かつて横浜の町を「ちんちん電車」と呼ばれる市電が走っていたのをご存知ですか?明治37年から昭和47年の約70年もの間、市民の足となり活躍してきた横浜市電。そんなレトロな電車を間近で見て、触って、体験できる施設があるんです。平成29年1月にリニューアルし、より親しみやすくなった、横浜市電保存館をご紹介します。
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横浜市民の足・ちんちん電車
「ちんちん電車」の愛称で親しまれ、明治・大正・昭和と、約70年間横浜の町を走り続けてきた路面電車、横浜市電。横浜の歴史は、市電の歴史と共にあったといっても過言ではありません。
約70年活躍した市電は、地下鉄など他の交通網の発展により、昭和47年に全面廃止されます。その翌年、滝頭にある車両工場跡地に開館したのが、横浜市電保存館です。
横浜市電保存館のみどころ
みなとみらいなど、今でこそ一大観光都市となった横浜の町。そんな横浜に市電が走っていた時代を確かに感じさせる、ノスタルジックな雰囲気漂う館内は、平成29年1月にリニューアルしました。さっそく、見どころをご紹介していきましょう。
運転手になれる!「車両展示コーナー」
ズラリと並んだ7両の市電。もちろん、すべて実際に活躍していた市電を修復しているものです。停留場の敷石、看板などもすべて当時のものを使用しており、懐かしい雰囲気が漂います。
市電の中は出入り自由。足を一歩踏み入れた途端、タイムトリップした感覚に陥りますよ。
運転台もそのまま。現在の電車の運転台と比べるとかなりシンプルで、運転席も丸椅子ひとつです。制帽をかぶったら、もう運転手気分に!運転装置は自由に触れるので、大人も童心にかえって、運転手体験をしましょう。
当時を知っている人は、懐かしさのあまり涙する人もいるのだとか。そのくらい、当時の状態そのままで保存されているのですね。もちろん市電を知らない世代の大人も、レトロな雰囲気をなぜか懐かしく感じ、こどもにとっては、目新しい電車という意味で大興奮のコーナーです。
過去と現在の横浜の町を走る「鉄道ジオラマ」
現在の横浜の町を背景に、地下鉄・私鉄・JRの車両が走ります。精巧な作りに、大人でも感動しますよ。また、昭和30年代の横浜をバックに市電が走行する様子も伺えます。10:30~15:30までの間、約1時間に1回の運行です。そのほかの時間は、1回100円で走らせることができます。
横浜の交通の歴史を学ぶ「歴史展示コーナー」
横浜市電の歴史だけでなく、あわせて横浜の町の歴史も詳しく解説しています。横浜の町は、市電とともに時を刻んできたことがよくわかります。
イベント開催にあわせて作られたカラフルな切符や、女性車掌さんの制服などの展示も。歩みを止めて、じっくりと見たい興味深いゾーンです。
大人気!市電シュミレーターもある「多目的コーナー」
このエリア一番の人気が、市電のシュミレーター。市電の運転手になって、昭和40年代の横浜の町を走り抜けましょう。きちんと停車場でストップできるかな?
また故吉村栄氏によって寄贈された、鉄道模型の一部が展示されています。蒸気機関車からローカル線まで、圧巻のコレクション。マニアにはたまりません!
館内を見学したあとも、まだ楽しめる!
つい欲しくなるオリジナルグッズ
入口付近のショップでは、つい手に取りたくなるオリジナルグッズを販売しています。現在横浜市を走る市営バスの模型や、横浜の観光地をめぐる「あかいくつバス」のチョロQ、市電の路線図を複写したクリアファイルなど、ここでしか手に入らない品もたくさん。ぜひ寄ってみてくださいね。
「しでんほーる」でプラレールあそび
最後の最後まで楽しめる市電保存館。本館向かいにある別館2階の「しでんほーる」では、プラレールで遊べるんです(市電保存館に入場した方のみ・1人30分間無料)。各々自分だけのスペースとプラレールボックスを提供され、30分間自由に電車を走らせられますよ。
横浜市電の面影を探しに行こう
現在の横浜の町では、その面影をほとんど見出すことのできない横浜市電。しかし横浜市電保存館は、確かに横浜の町が、市電と共に歴史を刻んできたことを感じさせるノスタルジックな空間です。
大人もこどもも楽しめる、横浜市電保存館にぜひ足を運んで、タイムトリップしてみてはいかがでしょうか。
- 横浜市電保存館
- 横浜 / 博物館 / 子供が喜ぶ
- 住所:横浜市磯子区滝頭3-1-53地図で見る
- Web:http://www.shiden.yokohama/