神が降りる地だから神降地(かみこうち)と呼ばれた絶景の地。目に映る景色のすべてが、ため息が出るほど美しく自然豊かです。魅力満載の上高地で滞在時間別のおすすめルートをご紹介します。服装や上高地グルメ、ホテルなどもご紹介。
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上高地ってどこ?
長野県の中央部、北アルプスのほぼ中央に位置し、最寄り駅は東の松本駅、西は高山駅で、どちらからも約1時間半の距離です。上高地は、標高1,500mにある山岳景勝地で、訪れる観光客は年間130万人とも言われ、最近では外国人観光客も増えています。通年マイカー規制がされているので、どちらにも駐車場やシャトルバス(冬季運休)が整備されています。
上高地の魅力
上高地に入れるのは、例年4月中旬から11月中旬ごろまで。雄大な山々、澄んだ清流、湿原や立ち枯れの木々、移り変わる季節や時間帯によって様々な景色が見られる上高地は、まさに絶景の宝庫ともいうべき場所。
真夏でも25度を超えないと言われ、涼しく爽やかな避暑地です。河童橋付近だけなら、カジュアルファッションで楽しむことも可能で、気軽な散策から本格的な登山まで楽しめるのが魅力の一つでもあります。できれば宿泊して、上高地の魅力を堪能していただきたいですが、短時間滞在のツアーも人気なので、数時間から1泊2日までの滞在時間別にお勧めルートをご紹介します。
- 上高地
- 松本市 / 自然・景勝地 / パワースポット / ハイキング / ツーリング
- 住所:長野県南安曇郡安曇村上高地地図で見る
- 電話:0263-95-2433(上高地インフォメーションセンター)
- Web:http://www.kamikochi.or.jp/
【1】河童橋周辺のんびりコース [60分以内]
バスツアーのフリータイムで観光される方や、あまり時間のない方、歩くのが苦手な方、ショッピング好きな方にお勧めの60分以内コース。河童橋周辺で、のんびり過ごすのも1つの楽しみ方ですね。
橋の上で記念撮影、澄んだ清流沿いで川原遊び、土産店めぐりにレストランやカフェでのんびり過ごすことも可能です。美しい景色を眺めながら、周辺で購入したお弁当や軽食をベンチで頂くことも良い思い出になりそうです。バスターミナル周辺には、インフォメーションセンターや観光センター、売店などがあります。
郵便局もあるので購入した絵葉書やお土産を郵送することも可能です。また上高地食堂で購入できる河童焼きもおすすめです。おにぎりやソフトクリーム、信州名物のおやきも販売しています。
服装や靴は、山仕様でなくても問題ないと思いますが、日中でも寒暖差が激しいので温度調節ができる服装をおすすめします。川原に下りる場合は、足場が悪いのでスニーカーがおすすめです。
- 河童橋
- 松本市 / 自然・景勝地 / 観光名所 / インスタ映え / 紅葉 / 橋 / 吊り橋
- 住所:長野県松本市安曇上高地地図で見る
- Web:https://www.kamikochi.or.jp/learn/spot/%E6%B2%B3%E...
- 上高地バスターミナル
- 松本市 / バス停
- 住所:長野県松本市安曇野上高地地図で見る
【2】上高地のシンボルコース [約60分]
上高地のシンボルと言えば河童橋と梓川。その河童橋を渡り、梓川の右岸を進み、田代橋で折り返すコースです。途中には、上高地の歴史に名を残す英国人宣教師ウォルター・ウェストンの石碑もあります。
田代橋からの折り返しは、梓川のホテルが並ぶ舗装道路を歩く右岸コースか、カラマツ林の林道を歩く左岸コースのどちらかをチョイスしましょう。エメラルド色の澄んだ清流を見ながら歩くルートは高低差も少なく、お散歩気分で歩けます。
長野県産のカラマツとヒノキを使用して造られた田代橋のまわりには、広葉樹やミズナラ、カラマツの林が広がり、橋のたもとにはベンチや東屋、トイレも設置されています。
服装や靴は、【1】と同じです。左岸道は、整地はされていますが舗装道路ではありません。
【3】上高地の王道コース [70分]
上高地内には、いくつかのバス停留所がありますが、大正池で降りることが可能なツアーバスも多いようです。ここでバスを降りることができれば、上高地のハイライトともいうべき大正池、田代湿原、河童橋を効率よく周ることができます。
大正池は、北アルプス唯一の火山である焼岳を正面にして、立ち枯れの木と共に絵画のような景色を楽しむことができます。田代湿原は、上高地を代表する湿原で、湿原越しに美しく連なる穂高連峰を望むことができます。
田代池は湿原の一部にあり、霞沢岳の伏流水がたまってできた池で、浅く清らかな流れの中に小さな島もできていて、まるで箱庭のような風景です。田代橋を渡って、梓川右岸コースを進み、河童橋周辺を散策すれば大満足。河童橋からバスターミナルまでは徒歩10分です。
服装や靴は、大正池の付近はゴロゴロと大きめの石が転がっている河原ですし、湿地帯もあるので歩きやすい靴、動きやすい服装がおすすめです。日中は過ごしやすい日でも、朝夕は気温が低くなるので、その点も考慮しましょう。
- 田代池
- 松本市 / 自然・景勝地 / 紅葉
- 住所:長野県松本市安曇 田代池地図で見る
- Web:https://www.kamikochi.or.jp/learn/spot/%E7%94%B0%E...
【4】上高地の聖地コース [3時間]
河童橋を起点に梓川の右岸、左岸を歩いて明神池で折り返すコースです。明神池には、日本アルプスの総鎮守でもある保高神社奥宮があり、境内に広がるのが大小二つに分かれたひょうたん型の明神池です。
古くから信仰の地でもあった場所で、針葉樹に囲まれた神域は、息をのむような美しい光景が広がります。上高地紹介サイトなどに明神池までの往復が2時間と記載されているものもありますが、筆者が実際に歩いてみて、2時間では慌ただしく余裕がないと感じたので3時間コースにしました。途中でゆっくりと景色を眺めたり、川原におりる時間も楽しめます。
明神池での写真撮影も人気で、時間帯によっては列に並ぶ必要もあります。明神池に向かう梓川右岸は、木道あり、階段あり、林道ありのアップダウンがある行程になります。梓川を横目に楽しんだり、上から見下ろしたり、原生林に囲まれた岳沢口湿原、六百山や焼岳を眺めるような明るい景色が多めです。梓川左岸は、明神池からの帰路にすると多少下り道で楽でした。
所要時間も右岸よりは、10分程度早いようですが、針葉樹林の森の中や山道を歩く行程です。森の中にも梓川の支流であり、上高地の飲料水として知られる清水川が流れていたり、山野草を見かけたりすることも。右岸と左岸を、同じ道を往復しても良いですし、反対にしても良いと思います。
木道や多少の山道などもあるので、服装は、動きやすい服装、歩きやすい靴、できればトレッキングシューズなどがあれば安心ですね。余談ですが、明神池を見るには拝観料(¥500)が必要ですし、御朱印が頂けるのは、朝6時から17時までになっています。
- 明神池
- 松本市 / 自然・景勝地 / パワースポット
- 住所:長野県松本市 明神池地図で見る
- Web:http://www.kamikochi.or.jp/spots/myojin-ike/
- 穂高神社奥宮
- 松本市 / 神社
- 住所:長野県松本市安曇 長野県松本市安曇上高地4468地図で見る
- 電話:0263-95-2430
- Web:http://www.hotakajinja.com/okumiya.html
【5】上高地満喫コース [1泊2日]
2日目: 河童橋 → 梓川右岸 → 明神池 → 梓川左岸 → バスターミナル
前にご紹介している【2】【3】【4】を合体させたコースですが、宿泊ならではの魅力も合わせてご紹介します。宿泊するので時間の制約もなくマイペースに上高地を堪能できると思います。川霧や朝もやが楽しめる朝の上高地は幻想的な景色が楽しめますし、観光客も少なく歩きやすいです。
野生の猿に出会えるチャンスも早朝のほうが多いようです。夕暮れ時の穂高の峰々や、日帰り観光客が帰り静かになった上高地も魅力的です。季節によっては満点の天の川が見られることもあるそうです。
りんごがたっぷりで美味しいと評判なのが、TROIS CINQ(トワ・サンク)のアップルパイ。宿泊していると焦らずに空いている時間帯に楽しむことができます。
服装は、どんな天候でも対応できるように体温調整ができる服装を考えておくとよいでしょう。「山の天気は変わりやすい」と言われますが、筆者も快晴で暑い夏の日に一転して大雨になったことがあります。天候、服装や持ち物も入念に計画されることをお勧めします。早朝や雨上がりなど滑りやすい場所や水たまりができていることもあります。怪我予防のためにも、歩きやすい滑りにくい靴がおすすめです。
天然温泉の宿「上高地温泉ホテル」
本記事でご紹介するホテルは、上高地でも珍しい天然温泉の宿・上高地温泉ホテル。歩き疲れた日、汗をかいた日なども温泉でまったりできて癒されます。梓川、霞沢岳、六百山が目の前の和風ホテルです。お食事も山の中とは思えない、信州や安曇野の食材を使った美味しい料理が頂けます。濡れてしまったトレッキングシューズを乾燥してくれる心遣いは大変助かりました。ホテルから河童橋までは約20分、大正池まで約30分の便利な場所にあります。
さいごに
山岳景勝地とはいえ、黙々と歩を進めるだけではなく、川辺に下りたり、座ってアルプスの山並みを眺めたり、上高地の魅力を堪能していただきたいと思うので、余裕のあるプランにしています。バスターミナル付近はショッピングもグルメも楽しめるので、そういう時間も確保すると良いでしょう。