日本で人気の高まっているクラフトビールですが、オーストラリアでも非常に人気があり、様々な醸造所でたくさんの種類が造られています。この記事では、ビールの種類と、種類別のおすすめ商品、オーストラリアでクラフトビールを飲むいくつかの方法をご紹介します。ビールの種類で選ぶか、醸造所で選ぶかはあなた次第!いろいろ試して自分にあったビールを見つけてくださいね。
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クラフトビールとは
最近よく聞く「クラフトビール」。もともとは小さな醸造所(マイクロブルワリーとかブティックブルワリーと呼ばれています)で作られたビールのことを指します。
ここオーストラリアでは、大手ビールメーカーがマイクロブルワリーを吸収合併して、大々的に売り込んだ結果、クラフトビールが大流行し、個人経営のマイクロブルワリーも増加。クラフトビールは、まさに百花繚乱状態です。
オーストラリアのクラフトビールを飲んでみたい。でも何を飲んだらいいかわからない。そんな人のためにクラフトビールの種類とオススメビールをご紹介します。
クラフトビールの種類
オーストラリアの王道ビールは日本のキリンやアサヒなどのビールと同じ「ラガービール」で、スッキリした味わいの、ゴクゴク飲めるタイプです。一方、クラフトビールは「エール」と呼ばれるラガーとは違った醸造法で造られたビールが主流で、様々な味や香りを楽しみながら飲めるのが特徴です。
伝統的なエールビール
ペールエール(Pale Ale)
ペールエールは18世紀のイギリスで生まれました。苦味が少なく、モルト(麦芽)の甘味と香りを感じることができるビールです。
オススメは下の写真のジェームス・スクワイアー ワンフィフティー ラッシース(James Squire One Fifty Lashes Pale Ale)。シドニーの醸造所で、オーストラリアで初めてビールを造ったと言われるジェームス・スクワイアー(James Squire)にちなんでつけられました。
盗んだ原料でビールを密造していたジェームス・スクワイアーが、盗みの罰として受けた「鞭打ち150発(One Fifty Lashes)」を名前にもつこのビール、今のクラフトビールブームの火付け役になったと言えるほどの人気ビールです。
インディア ペールエール(India Pale Ale)
アイピーエー(IPA)と略されて呼ばれることが多いこのビールは、先にご紹介したペールエールをイギリスの植民地インドに輸出する際、腐敗しないようホップの量を増やして造ったのが始まり。ペールエールにホップの苦味が加わり、アルコール度数も高いのが特徴です。
「ペールエールは何となくガッツが足りない」と思ったら、これを試してみてください。結構癖になる味ですよ。このIPAのホップをもっと多くしたインペリアル・インディアペールエール、通称ダブルIPA(IIPA)というのもあります。
オススメは上の写真のニューステッド ツウ トゥ ザ バレー(Newstead Two to the Valley) IPA。アルコール度数6.4%、インパクトのある味です。
フルーティでトロピカルな味のエール
筆者がオーストラリアのクラフトビールの中で特に好きなのは、次にご紹介するXPA、サマーエール&パシフィック エールです。
エクストラ ペールエール(Extra Pale Ale)
エックスピーエー(XPA)はIPAよりは軽やかで、ペールエールよりはホップの量が多く、「エクストラ」な個性があるビールだそうです。その個性は色だったり、香りだったり、味だったり、ビールによって色々で、一概には言えないのですが、筆者のイチ押しはこのバルター(Balter)XPAです。
とにかく軽やかで、フルーティー。トロピカルでフローラルなアロマが特徴のビールなので、キレがあるラガー好きには受け入れてもらえないかもしれませんが、ものは試し、新しい発見があるかもしれないので、ぜひ飲んでみてください。2017年にクラフトビールの人気コンテスト(GABS HOTTEST100 Aussie Craft Beers2017)で第1位になったビールです。
サマー エール&パシフィック エール(Summer Ale&Pacific Ale)
この二つのエールはほとんど同じタイプのビールで、フルーティな味が特徴です。どんなフルーツの香りがするかは、使われるホップの種類によって変わり、オーストラリアのホップを使うとパッションフルーツの味が強くなるとのことです。
オススメはこのストーン&ウッド パシフィック エール(Stone&Wood Pacific Ale)です。2017年のクラフトビールの人気コンテストで第二位になったことを見てもわかる通り、バルターと肩を並べる美味しさです。
アルコール度数は先にご紹介したXPAの方が高いのですが、筆者にはXPAとこのサマー/パシフィック エールの味の違いがあまりわかりません。どちらにしても「フルーティーでトロピカル」なゴージャスなビールであることには違いありません。
セッションエール(Session Ale)
この2、3年人気が出てきたビールです。エールビールの特徴であるフルーティー、甘味のある味わいは生かしながら、飲み続けても酔っ払わないよう、アルコール度数を低くしたビールだそうです。