博多駅から電車に揺られること約1時間。JR武雄温泉駅からゆったりとした街並みを15分ほど歩くと、武雄温泉に到着します。佐賀県武雄市に位置する武雄温泉の始まりは約1,300年前。豊臣秀吉が朝鮮出兵の際に兵士の湯治場として利用したといわれているほど、疲労回復に効果がある温泉です。江戸時代には、宮本武蔵やシーボルト、吉田松陰なども訪れたと言われている名湯の魅力をお伝えします。
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朱色の楼門が迎えてくれる武雄温泉は、女性に嬉しい美肌の湯!
武雄温泉の楼門
温泉の入口に立つ朱色の楼門は、日本銀行本店や東京駅を設計したことでも知られる辰野金吾博士によって、大正4年に建てられました。現在では、国の重要文化財になっています。
東京駅南北ドームの天井には、「辰(たつ)」「巳(へび)」など干支のレリーフが合計8つ刻まれており、「なぜ12支の中で8つしかないのか」と長い間謎に包まれていました。
一方2013年に武雄温泉の楼門改修工事を行った際、天井に12支のうち「子(ねずみ)」「卯(うさぎ)」「午(うま)」「酉(とり)」が東西南北に4つ彫られており、すべてを合わせると12支が完成することが発見されました。これは佐賀県出身の辰野博士ならではの粋な計らいだと、大変話題になっています。
大衆浴場
楼門をくぐると、「元湯」「蓬莱湯」「鷺乃湯」と呼ばれる大衆浴場が3か所あります。「元湯」は現存している木造建築共同浴場では最古のお風呂です。観光客のほかにも地元の人が疲れを癒しに続々とやってきており、活気づいています。
大衆浴場ほかに総大理石の「殿様湯」、控室付の「家老湯」・「柄﨑亭」などの貸切湯もあり、家族連れや、ゆっくりと温泉に浸かりたい方にはこちらもオススメ。
「元湯」 大人400円 こども200円 (6:30~24:00)
「蓬莱湯」 大人400円 こども200円 (6:30~21:30)
「鷺乃湯」 大人600円 こども300円 (6:30~24:00)
「殿様湯」 1室1時間3,800円 (10:00~23:00)
「家老湯」 1室1時間3,000円 (10:00~23:00)
「柄﨑亭」 1室1時間2,300円~2,900円(10:00~23:00)
*いずれも最終受付は終了1時間前まで
泉質
弱アルカリ性・無色透明のお湯。硫黄の匂いなどはなく、やわらかで肌触りがとてもよいのが特徴です。ほんの少し湯船に浸かっただけで、頬はツルツルに、全身が弾力を帯びてくるような女性に嬉しい美肌の湯。神経痛や筋肉痛、冷え症、疲労回復に効果があると言われています。
日頃の疲れを癒してくれるオススメの名宿
武雄温泉は規模もそんなに大きくなく、ひっそりとした環境が魅力です。そのため、お忍びで訪れる芸能人や著名人が多いことでも有名。宿も高級どころから、コスパに優れる旅館までそろっており、旅のスタイルによって自由にチョイスできます。
竹林亭
15万坪の御船山楽園の中にひっそりとたたずむ、純和風旅館。貴賓室には天皇皇后両陛下もお泊りになられたそうです。静寂に包まれた部屋の窓を開けると、一面に美しい庭が広がり、まるで隠れ家のよう。
部屋に備えられている内湯からも檜の香りが漂い、贅を尽くした素晴らしい環境です。お部屋でいただくお料理も、ひとつひとつ丁寧に作られているのが手に取るようにわかり、感動もの。特別な日に訪れたい宿です。
- 御宿竹林亭
- 佐賀 / ホテル / 温泉旅館
- 料金(目安):-円〜113,351円
- 宿泊時間:15:00〜11:00
- 住所:佐賀県武雄市武雄町大字武雄4100地図で見る
- Web:http://www.chikurintei.jp/
扇屋
1993年・94年と、2年連続で日本温泉旅館大賞のグランプリを受賞した宿。部屋数が10部屋ほどと少なく、細部にまでおもてなしの心が伝わる温かな宿です。ちいさい旅館なので、お風呂は3人ほどでいっぱいになってしまいますが、大衆浴場にも近いので、色々なお風呂を楽しむには便利な立地です。
「料理の鉄人」に出演されたご主人によるお料理に定評があり、お部屋でいただく懐石には季節の食材がふんだんに使われています。到着時にいただく、お抹茶とおはぎも絶品です。夕食時こどもには、ハンバーグやエビフライといった定番のお子さまランチをつくってくださる心遣いが嬉しいですね。