ゴールドコーストから3時間弱で行ける「スタンソープ」。日本人には馴染みのない名前ですが、クイーンズランドの地元民にとっては「週末プチ旅行」の定番スポットです。今回はそのスタンソープの楽しみ方をご紹介します。
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スタンソープとは
今回お話しするのはクイーンズランド州(QLD)の州都ブリスベンの南200km、お隣のニューサウスウエールズ州(州都はシドニー)との州境にある「グラネットベルト(Granite Belt)」と呼ばれる地域で、南北約50キロメートル、東西約25キロメートルにわたる比較的大きな地域です。
この地域には「アップルソープ」「グレンアプリン」「バランディーン」などのたくさんの街があるのですが、この地域の中心が「スタンソープ」という街なので、地元の人々はグラネットベルト地域全体をスタンソープと呼んでいます。
ちなみに以下の写真は、そんなスタンソープ地域の中心地となっている「スタンソープ」の街の様子です。役所やスーパー、ホテルやレストランはここに集中しています。
- 出典:commons.wikimedia.orgPhoto by Vmenkov, CC BY-SA 3.0
なお、以下よりこの記事で触れている「スタンソープ」は、街としての「スタンソープ」ではなく、エリアとしての「スタンソープ」を指します。
ゴールドコーストでは見られない風景
一年中温暖なクイーンズランドの主要都市(ブリスベンやゴールドコースト、サンシャインコース)に比べて、このスタンソープは内陸部の高地にあるため、四季の変化が顕著です。
- 出典:commons.wikimedia.orgスタンソープの秋 Photo by Kerry Raymond, CC BY 4.0
- 写真:Booboo56日本人にとっての囲炉裏端?
私たち日本人にとっては珍しくない事ですが、クイーンズランダー(QLDの地元民)にとっては、「赤や黄色に彩られた紅葉」や「牧草地の朝露」「暖炉にあたりながら楽しむ雪景色」は、ほんとうに非日常!
ということで、スタンソープは秋から冬にかけてが観光シーズンになります。
- グラネットベルト(スタンソープ)
- オーストラリア / 町・ストリート
- 住所:41-43 Railway St, Stanthorpe QLD 4380地図で見る
バランディーンでワイナリー巡り
スタンソープはリンゴや葡萄などの果樹の栽培が盛んで、ここで作られるイタリア種の葡萄を原料としたワインをつくるワイナリーが50近くあります。
イタリア種といっても色々あるのですが、サンジョヴェーゼ (Sangiovese)や、ムールヴェドル (Mourvedre)などオーストラリアのブドウの生産高の1%にも満たない稀少な品種を使っているということで有名です。
ワイナリーが多くあるのは「バランディーン」という街。セラードアと呼ばれるワインの試飲販売をする施設を持つワイナリーだけでなく、レストラン、宿泊施設をそなえた大掛かりなワイナリーなど、いろいろなスタイルのワイナリーがあります。
ご参考までに、筆者がある日に回ったワイナリーをご紹介します。
上の写真は「ゴールデングローブ・エステート」。比較的大きなワイナリーです。テイスティング代として5ドル(約420円)支払いますが、このワイナリーのワインを一本でも購入すればテイスティング代は返金されます。
こちらは「シンフォニーヒル・ワインズ」。ワインバーのようなおしゃれなセラードアです。真ん中にあるワイン「Danying」はオーナー夫妻が中国から迎えた養女の名前で、このワインの売り上げの何割かが彼女がいた孤児院に寄付されるんだそうです。
ワインはちょっと、、、という人にはクラフトビールの醸造所もありますよ。下の写真「グラネットベルト・ブルワリー」は、山小屋風の落ち着いた雰囲気でした。
ほかに、地元のりんごを使ったリンゴジュースやアップルサイダー(りんごの発泡酒)、りんご酢、アップルパイ、りんごジャムなども有名ですから、お酒が飲めない人はりんごを狙って行きましょう。
ちなみにこちらは筆者がお気に入りの「ピラミッドロード・ワイナリー」。残念ながら、2020年は煙害のため、収穫量が少なく全てのワインは売り切れ。セラードアーは休業中でした。
- ゴールデングローブ・エステート
- オーストラリア / ワイナリー / ワイン
- 住所:337 Sundown Rd, Ballandean QLD 4382地図で見る
- 電話:(07) 4684 1291
- シンフォニーヒル・ワインズ
- オーストラリア / ワイナリー / ワイン
- 住所:2017 Eukey Rd, Ballandean QLD 4382地図で見る
- 電話:(07) 4684 1388
- Web:https://symphonyhill.com.au
- グラネットベルト・ブルワリー
- オーストラリア / クラフトビール
- 住所:146 Glenlyon Dr, Stanthorpe QLD 4380 オーストラリア地図で見る
- Web:https://granitebeltretreat.com.au/brewery/
- ピラミッドロード・ワインズ
- オーストラリア / ワイナリー / ワイン
- 住所:25 Wyberba Lane, off Pyramids Road, Wyberba QLD 4382地図で見る
- 電話:(07) 4684 5151
- Web:https://pyramidsroad.com.au
ギラウィーン国立公園でハイキング
スタンソープの南の端、ニューサウスウェールズ州の州境の「ギラウィーン国立公園」には大きく分けて3つのウォーキングトラック(Walking Track=ハイキングコース)があります。
このうちオススメは「ギラウィーン・ビジターセンター(Girraween Visitor Centre)」から出発する「ノーザン・ウォーキングトラック(Northern walking tracks)です。
- ギラゥイーン・ビジターセンター
- オーストラリア / 観光案内所・ビジターセンター
- 住所:Girraween QLD 4382地図で見る
グラネットアーチ
ノーザン・ウォーキングトラックの中でも気軽にハイキングを楽しみたい人は、この「グラネットアーチ(Granite Arch)」を目指して歩きましょう。このコースは往復1.6km、平坦で30分もあれば回れるので、子供でもお年寄りでもOKです。
ハイキングコースの始まりに「グラネットアーチ」の成り立ちを説明する看板がありますが、この看板は実物を見てから帰りにじっくり読んだほうがいいので、とりあえずは読まずにズンズン歩いていってください。
すると、月のクレーターを思わせるこんな地形を通ります。その先を左に行くと「グラネットアーチ」が現れますよ。
ピラミッド
おなじくノーザン・ウォーキングトラックの中でも、日本ではできないような山登りをしてみたい人は、「ピラミッド(The Pyramid)」を目指すコースがおすすめ。このハイキングコースは往復3.6km。上りはきついですが、2時間半ぐらいで出発点の「ギラウィーン・ビジターセンター」に帰ってこられます。
先程「クレーターみたいな地形」とご紹介した場所の先を右に進んだところにありますから、先にグラネットアーチを見てから、またここに戻り、それからピラミッドを目指すこともできます。その場合でも3時間ぐらい見ておけば大丈夫です。
上の写真が「ピラミッド」。名前の通り、ピラミットの形をした一枚岩の山です。一枚岩といえば、日本で映画やドラマにも登場して有名になった「エアーズロック」がありますが、このピラミッドはそのエアーズロックに次ぐ大きさの一枚岩です。
しかしこのピラミッドにたどり着くまでの行程が難関。まずは、こんな奇岩の中の遊歩道を歩いていくと、岩山の麓にたどり着きます。
その岩山を登っていくのですが、もちろん整備された道などないので、岩の表面に書かれた矢印に従って登っていきます。斜度が半端ないので、途中でギブアップする人もちらほら。岩の表面には苔が生えていて、濡れていると滑りやすいので、濡れたところを歩くときは注意が必要です。
でも頂上からの景色は絶景!頑張って登ってよかったと思える瞬間です。頂上からはこの他にもいろいろな「映え写真」が撮れますよ。どんな景色かは行ってからのお楽しみにしておきましょう。
- ギラウィーン国立公園
- オーストラリア / 自然・景勝地 / ハイキング
- 住所:Pyramids Rd, Ballandean QLD 4382地図で見る