時間があれば憧れる、のんびりと時間をかけて進む鉄道の旅。異国なら、なおさら冒険心が掻き立てられませんか?そんな人にこそ挑戦してもらいたいのが、香港~上海の寝台列車の旅です。香港から上海へは片道19時間で到着できるうえ、日本の近隣国である香港発なら「あまり時間がない…」という人でも挑戦しやすいはず◎また「中国の電車なんて、不安…」と思っている人は特にビックリしちゃうほど意外と快適な陸の旅だから、「普通の旅行じゃ物足りないし、時間もある!」という人こそ、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか?
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〈香港~上海〉寝台列車の基本
総距離と所要時間
香港と上海の総距離は、約1,500km、マイルで換算すると932マイル離れており、通常フライトであれば1時間半ほどの旅路です。そこをあえて寝台列車に乗り、時間をかけて移動するところにロマンを感じずにいられない人は筆者だけではないはずです!
4種類ある座席の種類
香港と上海を結ぶ寝台列車の場合、基本的に「硬座・軟座・硬臥・軟臥」の4種類のシートから選びます。「座」は椅子、「臥」は寝台を表しており、意外と快適な陸の旅とはいえ、19時間もの時間を過ごす車内のシートだからこそ、「臥」と付く寝台を選ぶことが、快適に過ごす条件としてもとっても大切です。
この「臥」と付く寝台の場合、コンパートメントが何人用であるかをはじめ、カーテンやテレビなど付属品による快適さが異なってきます。たとえば、「硬臥」はコンパートメントに3段ベッドが2つあり、計6ベッドが配置されています。一方、「軟臥」の場合は、硬座に比べると2倍近い値段に上がるものの、カーテンを閉めれば個室になるコンパートメントに4ベッドと1人1人に与えられる空間が広くなるためより快適な旅ができるのです。
実際に、「軟臥」は1等寝台、「硬臥」は2等寝台として捉えられており、さらに快適さを求める場合には、数が限られているものの、2人個室であるデラックス軟臥を選ぶこともできちゃいます!
※ちなみに、筆者は2等寝台クラスの「硬臥」を選択しました。
おすすめなのは1番上の寝台
4種類ある座席の種類から「軟臥」もしくは「硬臥」と寝台を選んだら、ベッドの位置も希望することができます!このとき、プライバシーを大切にしたいのであれば、絶対におすすめなのが1番上の寝台ベッドです。1番下になると、同じコンパートメントになった乗客のお友達や親族などがやってきてはそこに座り、お菓子を食べお喋りを楽しむことも…。
そのため、旅の目的は「とにかく現地の人と仲良くなる!」という人であれば、あえて1番下の寝台ベッドを希望するのもアリかもしれません◎ただし、トイレに立つときなど貴重品以外の荷物が気になるという人であれば、物理的に高さがあって盗難などの危険性が低くなる1番上の寝台がおすすめです!
切符の購入方法と料金の目安
希望の乗車日はもちろん、座席の種類や寝台の位置まで希望を決めたら、いざ切符を購入しましょう!切符の購入方法は、基本的に駅の窓口で購入するのが一般的です。とはいえ、「中国語に自信がなくて窓口購入は不安…」という人であれば、手数料を支払って旅行代理店にお願いする方法もあります。
ただし、切符を買うときから冒険心を高めてもらいたいからこそ、おすすめは窓口で直接チケットを購入する方法です。中国語が全くできないという人も、事前に購入したいチケットに関する情報を箇条書きにした紙を窓口の人に見せれば、語学ができなくても購入することができます。
- 日付(○年○月○日)※日本の西暦と同じ
- 出発駅(九龍站)
- 到着駅(上海火車站)
- 座席タイプ(硬臥)
この4つの情報を箇条書きにして見せるだけで、ほぼ間違いなく購入することができるはずです◎なお、料金は硬臥で380元(約6,600円)でしたが、希望する座席の種類によって異なります。また、5歳以下の子どもは大人が同伴の場合に限り無料ですが、座席はないため、座席もしくは寝台を一緒に使用することが条件となります。
購入時および乗車時に必要なもの
中国でも香港は特別区であるため、香港から上海への移動には「パスポート」が必要です。切符の購入時と乗車時、さらに到着時にはイミグレーション(検疫)があるため、パスポートは貴重品とともにすぐに提示できるよう準備しておくことが大切です。
なお、移動中も乗員によるパスポートや切符のチェックがあるため、乗車時だけでなく乗車中もすぐに見せられるように用意しておきましょう!
のんびりと19時間の鉄道旅を楽しむのみ!
列車内には食べ物や飲み物を持ち込めるのはもちろん、車内販売も頻繫に行われているため安心です!普段あまり見ることのない永遠と続く中国の田舎景色を車窓から楽しんだり、飛行機ではなく19時間かけて行う列車移動だからこそ目にする風景や出会いが、大切な旅の思い出になるはずです◎