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【北海道・小樽】料亭旅館「銀鱗荘」で過ごす大人のちょっと贅沢な旅

取材・写真・文:

北海道在住
訪問エリア:47都道府県

2021年6月10日更新

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旅行に行く際、みなさんは何を決め手に宿選びをしていますか?コスパ抜群のビジネスホテルで街歩きを楽しむもよし、ひなびた温泉宿でお湯とお料理を楽しむもよし、リゾートホテルでスパやオーシャンビューを楽しむもよし!行き先や旅行プランによってどんな宿を選ぶかもさまざまですが、高級旅館に泊まって過ぎゆく時間にただ身をまかせる…たまにはそんな贅沢なプランはいかがでしょうか?今回は小樽にある歴史的建造物「銀鱗荘」に泊まる価値ある一泊をご紹介します!

この記事の目次表示

料亭旅館「銀鱗荘」とは

北海道の迎賓館、料亭旅館「銀鱗(ぎんりん)荘」は、小樽市指定歴史的建造物であるとともに、北海道文化財100選の一つにも数えられる大変貴重な建物です。明治6年、余市(よいち)町に築造された大網元・猪俣安之丞氏の絢爛豪華な邸宅を、昭和14年に現在の小樽市に移築するとともに料亭旅館として創業を始めました。

当時ニシン漁で栄えていた日本海側には網元の邸宅がいわゆる鰊御殿(にしんごてん)と呼ばれ今でも残っていますが、「銀鱗荘」ほど勇壮かつ優美な姿で現存し、その栄華を今に伝えているのは大変に珍しいことです。

当時の栄華が偲ばれる建物と客室

  • 歓談スペース

建物が移築されたのは小樽港の東端、平磯(ひらいそ)岬と呼ばれる市内でも屈指の景勝地。館内に1歩足を踏み入れると、余市から移築されてきたことが俄には信じがたい風情です。まるで100年を超える長い間、ずっとこの平磯岬から小樽市の変化と成長を見守り続けてきたようです。

客室は本館・新館それぞれにゆったりと寛ぐことができる純和風のお部屋が用意されていますが、本館には2部屋だけ洋室も用意されています。

  • 洋室「はまなす」

もともと旅館として築造された建物ではないので、部屋の広さや間取りが各部屋で異なります。お部屋に温泉が付いている特別室も用意されているので、予算に合わせて選ぶと良いでしょう。もっともリーズナブルに利用できるのは洋室の「はまなす」「しらかば」で、料理の内容は他のお部屋と変わらないそうです。

各部屋の内装や間取り、料金はこちらからご確認ください。

石狩湾を一望できる圧巻の眺望

海抜60mの平磯岬に建つ「銀鱗荘」は、お部屋から見える景色も圧巻です。洋室「はまなす」からは石狩方面を見渡すことができ、石狩湾の浜に沿って往来する札幌発函館本線の電車まで眺めることができます。

圧巻なのは昼の景色だけではありません。平磯岬は夜景スポットとしても人気の場所で、部屋から見る夜景はなんとも贅沢な気分にしてくれます。昼夜どちらの景色も素晴らしいので、時間の許す限り早めのチェックインがおすすめです。

自家源泉を誇る温泉

毎分43リットルの湧出量を誇る温泉は自家源泉(単独泉)。神経痛や疲労回復に効くナトリウム-硫酸塩・塩化物泉で、湯冷めしにくく美肌にも効果があるとされています。

  • 男湯 内風呂(許可を得て撮影しています)

遮るもののない露天風呂からの眺めは、お部屋から見える景色よりさらに開放的です。道内から取り寄せた銘石を配して造られた岩風呂で耳を澄ませば、聞こえてくるのはウミネコの鳴き声や出航するフェリーの汽笛など、情緒溢れる音ばかりです。

  • 男湯 露天風呂(許可を得て撮影しています)
  • 女湯 露天風呂(許可を得て撮影しています)

さらに心打たれるのは、朝の日の出です。ちょうど東を向いているので、水平線から空と海を赤く染めながら昇ってくる朝日を見つめていると、言葉にならない思いで胸がいっぱいになってしまいます。日の出の時間は季節により変わりますが、入浴可能な時間は15:00~24:00/6:00~10:00となっています。

露天風呂は残念ながら、1月中旬頃(2018年は1/11〜)から3月いっぱいまでクローズとなります。日本海から吹き上げる風があまりにも強いためだそうです。内風呂は通年入浴出来ますが、露天風呂を楽しみたい方は4月以降の予約を検討してみてください。

食材の宝庫、小樽を食す

  • 食材イメージ

小樽の魅力の一つといえば、日本海で獲れた新鮮な魚介類。板長自らが選りすぐった旬の食材で調理された豪華な料理も「銀鱗荘」の自慢の一つです。

部屋食が可能なお部屋または広間でいただくことができるお食事は和食になりますが、同じ敷地内には「グリル銀鱗荘」があり、こちらではフランス料理をいただくことができます。

  • グリル銀鱗荘

「グリル銀鱗荘」での食事は完全予約制となっています。夕食をこちらでいただきたい場合には前日までに予約をとりましょう。水曜日は定休日となっていますので、ご注意ください。

また「グリル銀鱗荘」は宿泊者以外も利用することができます。ランチ営業もしていますので、「銀鱗荘」の風格を気軽に味わってみたい方におすすめです。

グリル銀鱗荘
小樽市 / フレンチ
住所:北海道小樽市桜1丁目1地図で見る
電話:0134-54-7010
Web:http://www.ginrinsou.com/meal/french/

鰊御殿ならではのスペース

  • 展望スペース「望楼」

「銀鱗荘」には遠くを見通すことのできる展望スペース「望楼」があります。少し恐ろしいほどの急階段を上った本館の屋根裏部分。小さなスペースですが望遠鏡が置かれており、小樽港から札幌・石狩方面まで、遠くの景観を間近に眺めることができます。その昔、鰊御殿として現役だった頃、毎日ここから海の様子を確かめていたのかもしれませんね。

24時間いつでも利用できますので、昼と夜それぞれの表情を楽しんでみてください。

<今回利用した宿泊プラン>
料金/1泊2食付(1室2名)1名34,710円
客室/本館2階「はまなす」
プラン適用/通年

おわりに

JRで行く場合、最寄り駅は小樽築港(おたるちっこう)駅で、新千歳空港駅からは65分、札幌駅からは25分ほどです。小樽築港駅からはタクシーで5分程度です。急勾配の坂道を上ることになるので、タクシーを利用した方が良いでしょう。

レンタカーで行く場合、新千歳空港からは高速利用で70分、札幌市内からは40分程度です。途中、急勾配・急カーブがいくつかありますので、冬道はくれぐれも注意してください。

歴史的建造物に泊まる、価値ある一泊。絢爛豪華な内装に露天風呂や部屋から見える大自然、さらには北海道の食材をふんだんに使用した贅沢なお食事。これ以上の贅沢はなかなかないでしょう。チェックインからチェックアウトまで、ぜひゆっくりと小樽時間を楽しんでください!

銀鱗荘
小樽市 / ホテル / 旅館
4.6 (40件の口コミ)
料金(目安):81,000円〜90,278円
宿泊時間:15:00〜11:00
住所:北海道小樽市桜1-1地図で見る
電話:0134-54-7010
Web:http://www.ginrinsou.com/

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この記事を書いたトラベルライター

毎日が旅の途中。写真と言葉とデザインと。
旅行情報誌の編集者(エディター)を皮切りに、コピーライター、ディレクター、デザイナーなどのカタカナ職種を歴任。旅行や観光とは切っても切れない関係で、カメラマンの夫とともに年間100泊近い出張&プライベート旅行をしながら、旅するように暮らしています。

撮影のための年間総走行距離は7〜10万km。年間総撮影枚数もおそらくそれくらい。SAFARI Graphicsの屋号でふたりで活動しております。SAFARIのクレジットが入っている写真はおもに主人が撮影したものですが、月夜野が撮影したものやディレクションのみ月夜野というものもあります。

取材やロケも含め、実体験に基づいた旅レポをどんどんお伝えしていきたいと思います。
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