静岡県と聞いて連想するものと言えば、やっぱり「富士山」!そのイメージの通り、素晴らしい富士山の眺めを楽しめる観光スポットは県内至るところにありますが、今回は「さった峠」という観光スポットについて紹介します。かの有名な歌川広重の浮世絵にも描かれたさった峠からの絶景。古くから美しき富士の霊峰を眺めることのできる眺望スポットとして名を馳せてきた観光名所で、峠から眺める富士山の光景は必見です。今回は、さった峠の魅力について、たっぷりと紹介していくこととしましょう!
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歌川広重の浮世絵にも描かれた富士山の絶景!さった峠
さった峠とは、静岡県の由比(ゆい)という駿河湾に面した漁師町と清水の市街地との途中にある標高93mの小さな峠のことを指します。
もともとは、江戸時代に整備された「五街道」のうちの東海道上にあった峠道。今でこそこの辺りは、太平洋の海岸沿いに東名高速道路、国道1号線などの幹線道路や東海道本線が通る“日本の大動脈”とも呼ぶべき交通の要衝ですが、古くは現在の新潟県糸魚川市にある「親不知・子不知」と並んで海岸沿いに断崖絶壁が続く険しい難所として知られていました。
そんなさった峠は、当時の東海道を行き交った旅人たちからすると、息も絶え絶えに、険しい山道を己の足だけを頼りに登らざるを得なかったことかと推察されますが、旅人たちの疲れを吹き飛ばすほどの絶景がそこにはありました。
それがこちらのさった峠から望む絶景です!雄大な駿河湾の大海原を見ながら左手の陸地側にそびえるのは、圧倒的な存在感を放つ富士山の光景。かの有名な浮世絵師としても知られる歌川広重の『東海道五十三次』にも描かれている通り、今も昔も素晴らしい富士山を望むことのできる峠道です。
また先ほども触れましたが、現在では東海道を結ぶ主要な交通路線が集中している由比の海岸線。雄大な富士山の様子とともに、眼下には東名高速や東海道本線、そして国道1号線などの車や電車などがひっきりなしに行き交う様子も楽しむことができます。
そして、さった峠の素晴らしさは雄大な富士山の景色だけにあらず!視界の開けている東から南東の方角に向けて目を遣ると、そこには一面に広がる素晴らしい駿河湾の大パノラマが。
どこまでも広がる見事な海の景色の向こうに広がるのは、対岸にある伊豆半島の山並みです。半島の付け根にある標高982mの達磨山(だるまやま)から伊豆半島の南西端にある波勝崎までのほとんど全てを見渡すことが可能です。
さった峠までのアクセス!
それでは、そんな素晴らしい富士山の絶景を楽しむことのできる、さった峠までのアクセスをご紹介しましょう。まず、車でアクセスする場合には、東名高速の清水インターから国道1号線や国道52号線などを経由して約8㎞。所要時間はおよそ15分ほどの道のりです。
特に峠の入り口付近から頂上までの道のりは狭い区間が多く、対向車とのすれ違いの際には注意を要しますが、頂上には駐車場が整備されておりますので、ご安心ください。
また、さった峠周辺は「東海自然歩道」という遊歩道が整備されており、車でアクセスする以外にも、JR東海道線の興津駅または由比駅からハイキング感覚で峠の頂上を目指すことも可能です。
特に由比駅側から歩いていく場合には、東海道の宿場町の名残を残す由比の街並みや、こちらも静岡県のイメージにぴったりなみかん畑の脇を通って峠の頂上まで楽しく歩くことができますので、おススメです。
小腹がすいたら地元・由比の絶品グルメを!
今回のさった峠を巡る富士山の絶景ツアーはいかがでしたでしょうか?峠の頂上まで歩いて、素晴らしい景色を堪能できたのは良いものの、ちょっと小腹が…。という方には、地元の絶品グルメ・桜えびのかき揚げがおススメです!
ここで言う桜えびとは、由比の街が面している駿河湾でしか水揚げされない貴重な地元の海鮮グルメのことを指していて、桜えび自体は体長40㎜前後の小さなエビになります。
神奈川県にある湘南海岸などで獲れる生しらすと同じように、お寿司の軍艦に生の桜えびをたっぷりと乗せて、新鮮なままで味わうのも最高に美味しいのですが、サクサクの衣を纏って、カリっとした食感で味わう桜えびのかき揚げはもう堪らないくらいに美味しいです!
由比の街中や、海岸線を通る国道1号線沿いには、そんな美味しい桜えびのかき揚げが食べられるお店がいくつか点在していますので、是非とも素晴らしい富士山の景色とともに、地元のグルメも堪能してみると良いでしょう。