されていたりと、観光交流センターとしても活用されています。株式会社ジェイアール東日本建設設計事務所が設計を担ったという建物は、大変スタイリッシュで、お洒落さバツグンな点にも注目です。稲田石が使われた建造物となります。

  • 写真:Sosyu Kikuchi稲田石について知ることができるミニ博物館
  • 写真:Sosyu Kikuchi駅に隣接という好立地

館内は稲田石の解説が盛りだくさん

稲田石が生まれる過程、加工技術、使われている建物例など、稲田石に関する基礎的な知識が得られます。また、稲田石の構成成分は何か?といった少しマニアックな鉱物についての解説も豊富です。

ちなみに稲田石は、花崗岩(かこうがん/マグマが固まったもの)です。花崗岩とは、石英(薄い灰色)、長石(白色)、黒雲母(黒)の三鉱物で構成される石です。なかでも稲田石は、長石(白色)が60パーセントを占めていることから、白く美しい色味が特徴づけられています。太陽光に当たるときれいに輝き出します。

館内は清潔感たっぷりで長居したくなってしまう雰囲気です。広さはそこまで広くないので、30分もあれば十分に見学可能です。稲田石のマウスパッドなど珍しいお土産も販売していますよ!

  • 写真:Sosyu Kikuchi広さが小さいので30分もあれば十分
  • 写真:Sosyu Kikuchi詳しい展示が見られる
  • 写真:Sosyu Kikuchi稲田石のお土産が買えます
石の百年館
茨城 / 博物館 / 雨の日観光
住所:茨城県笠間市稲田2307地図で見る
電話:0296745114
Web:http://www.kasama-kankou.jp/upsys_pro/index.php?mo...

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この記事を書いたトラベルライター

大自然に魅せられて
江ノ島出身、現在は霞ヶ浦湖畔で暮らしています。自然に触れる旅が好きで、これまで国内45県、海外13か国を訪問。地域に根付く食と文化を探るのも楽しみの一つです。

▶よくある執筆ネタ
・湧き水、ネイチャースポット
・焼き芋、食文化、町の飲食店

▶Awards
・H30.10 環境保全茨城県民会議主催「いばらき自然環境フォトコンテスト」部門賞
・H31.01 羽田空港主催「私の旅する日本語2018」大塚製薬賞
・R01.08 tripnote主催「トラベルライターアワード2019上半期」審査員特別賞
・R03.08 tripnote主催「トラベルライターアワード2021上半期」SNSシェアトップ賞

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