天空を覆い尽くさんばかりの勢いで、歴史上の人物達が迫ってくる様は、圧倒されるほどの迫力です。迫力のサウンドと相まり、祭りのただ中に立っているような錯覚さえ覚えます。青森駅から少し離れますが、ぜひ立ち寄りたいスポットです。
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立佞武多(たちねぷた)の歴史
現在、「立佞武多の館」がたつ五所川原は、明治中期から農林水産資源の中継地として大変栄えていました。その繁栄を担っていた豪商や大地主たちは、力の象徴として、夏祭りに山車を出し、競い合うようになります。しだいに佞武多は巨大化し、高さ20mを超えるようになっていきます。中には30mにも及ぶ佞武多もあったと伝えられています。
しかし大正時代になり電気が普及し、町に電線が張り巡らされたことによって、巨大佞武多の運行は困難になってしまいます。しかし、1996年、当時の写真や台座の図面が出てきたことをきっかけに、有志達の手によって高さ22mの巨大佞武多が復活します。名前も「立佞武多(たちねぷた)」と命名し、1998年からは、「五所川原立佞武多」として祭りも復活したのです。現在では、「青森ねぶた」と「弘前ねぷた」と並び、「五所川原立佞武多」は、青森三大佞武多の一つとなっています。
立佞武多の館とは
五所川原立佞武多祭りは、毎年8月4日から8日の5日間、19時から21時まで定期開催となっています。大変人気で、飛行機の予約は取れたが宿泊施設の予約が取れないとか、祭りが終わり次第、来年の予約を取る人が多いなどの噂も耳にするほどです。
祭りを見物するにはかなりハードルが高そうですが、祭りが開催される期間以外でも通年で祭りの雰囲気を楽しめるのが、「立佞武多の館」です。平成16年にオープンした、この施設は20mを超える大型立佞武多3台を格納しており、常設展示しています。
館内の楽しみ方
巨大立佞武多を堪能する
佞武多の展示室は1階から4階まで吹き抜け空間になっており、佞武多の周囲をバリアフリーのスロープで見学するようになっています。高さ約23m、重さ約19tにも及ぶ巨大な人形灯籠を、角度や場所を変えながら、その大きさに圧倒されながら、じっくりと見学できます。
下から見上げると天空を覆うような迫力さえ感じます。1階では、巨大スクリーンで祭りの様子を上映しているので、臨場感も味わえます。ちなみに、祭りの掛け声「ヤッテマレ」は「やってしまえ!」からきたものと言われています。
制作過程を楽しむ
建物は6階建てで、3階には「立佞武多製作所」があり、毎年1体の大型立佞武多が制作されています。1台の大型立佞武多は、50以上ものパーツに分割され、半年以上をかけて製作されます。各パーツ毎に、骨組み→紙貼り→書き割り(墨入れ)→蝋入れ→色付けと進み、パーツが全て仕上がると、組み立てられます。時期によっては、紙貼りや色づけの体験にも参加できるそうなので、興味のある方は事前にお問い合わせください。
絶景を見ながら食事を楽しむ
館内の6階には、展望ラウンジ「春楡(はるにれ)」があります。晴れていれば八甲田連峰、岩木山、津軽平野を一望しながらお食事を楽しむことができます。ちなみに名物は、島根、茨城とともに日本三大しじみで有名なしじみを使用したしじみラーメンです。
- 立佞武多の館
- 青森 / 雨の日観光 / 穴場観光スポット / 観光名所
- 住所:青森県五所川原市大町506-10地図で見る
- 電話:0173-38-3232
- Web:http://www.tachineputa.jp/