オーストラリアの各都市では、それぞれ個性的な図書館が存在しますが、パース市内にも洗練された市立図書館があります。旅行好きなら誰もが憧れるアマンリゾートの創立者のひとりで、リゾート建築の第一人者である、パース出身のケリー・ヒルが手掛けたパース市立図書館をご紹介します。
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パース市立図書館
パース市内の中心地に位置するパース市立図書館は、2016年にオープンしました。リゾート建築の第一人者でパース出身の建築家ケリー・ヒルが手掛けており、彼の世界観をふんだんに取り入れたリゾート感あふれるモダンな建築です。
パースの街は古い建物と新しいビルディングが融合された街並みが特徴的だと言われていますが、その中でもパース市立図書館は、セントジョージ大聖堂と旧財務省ビルのコモ・トレジャリー ホテルが近くにあり、歴史的建築物に囲まれている環境にあるので、特に円形モダンな造りには目を惹かれるでしょう。
とは言え公立の図書館ですので、もちろん誰でも入ってゆっくりと本を読むことができます。またデスクワークスペースもあるなど、市民にも人気の図書館です。
エントランス
エントランスはヘイストリート側にあります。ガラス張りの高級でモダンな外観から見える館内は、リゾートホテルのラウンジのようです。
館内
中に入ると、やはりそこは図書館で、本に囲まれた円形のスペースに円形のベンチが設置されています。従来の図書館らしくない、リゾートホテルのような柔らかい光の空間が心地良く、リラックスして勉強や仕事に励める環境です。
オーストラリアでは1階をグランドフロアと呼びます。この図書館は中1階、1階から5階と、7つのフロアがテーマごとに分けられています。
メインライブラリーの1階では、このように低い本棚に本が陳列されています。また館内は、小さいお子さんが本を読めるスペースも充実しています。市内観光で少し休みたい時に立ち寄ることもおすすめです。
天井壁画
吹き抜けの天井には、アーティストのアンドリュー・ニコールズによる「Delight and Hurt Not」というタイトルの壁画があります。これは西オーストラリアの動植物が描かれた、シェイクスピアの戯曲『テンペスト』の最終幕が描かれているもので、アーティスティックなモダン建築物に壁画アートが描かれている様子は圧巻です。
テラス
3階には屋外のテラスがあり、屋外好きなオージーたちはこのスペースで勉強したり、仕事をしたりしています(写真は閉館近い時間だったため、誰もいません)。
階段
もちろんエレベーターも設置されていますが、階段も必見です。
建物がガラス張りになっていて、自然素材である木材が施されていることから、柔らかい自然光が建物に入り込み、時間や天気によって館内の明るさが変わります。まるで森の中にいるような自然の明るさが醸し出され、ケリー・ヒルによる建築マジックを体感できるでしょう。
ライブラリーバッグ
あまり知られていませんが、この図書館ではライブラリーバッグが販売されており、エコバックとして、お土産にもぴったりです。
コットンのシンプルなデザインのライブラリーバッグで、こちらは西オーストラリアのワイルドフラワーが描かれています。デザインは5種類で、しかもお値段はとってもリーズナブルな3ドル(約250円)です。
ちなみに天井の壁画にも描かれている、「Delight and Hurt Not」の絵本も販売されています。オーストラリアの固有種の動植物が描かれていて、こちらも旅の思い出として自分用に購入しても良いですね。
この記事を書いたトラベルライターから一言
大手町にある高級ホテル「アマン東京」の設計を手掛けた事でも有名な、世界的リゾート建築家のケリー・ヒルさんですが、残念ながらアマン東京を手掛けた後にお亡くなりになっています。
パース出身ということもあり、実はパースにはケリー・ヒルが手掛けた建築物が幾つか存在していて、市立図書館のお隣のコモ・トレジャリーの内装も手がけています。パースにお越しの際には、ケリー・ヒルの世界観を体感できる、パース市立図書館にお立ち寄り下さい。(bemnty)