台湾中部の花蓮県にある太魯閣峡谷は、自然が作り出したダイナミックな絶景を楽しめる、台湾屈指の観光名所です。ごろごろと大きな岩の転がる川の両側に、大理石の美しいマーブル模様を見せる断崖がそびえ立つ様子は、ここでしか観られない絶景!台北からは特急電車で2時間半ほどで行けるので、台湾旅行中の1日は、太魯閣峡谷の大自然を満喫してみてはいかがでしょうか。
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太魯閣峡谷とは
太魯閣(タロコ)峡谷は、台湾の国立公園である太魯閣国家国立公園の敷地内にあります。南北に約38キロ、東西に約41キロ、総面積は9万2000ヘクタールもある広大なこの公園は、3000メートル級の高い山々が連なり、壮大で素晴らしい景観を見せています。
ここを流れる立霧渓という川の激流が、長い年月をかけて3000メートル級の山々の大理石の岩盤を浸食してできたのが、太魯閣峡谷です。東西約20キロに渡って険しく高い断崖が続く様子は、息を飲む絶景。大理石でできた神秘的な断崖やごつごつとした岩の間を、清らかな川が流れ、癒し効果も満点です。断崖絶壁を縫うように遊歩道ができているので、迫力ある岩肌を間近で楽しむことができます。
遊歩道を歩く時は、落石の危険があるため、ヘルメットを着用する必要があります。ツアーに参加すると、ツアー会社がヘルメットを用意してくれますが、ツアーでない場合は、管理事務所で無料貸し出ししてもらえます。安全第一なので、必ずヘルメットを着用しましょう。
また、地震や雨などの状況により、遊歩道が通行止めになる場合もあるので、太魯閣国家国立公園のサイトで、前もって通行状況をチェックしてみてくださいね。
太魯閣峡谷の見どころ
【1】燕子口
遊歩道を歩いて行くと、ぽつぽつと穴のある岩肌が見えて来ます。この辺りは、「燕子口」と呼ばれています。この穴は、昔ここがまだ川の中だった頃に石によって浸食されてできたものと、岩からしみ出た水の浸食によってできたものの2種類あるそうです。
その名前から、この穴はもしかして燕の巣になっているの?と思われるかもしれませんが、実際は穴の中に燕は住んでいません。この峡谷に集まる昆虫を求めて、燕が日暮れ前に飛び交う様子から、この穴に巣を作っていると言い伝えられ、燕子口という名になったそうです。まるで誰かが穴を開けたような奇妙な岩肌は、なんとも不思議な景観ですね。
時期によっては、かわいらしい燕が飛び交う姿を見ることができますよ。
【2】九曲洞
さらに歩いて行くと、「九曲洞」という場所に出ます。ここは、大理石の断崖をくり抜いて作られた曲がりくねった9個のトンネルが続くため、この名前になったそう。だんだんと峡谷の幅が狭くなり、険しい岩肌が目の前に迫って来て迫力満点です。
全長2キロほどですが、長い年月をかけて削られた岩の断層を間近に見ながら歩いていると、その素晴らしさに圧倒されて、時間を忘れてしまいます。ここの大理石峡谷が、太魯閣峡谷の中で最も美しい景観だと言われています。
【3】長春祠
ツアーでは車窓から眺めるだけになってしまうことが多いスポットなのですが、見どころの1つに、山の中腹に建つ「長春祠」という赤い屋根の祠があります。私が参加したツアーでも、遠くから眺めることしかできませんでしたが、建物の下を滝が流れている様子を見て取れました。
太魯閣峡谷に多くの人が訪れることが出来るようになったのは、「中部東西横貫公路」ができたからこそ。人力で崖を削り、長い年月をかけてトンネルを掘り進めて行くなかで、212名の作業員が亡くなられました。この方々の霊を慰めるため1958年に建てられたのが「長春祠」です。その後、2度の落石があり、1997年に再建されたのが現在の姿だそう。
ツアーコースに入っている方やフリーで訪れた方は、中国宮殿様式の華やかな祠をぜひ間近でご覧になってみてください。祠の下から滝が流れ出す様子はとても神秘的で、観光客に人気のスポットになっています。長春祠から見下ろす立霧渓の渓流も素晴らしい眺めだとか。
ツアーがオススメ
太魯閣峡谷は、バスの本数が少なく公共交通機関が不便なので、効率よくまわるにはツアーが一番です。ツアーですと日本語のガイドさんから詳しい説明が聞けたり、食事や原住民アミ族の踊り鑑賞がセットになったツアーもあるので、より満喫できますよ。
最初からツアーコースに入っていなくても、JTB、HISなど日本のいくつかの旅行会社でオプショナルツアーを企画しているので、前もってインターネットで調べて、希望に合うツアーを申し込めます。
台北では、ホテルや日本の旅行会社の支店などでオプショナルツアーの申し込みができますが、現地で申し込む場合、日本語ガイドでなかったり、最少催行人数に満たなかったり、シーズンによっては既にいっぱいだったりする場合があるので、注意が必要です。旅行中スケジュールがあいたので予約できたらしてみようかな、という方でしたら現地での申し込みでもかまいませんが、確実に行きたい方は旅行前に申し込んでおきましょう。
太魯閣峡谷の玄関口である花蓮は、山々や海に囲まれた美しい自然いっぱいの街で、素敵なホテルもたくさん。時間のある方は、花蓮で1泊して、台湾の雄大な大自然の中で旅の疲れを癒すのもいいかもしれません。
花蓮発の太魯閣峡谷ツアーに参加したい場合、花蓮駅前のインフォメーションセンターで前日予約可能で、ホテルでのピックアップもしてもらえますが、ほとんどが北京語のツアーになってしまいます。日本語のツアー希望の方は、日本の旅行会社のサイトに花蓮発の日本語ツアーもあるので、やはり前もって申し込んでおく必要があります。
太魯閣峡谷へのアクセス
台北から花蓮までのアクセス
- 特急 普悠瑪号 所要時間2時間弱
- 特急 太魯閣号 所要時間2時間弱
- 準特急 所要時間3時間弱
- 飛行機で、松山空港から花蓮空港まで40分程度(1日3~6往復)
花蓮から太魯閣峡谷までのアクセス
- 花蓮駅からタクシーで約30分(チャーターする人も多いです)
- 花蓮駅から太魯閣行きバスで約1時間
- 花蓮空港からタクシーでビジターセンターまで約20分
花蓮駅近くの新城駅下車で、タクシー又はバスに乗るほうが近いですが、特急が止まらない場合があるので、気をつけてくださいね。
- 太魯閣峡谷
- 台湾 / 自然・景勝地
- 住所:台湾花蓮県秀林郷富世村291号 太魯閣国立公園管理処 Taroko National Park地図で見る
- 電話:886-3-8621100~6
- Web:http://www.taroko.gov.tw/Japanese/