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交通の要衝として栄えるストラスブールは、フランスでありながらドイツを思わせる雰囲気が漂っており、アルザス地方の定番観光名所のひとつとなっています。ストラスブール中央のイル川で取り囲まれた区域は、全体が世界遺産に登録されていて、12世紀に建てられたストラスブール大聖堂やラプティットフランスの街並みは必見です!更にこの地方ならではのアルザス料理も外せません!見どころ沢山のストラスブールですが、その中から絶対外せないスポットをピックアップして紹介します。
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ストラスブールってどういうところ?歴史から垣間見る二つの国の文化が入り混じる街な訳
ストラスブールは、フランス東部アルザス地方の中心都市であり、ドイツとの国境付近にあります。フランスとドイツの領有地争いの的となり、戦争のたびに所属する国が幾度も変わった、複雑な歴史があります。
戦後、フランスの賢人政治家たちは、ドイツとフランスの国境地帯に一つの経済圏を政治的につくろうと、ドイツ・オランダ・ベルギー・イタリアに働きかけました。目的は平和のためであり、二度とこの地をめぐる戦争を起こさないために。これがEUの始まりでした。
今現在、ストラスブールには、ヨーロッパの歴史を象徴する都市として、欧州議会が置かれています。
この地域の住民は、住民投票でフランスに属することを選び、現在フランスとして落ち着いていますが、今でもドイツを思わせる光景が街のいたるところにあるのには、このような歴史的背景があることを知っておくと納得です。
見どころ①:ストラスブールの魅力が詰まったラプティットフランス!
イル川の本流が分かれる地帯に、ラプティットフランスはあります。ストラスブールに来たらまず最初に向かう場所はここです!ストラスブールと聞いて、思い描いてた通りの光景がここには広がっています。
この地帯は、アルザス特有の美しい木組み建築が特に多く見られるエリアであり、川沿いに並ぶその建物群は、見る者を虜にします。第一印象で、ググッと心を鷲掴みにされることでしょう。
第二次世界大戦時、ここラプティットフランスもドイツからの戦火を受けた街の一つであり、多くの建物が破壊されてしまいました。戦後、当時の町並みを再現しようと建物は修復され、現在のアルザス地方伝統の木組みの建物が多く見られる街の姿へと戻されました。
こうした先人達のおかげで、今でもこの区域では美しい木組み建築を見ることができるのです。今ではその景観を一目見ようと、多くの旅人が足を運ぶようになりました。
日が沈み、イル川沿いの家々のあかりが灯ると、昼とはまた違うラプティットフランスの一面が見られます。昼と夜でさまざまな表情を見せてくれるラプティットフランスを、運河沿いにあるカフェから眺めたり、散策してみてはいかがでしょうか。
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- ラ プティット フランス
- フランス / 町・ストリート / 観光名所
- 住所:Quai de la Petite France, 67000 Strasbourg地図で見る
見どころ②:圧巻!ストラスブール大聖堂!!
ストラスブールの一番の名所、ストラスブール大聖堂は絶対に外せません。市内の至る所からタワーが見え、近づくほどにファサード(建物正面)の造りの細かさが確認でき、胸が高鳴ります。
ゴシックの大傑作である大聖堂は、外観も内部もため息が出るほどの美しさです!!
他の大聖堂とはかなり異なった外観
フランス最大級で、142mもの高さに及ぶ大聖堂は、写真に収まりきらないほどの大迫力です。正面から、そして斜めから仰ぎ見るように全体像を収めようと、カメラと格闘する観光客を多く見ます。
パリのノートルダム大聖堂と違い、塔が一本だけしかなく左右非対称。そしてフランス北東部から採れる砂岩を建材としていることで、独特な赤みを帯びているのも印象的です。
内部も見逃せない!色鮮やかなステンドグラス
明るい外部から内部に入ると、一瞬静かな暗闇に入り込んだ感覚になりますが、身廊に入るとステンドグラスの世界が広がり、太陽の光で輝く色鮮やかな何枚ものステンドグラスに言葉を失います。ステンドグラスの多くが14世紀のものだというのも驚きです。
ストラスブール大聖堂の薔薇窓(円形の窓)はシンプルですが、色彩の構成が素晴らしいことで知られています。フランスゴシック期のステンドグラスの多くは、赤と青を基調にした色彩が中心となっていますが、ストラスブール大聖堂では赤や青に加え、ドイツの伝統的な色合いである緑も多用されています。
薔薇窓は花火のように中心から白で広がり、青、赤、黄、緑、と色を変え、その先には小さい花がいくつも花開いているような構成になっています。
現在も現役の天文時計
奥には18メートルの天文時計があり、世界最大の天文時計の1つとされています。15分ごとに骸骨の人形が鐘を鳴らし、12:30には上段にあるキリストの人形の周りを十二使徒が行進し、そして鶏が鳴きます。ムーブメントはシンプルですが、現在も現役で時を刻み続ける姿は必見です。
大聖堂への入場は無料ですが、入場時間は限られているのでどうしても内部を見たい人は事前に時間を確認していくことをお勧めします。公式サイトにアクセスして、 右サイドメニュー「VISITES EN INDIVIDUEL」から時間が確認できます。
■エレベータはないので66mの階段を登らなければなりませんが、登り切るとストラスブールを一望できる素晴らしい眺めがあります。
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- ストラスブール大聖堂
- フランス / 社寺・教会 / 観光名所 / 教会
- 住所:Place de la Cathédrale, 67000 Strasbourg, France地図で見る
- Web:http://www.cathedrale-strasbourg.fr/
見どころ③:大聖堂周辺の歴史地区を散策
市内の中心部である大聖堂周辺地区は、お店やカフェ、レストランが多く、お土産屋を見たり買い物が楽しい地区です。この地区には木組み建築はもちろん、木組みではない建物も立ち並び、様々な種類の建物が入り混じっているのが印象的です。
見どころ④:クルーズ観光
ストラスブールに来て、多くの人が絶賛するクルーズ観光。ストラスブール中心を囲むようにイル川が流れていて、そこをクルーズ船が定期的に周遊しています。クルーズの途中に停船する水門では、水位を調整して船が進むという驚きの体験ができるのも人気の理由の一つになっています。
ストラスブール中心地を1時間15分程かけて船で一周するので、ストラスブールの景色を存分に楽しむことができます。
乗り場はLe Palais Rohanのすぐ横あたり。大聖堂からそのままイル川に向かって歩いて行けば、川沿いに”Tickets"と看板が出ているので、それを辿っていき、赤いボートでチケットを買うことができます。
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- イル川クルーズ(ボートラマ社)
- フランス / 乗り物
- 住所:Terrasse Rohan, 67000 Strasbourg, France地図で見る
- Web:https://www.batoramashop.com/accueil/accueil.jsp?p...
アルザス料理を堪能
アルザス料理を食べずしてストラスブールは語れない!と言えるほど、ストラスブールはフランスとドイツ両国の文化が融合したグルメの宝庫でもあります。
アルザス料理が堪能できるレストランはいくつかありますが、シーズンによっては満席で入れないこともあるので、事前に調べ予約して行くのが確実でしょう。筆者が訪れたのは、「Le Tire-bouchon」というお店です。
中に入ってみると、ノスタルジックな雰囲気。大きな古時計や、壁紙や木の梁の現し具合がどこか大正・昭和を感じるような懐かしさがあります。
メニューにはドイツの代表料理でもあるソーセージやアイスバインなどがありますが、味わいはドイツ料理というよりも、フランスっぽく洗練された味に仕上がっていました。
メイン料理と一緒に添えられるシュークルート(ザワークラウト)は、白ワインやクミン、ジュニパーベリー、 ローリエなどの香辛料で調理された発酵キャベツです。酢などの酸味料は加えない漬物なので意外と食べやすく、箸休めのような存在にもなります。オーブンで焼かれたジャガイモも一緒に提供されます。
最後にデザート。アイスやケーキやクレームブリュレなどが選べます。サイズは大きすぎず、日本人にとっては食べやすいです。
クリスマスシーズン以外であれば、ランチのコースで一人当たり15€(約1,940円)。前菜のスープから始まり、ボリュームいっぱいのメイン料理にデザートがついてこの値段なので、大満足のコースです。
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- Le Tire-bouchon
- フランス / 洋食・西洋料理
- 住所:5 Rue des Tailleurs de Pierre, 67000 Strasbourg, France地図で見る
- Web:http://www.letirebouchon.fr/
おわりに
いかがでしたでしょうか。歴史あるストラスブールでは、人・建物・料理など、いたるところにアルザスの魅力を感じます。それをドイツとフランスの"融合"と取るのか、それともドイツでもフランスでもなく"これがアルザス"と取るのかは、人それぞれでしょう。
ストラスブールは、2007年からTGV(高速線)が開通したことで、アクセスが非常に良くなり、今では多くの観光客が訪れるようになりました。パリ東駅からTGVで2時間程!ストラスブール駅前から出ているトラムを利用して、中心地まで1.6€(約205円、1時間トラム・バスに何度でも乗換え可能)で行くことができ、初めての旅人にも観光しやすい街です。
フランスに来た際は是非、ストラスブールを訪れてアルザスの魅力に触れてみてください。