島根県は、大手化粧品メーカーが主催する「ニッポン美肌県グランプリ」で、過去のグランプリ獲得回数が日本一の美肌県です。湿度の高さや日照時間の短さという日照条件もありますが、県内では天然温泉が60か所以上も湧き出る温泉大国であるのが日本一の所以です。今回は、島根県内のおすすめ温泉を厳選して5か所ご紹介します。
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1. 三瓶温泉 亀の湯(大田市・三瓶山)
世界遺産である石見銀山のお膝元、島根県大田市にある三瓶温泉は、江戸時代には石見銀山の坑夫が利用したとの記述もある名湯となっています。島根県の名山である三瓶山は、もともと火山で、マグマの力により温められた温泉が点在しています。
溶岩やマグマにはたくさんのミネラルなどが含有されているので、こうした成分が溶け出した火山性温泉は様々な効能があると言われています。数ある三瓶温泉の中でも、「亀の湯」は三瓶山の南側に位置し、昔ながらの共同浴場でもともと湯治場として親しまれた源泉掛け流しの温泉です。
また、ひなびた温泉好きが推す「日本百ひな泉」で全国ランキングにもランクインしています。
小判型の浴槽には常に温泉が注がれ、湯船からお湯があふれています。源泉温度は37度とぬるめとなっています。夏は、源泉のままがちょうどよく、いつまででも入っていることができる適温です。冬場には、夕方からは加温されます。
胃腸痛神経痛リュウマチに効くと言われ、かつては温泉を治療に生かした病院もありました。現在では、亀の湯の周辺ではお風呂がない家も珍しくないため、地元の人々の憩いの湯として、生活に密着した温泉となっています。
・泉質:ナトリウム-塩化物泉(低張性・弱酸性・低温泉)
・利用料金
大人 300円
子供 150円(小学生以下無料)
2. 出雲湯村温泉(雲南市)
出雲湯村温泉は、ヤマタノオロチ伝説の大河・斐伊川上流に位置する山あいの温泉地です。出雲国風土記にも「漆仁の川辺の薬湯」と記されているほど古くから親しまれています。出雲湯村温泉では、公衆浴場・元湯(漆仁の湯)での日帰り入浴、家族風呂、足湯が利用できる施設があり、元湯の目の前にある湯之上館では宿泊も可能となっています。
さらりとした、くせの無い良質の湯を加熱・冷却・循環等のない正真正銘の源泉100%かけ流しで堪能することができます。元湯では、内風呂と露天風呂があり、温泉の目の前を流れる斐伊川の川のせせらぎを楽しみながら入浴することができます。
泉温は43度とやや熱めで、外気が冷え込む秋から冬にかけて冷えた身体を温めてくれます。温泉の効能としては、特に皮膚病、火傷、あせもなどによく効くと言われています。
・泉質:アルカリ性単純温泉
・利用料金
大人:300円
子供:130円
幼児:70円
3. 湯抱温泉・中村旅館(美郷町)
大正5年創業の老舗旅館で、一日一組限定の温泉宿があります。それが美郷町(みさと町)にある中村旅館の湯抱温泉です。古くから湯治で通われるお客様もあるほど、静かでのんびりでき、自然の音を間近で聞ける癒しの温泉です。
冒頭の「日本百ひな泉」で全国41位とランクインしています。
長年蓄積された温泉成分によって浴槽は堅くしっかりとした千枚田のようになり、まるで自然の芸術のようです。温泉水の表面には、白い湯の花が舞い、温泉に入った瞬間は肌がピリッとするほど、その温泉の威力を感じます。源泉かけ流しの湯抱温泉の泉温は低めの30.6度となっていて、現在でもなんと薪で火を炊き、温泉を沸かして温度調整しています。お風呂からあがってしばらくするとポカポカし湯冷めしにくい温泉です。
湯抱温泉は、神経痛、筋肉痛、関節痛などの外科系疾患のほか、慢性消化器病、痔疾、冷え症、病後回復期、疲労回復、健康増進などに効果があると言われています。一度入ると、湯抱温泉が持つ温泉のパワーに惹かれることでしょう。
お風呂に入ったら、日帰り温泉の場合は、昼食がつきます。家族経営だからこそアットホームな雰囲気で地元の家庭料理を楽しむことができます。貸切風呂に入って、貸切の昼食を取れるのは、至福の体験です。
・泉質:含弱放射能-ナトリウム-塩化物・炭酸 水素塩泉(高張性中性低温泉)
・利用料金
昼食付日帰り入浴 1名3,800円(税込)
子供:130円
幼児:70円
4. 薬師湯 温泉津温泉(大田市温泉津町)
薬師湯は、温泉津にある世界遺産の温泉で、日本温泉協会の天然温泉の審査で最高評価の「オール5」を受けた100%本物の源泉かけ流し温泉です。認定当時は、最高評価を受けた温泉が全国でもわずか11か所しかなく、中四国地方では薬師湯だけが受賞の名誉あるものでした。
地下2~3メートルからの自然湧出の温泉は、源泉の泉温が約46度と高めとなっています。その分、しびれるような心地良い温泉水は、体を芯から温めてくれ、免疫力アップや疾病予防に効果があると言われています。
源泉そのものはお湯の色は透明ですが、空気に触れる事で薄い茶褐色のように見えます。また、季節や時間帯によって、黄金色やエメラルドグリーンのような色にも変化すると言われています。朝と夜とでは温泉の表情が異なるので、薬師湯の温泉は生きている、七変化する温泉だと言われている不思議な温泉です。
そんな最高級の天然温泉は、ビジュアル的にもいかにも効能がありそうな温泉で、流れ出た溶岩のように湯の花が付着した浴室が、湯質の素晴らしさを物語っています。
ずっと入っているとかなり身体が火照るので、適度に休憩を取り入れながら入浴しましょう。
・ナトリウム一塩化物温泉(低張性中性高温泉)
・利用料金
大人:600円
子供:300円(1歳〜小学6年まで)
5. 荒磯温泉・荒磯館(益田市)
じゃらん温泉ランキング中四国エリア・絶景温泉部門第1位に輝いた温泉宿が日本海を眺める場所にあります。それが、島根県西部の益田市にある荒磯温泉・荒磯館です。
波音をBGMに海を目前に眺めながら入る露天風呂は、まさに究極の贅沢です。ザバンザバンと迫力いっぱいの音を立てて崩れる日本海の白波を眺めながら、大自然と向き合う至福のひとときを満喫することができます。
温泉の効能としては、疲労回復・神経痛・美肌などが挙げられます。
・メタケイ酸泉 単純泉
・利用料金
大人:700円 (季節によって変更有り)
まとめ
島根の温泉は、五感を使って入るとまたその楽しさは倍増します。
・見る(色・泡・湯の花など):色付きの濁り湯の温泉は大人気!白・茶・緑・黒など透明のものより人気です。
・触る:ピリピリ・ツルツル・スベスベ・ペタペタ・プチプチ・シュワシュワなど、感触をお楽しみください。
・香り:硫黄の匂い・鉄臭い・タールのような匂い・塩の香り・ミネラルの香りなど様々です。
・味わう:温泉マニアは、まずは温泉水を味わい、舌触りを確かめます。
・聞く:湯船に温泉が流れ込んだり、湧き出たり、また温泉がある周辺の環境(川のせせらぎなど)も合わせて楽しみたいですね!