下鴨神社の通称で知られる世界遺産・賀茂御祖神社(かもみおやじんじゃ)。京都の町が鴨川を中心に形成されていることから、“鴨川の下流のお社”という親しみを込め、古くからそう呼ばれて来ました。今回は、京都の社寺の中でも最も古い部類に入る賀茂御祖神社の歴史とともに、国歌にも謳われるさざれ石や、古代そのままの樹種が自生している糺の森など、境内の見どころをご紹介したいと思います。
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賀茂御祖神社(かもみおやじんじゃ)とは
京都の社寺の中でも最も古い部類に入る賀茂御祖神社は、上賀茂神社(かみがもじんじゃ)こと賀茂別雷神社(かもわけいかづちじんじゃ)に祀られている、賀茂別雷神(かもわけいかづちのかみ)の祖父神である賀茂建角身命(かもたけつぬみのみこと)と、母である玉依媛命(たまよりひめのみこと)を祀っています。
賀茂御祖神社は、奈良時代以前から賀茂別雷神社とともに朝廷の崇敬を受け、大同2年(807年)には最高位である正一位の神階を授かりました。
このふたつの神社は元々、賀茂氏の氏神を祀る”賀茂社”というひとつの神社でしたが、神社や氏子の持つ力が大きくなり過ぎたため、文武天皇の時代(西暦700年ごろ)に南北ふたつの神社に分割されてしまったのです。こうした経緯で、賀茂別雷神社は”上賀茂神社”、賀茂御祖神社は”下鴨神社”と呼ばれるようになりました。
平安時代中期以降、21年毎に御神体を除く全ての建物を新しくする式年遷宮を行っていましたが、本殿2棟が国宝に指定されたため、現在は一部を修復するのみに留まっています。
境内の見どころ
舞殿(まいどの)
檜皮葺入母屋造りの舞殿は、毎年5月に行われる京都三大祭のひとつである賀茂祭(葵祭)の際、天皇の勅使により雅楽のひとつである東游(あづまあそび)が奉納される場所です。
現在の舞殿は1628年に建てられたもので、国の重要文化財に指定されています。
言社(ことしゃ)
言社とは、十二支をお祀りする守護社です。
7棟の建物が並び、十二支すべての守護神が祀られているので、自分の干支の守護社にお参りするようにしましょう。
御手洗社(みたらしのやしろ)
葵祭(賀茂祭)に先だって斎王代が禊を行うのが、清水が湧き出る御手洗池(みたらしのいけ)です。
みたらし団子が御手洗池から湧き出る水の泡を模して作られたことから、みたらし団子発祥の地としても知られています。
さざれ石
日本の国歌である『君が代』にも登場するさざれ石。さざれ石自体は全国各地、様々な場所で見られますが、そのうちのひとつが賀茂御祖神社の境内にもあります。
さざれ石は、小さな石が年を重ねる毎に大きくなっていくことから“神様が宿る石”といわれ、神聖視されて来ました。
『古今和歌集』にもさざれ石を詠んだ歌があり、その歌が国歌『君が代』の原典となっています。
さざれ石の 巌となりて 苔のむすまで
(古今343 詠人知らず)
糺の森(ただすのもり)
平成6年(1994年)、世界遺産に登録された糺の森は、賀茂御祖神社の参道に広がる広大な森で、広葉樹を中心に古代そのままの樹種が自生しています。
春は新緑、秋は紅葉と、歩きながら四季折々の美しい自然を楽しめるのが最大の魅力で、京都府民や観光客にも人気の散策スポットです。樹齢数百年を数える樹木も多く、森林学等の学術分野からも貴重な森として大切に保全されています。
下鴨神社の概要
- 賀茂御祖神社(下鴨神社): 公式HP
- 開門時間 :5:30~18:00(夏期) 6:30~17:00(冬期)
- 参拝料 :無料(大炊殿の拝観は大人500円、子供250円)
- 住所: 〒606-0807 京都府京都市左京区下鴨泉川町59
- 連絡先: 075-781-0010
- 下鴨神社
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- 住所:京都府京都市左京区下鴨泉川町59地図で見る
- 電話:075-781-0010
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