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獅子頭の鎮座する拝殿
盃割り舎で厄を落とした後は、境内のさらに奥へ進みます。正面に我々を出迎えてくれるのは真っ赤な獅子頭(ししがしら)が鎮座する拝殿です。
正面に大きな獅子頭が一つ、それより幾分小さめの獅子頭が両サイドに一つずつ、他の神社にはない珍しい光景ではないでしょうか。
獅子は厄を食べ、幸せを招くと言い伝えられています。お正月の獅子舞は、わざと人の頭を咬んで行きますね。獅子は人の頭を咬むことによって、その人の厄を食べてくれるからなんですよ。
鎌倉宮で獅子頭を祀っているのは、当然護良親王に縁のあるものだから。
護良親王は戦に向かう際に、小さな獅子頭をお守りとして、自らの兜の中に忍ばせていたそうですよ。
境内では、小型サイズの獅子頭が厄除けのお守りとして授与されています。鎌倉では、交通安全のお守りとして、車のダッシュボードに置く人が多いんです。鎌倉では定番の交通安全のお守りといっても過言ではありません。
身代わりさま
拝殿の右奥には、「身代わりさま」と呼ばれる木像が鎮座しています。
リアルな人間サイズの大きな像です。像の台座には「撫で身代り」と書かれていて、参拝客は、それぞれ思う所のある部位を撫でていきます。多くの人に撫でられているので、像は非常につるつるとした表面をしています。
この像は、「村上義光(むらかみよしてる)」という人を模した像です。村上義光は護良親王の忠臣でした。
幕府軍と戦っている折、戦局が悪化し護良親王がピンチになりました。幕府軍から親王を守るため、村上義光は親王の鎧を着て敵の前に出ていきます。
村上義光は敵の前に立ち、「私は護良親王だ。今から私が切腹する姿を見て、お前たちが切腹するときの手本にせよ。」と言い放って自ら切腹します。
この像は自らの命を捨てて、親王の身代わりとなった村上義光にちなんだものなんですね。
現在では、身代わりから転じて、自らの身体の悪い部分と同じ箇所を撫でれば、病気回復のご利益があると伝えられています。
護良親王が幽閉された土牢
拝殿を挟んで身代わりさまの反対側には、護良親王が幽閉されたと言われる土牢への入り口があります。ここからは、拝観料の300円をお納めして、奥に進みます。
深い緑に囲まれた境内の奥に、護良親王が幽閉されていたと言われる土牢があります。
護良親王は、幕府を討伐したあと、足利尊氏の謀反にあい、土牢に幽閉されてしまいます。親王にもかかわらず、粗末で暗い土牢に9か月間も幽閉されたと言われています。
9か月の幽閉のあと、足利尊氏の弟により牢の中で暗殺され、28歳という若さでこの世を去りました。
土牢の正面には、白壁に菊の御紋があります。なんだか、そういった歴史を知って訪れると、この御紋に重みと凄みを感じますね。
御構廟
さらに土牢の奥には、クスノキ、モミジ、アジサイなど緑生い茂る御神苑(ごしんえん)があります。
緑豊かな庭園という感じですが、この中に御構廟(おかまえどころ)があります。
御構廟は、護良親王の首が置かれた場所です。御首塚ともいいます。
足利尊氏の弟により暗殺された護良親王は、その暗殺されたときに使われた刀を噛み折り、死んでも離さなかったので、足利尊氏の弟は恐れをなし、首をこの塚の上に置いて逃げ去ったと言われています。
この御構廟の前に立つと、とっても壮絶な一生に、なんだか背筋がゾクゾクするものがあります。
おわりに
壮絶な歴史をたどる旅でもあった鎌倉宮の散策。護良親王がお守りにしていたもの、支えた人がそのまま祀られているのも、歴史を学んで巡ると見ごたえがありますね。
また鎌倉宮は、鎌倉では大定番の厄除けスポット。厄除けに限らず、何か気持ちをリセットしたい!というときも、気持ちをスッキリさせてくれるパワースポットですよ。
ぜひ、歴史探訪&厄除けに鎌倉宮に訪れてみてくださいね。
- 鎌倉宮
- 鎌倉 / 神社 / 観光名所 / 紅葉 / パワースポット / あじさい名所
- 住所:神奈川県鎌倉市二階堂154地図で見る
- 電話:0467-22-0318
- Web:http://www.kamakuraguu.jp/