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異空間な半僧坊
これまでで、たくさんの見どころに溢れている建長寺。まだまだ、さらにさらに建長寺の魅力は奥があるんです。建長寺、本当に見どころ多すぎ、奥深すぎです。
敷地の奥へ奥へと入っていくと、それまでの寺然とした雰囲気から打って変わって鳥居があらわれます。
そして奥を見てください。その参道は裏山へと吸い込まれるように続いています。245段の階段が続くので、頑張って登りましょう!245段は普段運動不足の方が登ると結構きついので覚悟していきましょう。
ちなみに、どんぐらいの大変さか段数だと伝わりにくいので、私の家の階段の段数を数えてみました。1階から2階へ行くのに、13段です。
つまり、245段÷13段=約19階。19階分をいっきに登るわけです。ぐふぅ~。
ぜえはあぜえはあ言いながら、十数体の天狗増が見えたらゴールはあともう少し!
最後の力を振り絞って(太ももが重い・・・)登りきったら、そのまま後ろを見てみましょう。さっきまで私たちを見下ろしていた天狗からの景色が見えます。
この日は秋の陽光が木々を照らして、とっても染み入る景色。頑張って登ってきて良かった・・・!
ところで、なんでここは天狗だらけなんでしょう?
実は建長寺の天狗さんたちのルーツは、静岡にある方広寺にあります。
方広寺の開祖は、中国にわたり修業をしてきた人でした。日本に帰る途中の海で、大嵐に会いました。大波が船を襲う中、お経を唱えていると、天狗があらわれ「私が無事送り届けます」と、この難局を乗り越える手助けをしてくれました。
その後、方広寺を創建すると、その天狗が再び姿をあらわし、「弟子になりたい」と願います。そのとき開祖が、「あなたは、半ば僧のようですね。」と言ったことから、天狗=半僧坊と呼ばれるようになったと言われています。
さて、話を建長寺に戻しましょう。
今から数代前の建長寺の住職が、白髪の老人と出会う夢を見ました。その老人は、半ば僧侶のような、はたまた俗人とも思えるような不思議な風貌をしていました。その老人は住職に向かって、「私を清浄な所に招いてくれるなら、そこは栄えて、ありがたいことが絶えることがないでしょう。」と告げ、姿を消しました。
住職は、この老人が「半」ば「僧」のような風貌であったことから、この人が半増坊であると、ピンときたのです。そこで、建長寺の住職は、半僧坊で知られていた方広寺に出向き、半僧坊の分身をいただいて、この地を創建したと言われています。
半僧坊=天狗ということなので、祀られている分身を守るように、たくさんの天狗さんたちが鎮座しているわけですね。そして、建長寺の天狗さんに守られた一帯も「半僧坊」という名で親しまれています。
さて、天狗さんたちについてはわかったんですが、普段運動不足の自分には、この階段は非常にきついものがあり、どこかで休憩したいです・・・。と思ったら、ちゃあんと「わかってらっしゃる~」という位置に茶屋があるんです。
そしてここからの景色がまた素晴らしい。思わず高い場所登っちゃったなー。という景色で、天気が良ければ富士山も望むことができますよ。
関東一の梵鐘
さあ、建長寺を満喫した後は、階段を下ってひたすら帰るだけです。でも、もうちょっと待って!帰り際にこちらもぜひチェック!
三門のある位置まで戻ったら、山側から見て三門向かって左側に、茅葺屋根の巨大な梵鐘があります。その高さ2m。円覚寺、常楽寺とならぶ鎌倉三名鐘の一つです。
この鐘、関東一美し~い梵鐘としても知られています。そして、鐘の音が人の泣き声に似ているということから「夜泣き鐘」とも呼ばれています(怖い・・・)。
いかがでしたか?日本での「禅」のルーツとも言える建長寺。鎌倉にお越しの際は、ぜひ立ち寄ってみてくださいね。
- 建長寺
- 鎌倉 / 寺 / パワースポット
- 住所:神奈川県鎌倉市山ノ内8地図で見る
- 電話:0467-22-0981
- Web:http://www.kenchoji.com/