オーストラリアにある世界遺産の中でも、ひと際有名なウルル=カタ・ジュタ国立公園。「地球のおへそ」とも呼ばれるウルル(エアーズロック)ですが、みなさん一度は見たり聞いたりしたことがあると思います。1日を通し様々に表情を変える雄大なその一枚岩は、1日中見ていても飽きることがありません。どんな時も寄り添ってくれているような、そんな大地の偉大さを感じることは、人生観を考えるいい機会にもなるはずです。ぜひ自分の目でみて、色々考えてみてほしいスポットです。
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ウルルについて
「オーストラリア」と聞いて思い浮かぶものは皆さんそれぞれ違うでしょうが、ウルルについては少なからず知識があるかと思います。今回は、さらに少し知識を深めてみていただけたらと思います。
本当に大きくて有名なウルル、日本では映画『世界の中心で、愛をさけぶ』の舞台の一つとして使われ、一躍有名に。映画を観て大泣きした方も多いのでは。
ですが、実はウルルは世界で二番目に大きい一枚岩なんです。そう、一番目じゃないんです。世界最大級!とよく見ると書かれていたり、オーストラリア人でも二番目と知らない人は知らないですし、世界一と本当に書かれていたりもしますよ。
世界一の一枚岩は同じオーストラリアにある、マウント・オーガスタス(比高885m)で、エアーズロック(比高333m)の約2.5倍もあります。なのになぜウルルの方が有名なんでしょうか?それには、あとで紹介する歴史的背景や、中心シティからの行きやすさが関係しているといわれています。
ウルル?エアーズロック?
「地球のへそ」だったり、「エアーズロック」だったり、様々な呼び名がありますが、「エアーズロック」という呼び名の認識が強い方もいるのではないでしょうか。実際ウルルのことをそう呼んでいた時期があります。
同じものを指していても、名前が2つあるの?と困惑している方がいらっしゃるかも知れません。それには歴史的背景が関係しています。
オーストラリア大陸は何十万年も前からあり、まだ世界が陸続きだった頃に移動してきた人類が住んでいました。孤立した大陸では特有の文化が生まれ、発展していきました。そこへ1770年、イギリスからの入植者が入ってきます。
植民地化していく中で、もともとその土地に住んでいた人たち(アボリジニ)への、暴力・迫害が起こります。彼らは何万年もの間その土地を守り、愛してきたのにも関わらず、土地の権利をも奪われてしまいます。ウルルも例外ではなく1873年、発見した探検家により「エアーズロック」と名づけられます。
そこから約100年以上も経った1985年、ウルルと国立公園の所有権がアボリジニのアナング族へ返還されます。その後政府とのリース契約を経て、1987年にユネスコ世界遺産にアボリジニの聖地として彼らが呼んでいた「ウルル」の名前で登録されました。
アボリジニの聖地
今ではオーストラリアの一大観光スポットのウルルですが、アボリジニにとっては大切な聖地です。彼らの中でも祭司しかウルルに登ることは赦されておらず、今でも行事が行われています。
神聖な場所として観光客をいれず、守りたいと思う反面、彼らにとっての貴重な収入源として観光客の立入を禁止はできないのです。そこに私たちがなにも敬意を払わず登るのは、なにか考えさせられませんか。筆者がツアーでいった時も、1,2組が登っていただけでした。
ウルルに登るも登らないも自己責任です。ちなみに天候によって登山禁止になることがあります。雨だったり、風が強かったり、晴れすぎていてもダメです。運がよければ、せっかくですので登山するのもいいとは思いますが、アボリジニ、そして大地に敬意を払いましょう。
色を変える魔法の岩
何万年もの間、人々を守り育んできた広い大地、そこに突如として表れるウルル。アボリジニは水に、木々に、生物の中に神をみます。その全てに感謝して、ウルルで祈るのです。この記事で紹介しているのは、ただの大きい岩です。しかしそんな事を考えながら眺めるウルルは、また一層美しくみえることでしょう。
浸食によりできた岩石のウルルは砂岩からなり、その砂岩に含まれる鉄が酸化して、赤みを帯びています。朝一の明るいオレンジから夕方のピンクまで、刻一刻色味を変えながら佇むウルルを写真でまとめます。写真では伝えきれない感動があります。ぜひ、自分の目で見て欲しい世界遺産の一つです。
おススメ渡航時期
ウルル一帯は、砂漠地帯特有の、昼夜・夏冬の気温差が激しいのが特徴です。夏期(12~5月)は、日中40度近くまで温度が上がりますが、夜は肌寒くなることもあります。冬期(5~11月)は日中は過ごしやすいのですが、朝晩には零下になることがあります。
エアーズロック(ウルル)へ行く際には、ウィンドブレーカーやジャケットを持参しましょう。そのうえで考えると10月、11月がベストです。最も日中と夜の寒暖差が少なく、また日中の気温も夏場ほどあがることはありません。
おススメのイベント
筆者もまだ実際にみることができていませんが、ウルルではField of Lightというイベントが行われています。芸術家ブルース・マンローによる光の芸術イベントで、2016年から延長が決定し2018年3月31日までです。
5万以上のライトで彩られる大地とウルルとのショットは、疑う余地はなく最高でしょう。下記リンクより雰囲気を360度で楽しめます。
最後に
いかがでしたでしょうか。もしウルルに行く機会があった場合、ただ眺めるだけよりも少し色々考えながら眺めて欲しいです。これを読めばツアーに参加しても、個人でも楽しめること間違いなしです。
- ウルル=カタ・ジュタ国立公園
- オーストラリア / 自然・景勝地
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- エアーズロック(ウルル)
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