日本の陶磁器生産量が圧倒的NO.1の土岐市は、美濃焼の名産地。そんな街のアンテナショップ的な道の駅は、美濃焼の代表的なアイテムから名前をとった「志野・織部」。また隣接する「織部ヒルズ」も面白い!2つのスポットを併せてご紹介します。
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美濃焼の里!陶磁器の生産量が日本一の「土岐市」とは?!
土岐市 は岐阜県なのですが、岐阜市や高山市といった岐阜の中心地とはちょっと違うエリア、東濃(美濃地方の東部)にあります。交通網、地理的には、愛知が身近な感じでしょうか。
そんな 土岐市 は 美濃焼 の産地のど真ん中!あまり知られていないのですが、実は 陶磁器の生産量が日本で “ダントツ” NO.1!なんです。
町のあちこちに窯元があるので、「とき窯元めぐり旅手帖」 を見ながら自分で巡っても良いですし、観光ガイドが案内してくれる「窯元めぐり」も土岐市が主体でやっています。
しかも、面白いことに、それぞれの町によって得意とする焼き物の分野が分かれているんです。例えば、駄知町ならどんぶり、土岐津町なら煎茶碗や湯呑、下石町なら徳利…といった具合です。
そんな土岐市全体の陶磁器が一挙に集められており、見て楽しんで買える、そしてご当地グルメのお土産も購入できるのが、今回紹介する「道の駅 志野・織部」です。
日本三大陶磁器「美濃焼」に “決まりごと” はない?!
「志野?織部?って何?!」という方も多いと思うので、ここで簡単に 美濃焼 についてご紹介します。知らないで物色するのと、知ってから物色するのでは、きっと楽しさも違うはず。
美濃焼 は、瀬戸焼、有田焼 と並んで 日本三大陶磁器 の一つ。今や日本で生産される陶磁器の50%以上のシェアを占めていると言われていますが、「美濃焼ってどういうもの?」との問いには、明確なスタイルを一言で表現できません。
でもそれで良いんです。それが “美濃焼” 。 良く言えば「自由奔放な焼き物」、悪く言えば「特徴のない焼き物」(笑)。
なので現在、美濃焼の定義は「多治見市・土岐市・瑞浪市 の地域で製作された陶磁器」とされています。
このように「自由奔放な焼き物」になったのは、安土桃山時代に活躍した 千利休、そして織田信長 といった戦国武将によって手がけられた 茶の湯 という、いわゆる茶道文化の影響が大きいと言われています。千利休も弟子に「人と違うことをせよ」と教えていたそうで、その教えを受けて一躍ブームとなったのが「織部焼」です。
とは言っても、それ以前から美濃は焼き物の名産地であったわけで、「織部焼」がブームになる以前からあったのが「志野焼」です。
白っぽくてやぼったいのが良い「志野焼」
「志野」と言ってもピンとこない方も、「抹茶を立てるときの器」と言えばイメージが湧くのではないでしょうか。白っぽくて、ちょっとやぼったい感じ。プツプツと小さな穴があるのも特徴です。
焼き物に自由な発想あり!と広めた「織部焼」
安土桃山時代、「織部焼」がブームになったのは、「今までの焼き物」という既成概念に囚われない、奇抜な深い緑色や、自由奔放な形が、武将や庶民にウケたからと言われています。
このブームの火付け役は「古田 重然」という戦国武将。名高い武将でありながら、千利休に弟子入りし、「茶の湯」の場ではハンドルネームとして「古田 織部」を使っていたそう。だから「織部焼」なのですね。
このような歴史がありながらも、土岐では日々、その時代に相応しいデザインの美濃焼が生まれ続けています。前談が長くなりましたが、そんな美濃焼がズラ〜り並ぶ 道の駅 志野・織部 の中を、さっそくご紹介いたします。
【道の駅 志野・織部】の楽しみ方
国道21号線沿いにある【道の駅 志野・織部】は、2004年に開業して以来、多くの人で賑わっています。周囲には3つも駐車場があるので、混雑していてもどこかしらには停められるはずです。車から降りたら、まずは「陶遊館」と書かれている大きな建物へ向かいましょう。
たくさんの器は迫力満点!
一番最初に目に入るところには特設ギャラリーがあります。期間限定で様々な展示&販売が行われています。筆者が訪れた際は、若き陶芸作家「熊倉龍一」さんの作品が並べられていました。
その奥にはとにかくたくさんの陶磁器が!日常的に使えるものから、“我が家の自慢のお皿” にしたいものまで、種類は豊富にあります。
お皿や器ばかりではありません。陶器で作られたオブジェなども色々あって、眺めているだけでも楽しめます。
「市場価格の15〜20%OFF」そのワケは?!
物色していると分かると思うのですが、どの陶磁器も本当に安いのです。「普通なら1,000円超えそう…」という器が1,000円未満だったり、200円程度で売られているものもあります。
なぜこんなに安いのかというと、決してモノが悪いからではありません。「道の駅 志野・織部」 のすぐ隣に、美濃焼の卸商業団地「織部ヒルズ」があり、そこの 卸値 で売られているから。すなわち 直売価格 なんですね。
最近では「織部ヒルズ」でも小売を始めており、「道の駅 志野・織部」と併せて訪れる方がほとんど。「織部ヒルズ」については、また後ほどご紹介します。
器以外にも、土岐ならではの商品がいろいろ
器ばかりではなく、子供の良い遊び相手になりそうな商品もいろいろ。どこにでもありそうなオモチャではなく、「光る泥だんご」や「東濃ひのき」など、東濃ならではの田舎らしい商品が、むしろ新鮮です。
徳利やお猪口もいろいろ売っているので、良いのを見つけたら、ぜひ地酒もいかがでしょう?日本酒好きな筆者なので、つい贔屓目に見てしまいますが、それでも土岐の地酒は質が良いと思います。小さな蔵ばかりなので全国流通はしていない = ここでしか買えないものばかりです。