伊豆の国市といえば世界遺産の韮山反射炉が有名ですが、反射炉の時代よりずっと前の時代の史跡にも、歴史の教科書に書かれている有名人や事件に縁あるスポットがいくつもあるのです。中には国指定史跡や国宝も!そんな伊豆の国市の韮山(にらやま)エリアにある史跡をご紹介します。
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中世の関東を動かした歴史の源流地 北条の里
伊豆の国市の韮山は、鎌倉幕府の将軍となる源頼朝が少年時代に流刑を受け在住した地で、この地の豪族の娘である北条政子と夫婦となります。この地の一豪族だった北条氏は、以後、代々執権として鎌倉で政治の中心を担っていきました。
また、関東で室町時代から戦国時代の幕を開けたともいわれる北条早雲(伊勢宗瑞)が本拠地とし、最期まで住んでいたのも、韮山の城でした。以後の戦国時代は小田原の北条氏が関東を席巻しますが、その始まりは韮山だったとも言えるのではないでしょうか。
そんな歴史を感じられるスポットが多い韮山。特に「北条の里さんぽ路」の周辺には、中世の史跡が集まっています。この記事では北条の里さんぽ道を中心に、歩いて訪ねることができる範囲のおすすめの歴史スポットをご紹介します。
駐車場に車をとめて、史跡さんぽへ
これから記事で紹介するスポットは、住宅街で細い道も多いので、自家用車でしたら市営の守山東駐車場(無料)に駐車して徒歩でまわるのが便利です。韮山駅からバスもありますが、駅から守山東駐車場まで徒歩15分ほどなので、電車を利用する人でも歩いていける距離だと思います。
ここからは、守山東駐車場から「北条の里さんぽ路」を歩いて訪ねていきます。
北条政子産湯の井戸
守山東駐車場から歩いて間もなく、左に「北条政子産湯の井戸」の案内が見えます。井戸跡はこの石柱の場所にあるのではなく、横の道を行った先にあります。
道のつきあたり、住宅そばにひっそりと井戸跡はあります。この水を汲んで妊婦さんが安産を祈る風習が近年まであったそうですが、現在は飲むことができません。
伝堀越御所跡
井戸から元の道へ戻り進むと、右手に「伝堀越御所跡(でんほりごえごしょあと)」の案内表示がみえてきます。堀越御所とは、室町時代に京都を本拠としていた幕府の足利将軍が、対立していた関東の足利氏(古河公方)に対抗するために、関東の将軍として送った足利氏(堀越公方)が住んでいた場所です。
1493年に北条早雲(伊勢宗瑞)が伊豆に討ち入り堀越御所を襲撃しますが、これが後に北条早雲の子孫が戦国時代の関東で台頭した先駆けともいえる事件でした。現在は空き地ですが、発掘調査で池の跡などが確認されており、日本の中世の歴史を物語る重要な遺跡ということで、国の史跡に指定されています。
- 伝堀越御所跡
- 伊豆 / 遺跡・史跡
- 住所:静岡県伊豆の国市四日町字御所ノ内 伝堀越御所跡地図で見る
- Web:https://www.city.izunokuni.shizuoka.jp/bunka_bunka...
北条氏邸跡(円成寺跡)
さらに道を行くと狩野川に突き当たり、道を左に行くと、鎌倉で執権となった北条氏の邸があった「北条氏邸跡(ほうじょうしていあと)」があります。
また鎌倉幕府が滅亡し、執権北条氏が自害して果てた後に、生き残った一族の円成尼(えんじょうに)をはじめ女性たちがここに移り住み建立した尼寺「円成寺」の跡でもあります。国指定史跡ですが、2019年1月現在は調査中で立ち入り禁止となっています。
北条氏邸跡と隣接する「狩野川さくら公園」には駐車場やトイレも設置されているので、自家用車ならこちらに駐車して、上で紹介したコースを逆に歩くこともできますよ。
- 北条氏邸跡(円成寺跡)
- 伊豆 / 遺跡・史跡
- 住所:静岡県伊豆の国市寺家 北条氏邸跡(円成寺跡)地図で見る
- Web:https://www.city.izunokuni.shizuoka.jp/bunka_bunka...