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収蔵標本の世界
3Fは、収蔵標本の世界となっており、開学から長い歴史をかけ収集・保存されてきた多くの標本や資料が、「医学標本の世界」「考古遺物の世界」「生物標本の世界」「古生物標本の世界」「科学技術史資料の世界」に分け展示されています。
すべて実物やリアルな標本ばかりで、とても多岐にわたっています。その中で特に圧巻なのは、古生物標本でしょう。例えば、上記写真に写っている椅子と比較すると、巨大ワニの口がいかに大きいか、お分かりいただけるでしょう。
写真左は、全長約7mとも言われる「マチカネワニ」の骨格標本。右は「デスモスチルス」の骨格標本です。
左の標本は、1934年に北海道帝国大学 長尾巧教授が日本(現在ロシア領)で初めて発掘し、命名した「ニッポノサウルス」です。
またアンモナイトも多数展示されています。北海道の中央部には蝦夷層群という約1億年前(白亜紀)の地層があり、世界的にも有数のアンモナイトの一大産地で、国内では他の追随を許さないほどの数が出土します。余談ですが、札幌市内の建物や柱で石を使っているところには、アンモナイトの断面を発見できるところもあるんですよ♪
そのほかの見どころ
各階の案内板や階段にも注目!
左から、1Fにある総合案内板と、2F、3Fのフロアマップです。それぞれ右上に「アンモナイト」、「オオバナノエンレイソウ」、「昆虫」がついています。「オオバナノエンレイソウ」という花は北海道大学構内に自生していることから、大学のシンボルマークとして使われています。
1Fから2Fへ続く廊下と階段の壁には、このような言葉が広がっています。
これは、北大恵迪寮の寮歌である「都ぞ弥生」の歌詞だそうです。
2Fから3Fへと続く昔ながらの木製の手すりと階段は、手から伝わるぬくもりと、ギシギシと鳴る音が、耳に心地よく聞こえます。
そして博物館には至る所に動物の剥製が置いてあり、それらに出会うのも1つの楽しみです。左は、「ナマケグマ」の剥製。2Fのエレベーターホールには、リスとヒグマがいます。その他にも、思いも寄らないところに剥製がありますので、探してみてくださいね。
アインシュタイン・ドーム
「アインシュタイン・ドーム」の愛称で親しまれる吹き抜けのドームは、白天井が美しく、四方の壁の窓の下にはレリーフがはめ込まれています。レリーフには果物、ひまわり、コウモリ、フクロウが刻まれており、それぞれ朝、昼、夕、夜を表すフランス語が掘られています。
理学部創立当時の研究者たちが、昼夜問わず熱心に研究し、またそのようにありたいという理想と願いが込められているようです。
ミュージアムショップ
展示を一通り見たあとは、北大グッズや大学院生が企画した総合博物館オリジナルミュージアムグッズが揃う、ミュージアムショップも見逃せません。この大学院生の企画自体も教育の一環だそうで、研究・教育の幅の広さが感じられます。
ミュージアムショップに入るとすぐ目立つところに、大学院生が企画した総合博物館オリジナルミュージアムグッズの棚があります。とってもキュートなグッズで、新聞にも掲載されたそう。
ショップには数多くのグッズが所狭しと陳列されており、ここが大学であることを忘れるほどです。
とりわけ筆者が気になったのは、以前、台風で倒れた北大構内のポプラ並木の木を再利用した「ポプラの黒板消しストラップ」と恐竜の爪や歯のレプリカです。他にも紹介しきれないほどのグッズがあるので、是非、立ち寄ってみて下さいね。
おわりに
いかがだったでしょうか?北海道大学総合博物館は、膨大な資料の常設展示があり、駆け足で見たとしても2-3時間はゆうにかかります。これが全て無料で見られる太っ腹に脱帽です。そのうえさらに企画展示や市民セミナーなども行われているそうです。
大学研究というと敷居が高く感じられるかもしれませんが、思いも寄らないところに剥製があったり、触ってみることができる展示品など、子供から大人まで楽しめる仕掛けが沢山あります。
旅行の方はもちろん、受験予定の学生さん、または周辺にお住まいの方も、是非一度見学してみてはどうでしょう。
- 北海道大学総合博物館
- 札幌 / 博物館
- 住所:北海道札幌市北区北10条西8丁目地図で見る
- Web:http://www.museum.hokudai.ac.jp/