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鬼退治の伝説が残る熊野の世界遺産!~鬼ヶ城を巡る絶景Trip~

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訪問エリア:47都道府県

2016年12月5日更新

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写真:てっぴい

紀伊半島にのびる熊野古道。熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社の熊野三山を起点にして、和歌山県、三重県、奈良県の3つの県に跨る長大な道ですが、平成16年(2004年)に「紀伊山地の霊場と参詣道」としてユネスコの世界遺産に登録されて以来、多くの人が知る観光名所となりました。今回はそんな世界遺産の一部として登録され、鬼退治の伝説が残る場所としても知られている三重県熊野市の鬼ヶ城について紹介していきます。

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鬼ヶ城って?

  • 写真:てっぴい鬼ヶ城遊歩道

熊野市の市街地より北東へおよそ2km。志摩半島から続くリアス式海岸の最も南の付け根にあたる鬼ヶ城は、熊野灘の激しい荒波によって浸食された断崖絶壁が続く風光明媚な景勝地です。

日本百景にも選定されており、素晴らしい太平洋の絶景を望める観光スポットです。昭和10年(1935年)には国の天然記念物にも指定され、冒頭に紹介した通り平成16年(2004年)にはすぐ近くにある獅子巖とともに「紀伊山地の霊場と参詣道(=熊野古道)」の一部として世界遺産に登録されました。

この「鬼ヶ城」という大変ユニークな地名は、その名前の由来となった鬼退治の伝説が残る場所としても有名ですので、まずはそちらの伝説について紹介していくこととしましょう。

鬼ヶ城に残る鬼退治の伝説

  • 写真:てっぴい遊歩道より見上げる鬼ヶ城跡方面

鬼ヶ城の伝説は、平安時代に桓武天皇の命を受けた時の征夷大将軍・坂上田村麻呂がこの地域一帯を支配していた海賊・多娥丸(たがまる)を征伐したというエピソードに由来します。

この多娥丸という海賊が伝説の中では人々に恐れられていた“鬼”にあたるワケですが、海賊が根城にしていたこちらの鬼ヶ城(=当時は「鬼の岩屋」と呼ばれていたそうです。)は、海岸に険しい断崖が続くことから、坂上田村麻呂の軍勢も攻めあぐねていました。

すると、沖の魔見ヶ島(まみるがしま)に突如として童子が舞い降り、坂上田村麻呂の軍勢も加わって大騒ぎをしたトコロ、鬼が何事かと岩屋の扉を開いたその一瞬の隙をついて、将軍が神通の矢を放ち、見事一矢にて退治することが出来たという伝説です。

伝説の中でも紹介したとおり、古くは「鬼の岩屋」と呼ばれていた鬼ヶ城ですが、室町時代に有馬忠親の手によって高台の上に実際に城が築かれるようになった為、現在の鬼ヶ城と呼ばれるようになりました。

こちらの鬼ヶ城跡は、現在でも堀切など当時の遺構がいくつか残されている部分があるほか、熊野市方面に美しくのびる七里御浜の海岸線を望む展望台として、海岸伝いにある鬼ヶ城センターから山を登る遊歩道が通じています。

さらに、熊野古道の有名なハイキングコースとしても知られる松本峠からも分岐して、こちらの鬼ヶ城跡までアクセスが可能となっています。

鬼退治の伝説で童子が舞い降りたとされる魔見ヶ島!

さて、簡単に鬼ヶ城にまつわる伝説について紹介したトコロで、いざ断崖絶壁の海岸に続く鬼ヶ城の散策コースを進んで行くこととしましょう。

車でこちらの鬼ヶ城へとアクセスする場合には、熊野尾鷲道路の熊野大泊ICより国道42号線を熊野市方面へと進み、鬼ヶ城トンネルの手前にある分岐で分かれ、その突き当たりにある鬼ヶ城センターを目的地にしてアクセスします。鬼ヶ城センターに着いたら駐車場に車を停め、そこから先に続く遊歩道へと出発していきましょう。

遊歩道は、海岸の断崖絶壁に沿って約1km。険しい海岸線に白波を豪快に打ちつけて波しぶきを上げる熊野灘の海の様子と向かいの大泊の集落の様子を眺めながら、遊歩道をしばらく進んでいると早速、先程の伝説の中でも紹介した魔見ヶ島が見えてきます。

  • 写真:てっぴい魔見ヶ島

写真中央の沖合に浮かぶ島が魔見ヶ島です。2つの大きな岩が海から突き出たように見えるのが特徴的な魔見ヶ島ですが、魔見ヶ島を望む展望スポットには、石碑とあわせて先程の鬼退治の伝説を紹介する説明書が立てられています。

鬼ヶ城一番の見ドコロ!千畳敷

  • 写真:てっぴい鬼ヶ城

魔見ヶ島を横目に見ながら遊歩道をさらに先へと進んで行くと、まるで本当に鬼が住んでいたのでは?と思ってしまうほど、荒々しい岩、海、山の光景が続きます。

遊歩道を進んで約10分ほどの場所にあるのがこちらの千畳敷です。熊野灘の最も海に突き出た部分に位置する千畳敷は、まさしく自然が造り出した海岸沿いにある大洞窟で、鬼ヶ城一番の見ドコロスポットになります。

  • 写真:てっぴい圧巻の光景が広がる千畳敷

海に面する方向は完全に開けている千畳敷。ふと頭上を見上げてみると、まるで覆い被さるようにして自らに巨大な大岩が迫るその様子は、圧巻の光景です!

目の前に広がる熊野灘の絶景も非常に素晴らしく、自然のダイナミックさを大いに感じられる観光スポットになりますので、じっくりと散策してみると良いでしょう。

  • 写真:てっぴい鬼ヶ城の断崖と遊歩道

ちなみに、こちらの千畳敷の先にも猿戻りや鬼の風呂桶、飛渡りなど次々に自然が造り出した迫力ある光景を楽しめるスポットが数多くある鬼ヶ城の散策コースですが、残念ながら、平成27年(2015年)の7月18日以降は遊歩道の一部が崩落した為、千畳敷以降の区間については通行止めが続いています。

これはその年に四国・本州を直撃した台風11号の影響によるもので、鬼ヶ城センターの反対の入口にあたる西口からの通行も現在は出来ないような状況となってしまっています。

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